花野井くんと恋の病 第1話を見る。
恋が解らない少女と愛が重たい少年の、”お試し”から始まるラブストーリー。
絵造りから音楽、声優陣までとにかく手堅くカッチリ、アオハルな少女漫画アニメの王道をひた走る印象。
…を少し超えて、主役たちがトンチキなぶっ壊れロボット人間で面白かった。
俺はロボ人間が触れ合いの中で”人間”になっていく話が好きなので、一話の壊れ方と繋がり方が続いてくれるのなら、かなり好みの味わいに収まってくれるんじゃないかな、という期待感がある。
恋愛以外の要素とキャラを、どんだけ取り込んで思春期を書くか次第…かなぁ。
花野井くんがツラだけは良いヤバ人間で、たった一つの運命求め過剰な愛を相手に押し付け、『そらーフラレるわ…』というぶっ壊れっぷりで初手から魅せる。
『過剰なプラスは、過剰なマイナスに受け止めさせろ!』ってんで、ざーさん演じるほたるちゃんは恋の何たるかを知らない真っ白なピュアキャンバスであり、超絶グイグイ恋押し込んでくる、花野井くんにやや引いた距離感からスタート。
この初期設定での凸凹はなかなか魅力的で、面白くなりそうな予感がバリバリ立ってる良い出だしだと思う。
後々恋が深まった後、”マトモ”になってなお魅力を維持できるかが大事か。
ヤンでれば良い、ってわけでもないけどさ。
花野井くんはとにかく自分を大事にできないセルフネグレクト野郎であり、ツラの良さにもピンときてないご様子。
つまり真実愛された記憶が魂にぶっ刺さってない冷感ボーイなわけで、ほたるちゃんの純朴なマトモさがそこん所、どう変化させていくかが大事なのだろう。
相手をちゃんと見る、受け取るだけでなく手渡す。
当たり前に思えて結構出来ない、人間と人間が向き合うときの基本を大事にしていく話なのだということは、第1話から素早く感じ取れて良かった。
二つ揃いのピアスを象徴に、過剰と欠乏を分け合う関係性が透けて見えてくる。
そこ足場にしてくれると、かーなり見やすくなってくる。
真実の愛を求め続けている花野井くんが、ほたるちゃんという一人間ではなく、自分に優しくしてくれた人間サイズの”愛”を求めてるんじゃないか…つう疑惑は、おそらく狙って醸し出されたヤバさで。
ここでほたるちゃんがほたるちゃんだからこそ選ばれる理由と、選ばなければいられない情熱を印象的にブッ込めると、ロボ人間に血が通って良い感じかなと思った。
ほたるちゃんは普通LV100って感じの、人間のオーソドックスな善さと強さを既に極めてる感じの好感少女なので、そういう領域での戦いは得意そう。
ボヤボヤしているように見えて勝負どころでは熱血なのが、第1話から理解ったのはありがたい。
好きだ、そういうの。
現状明らかぶっ壊れてる花野井くんに、ほたるちゃんが与える構図が作品の基本に思えるが、ここが逆転して公平性が担保されてくると、よりフェアで見やすい感じになんのかな~、と思う。
そこら辺のヒネり方含め、初期状態の面白さを使い切った後、どんだけ物語燃料を補充して1クール飛びきれるかが大事かな、と思う。
まったりした日常の良さでも、サブキャラの物語の面白さでも、なんらか”二発目”があってくれると、ベーシックでオーソドックスである強みがより活きそう。
逆にこっから追撃が薄いと押し込み足りない感じにもなりそうだが、さてどうなるか。
次回以降も楽しみだ。