イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

夜のクラゲは泳げない:第7話『夜明け』感想

 先の見えない未来へと、取り立て免許で一緒に行こう。
 バイク教習所と美術室、二つのゆりかごで4つに未来が複雑に揺れて前へ進んでいく、ヨルクラ第7話である。
 大変良かった。

 前回に引き続き番外編的というか、創作集団としてのJELEEが新作を出すわけではないけども、四人の人生にとっては極めて大事で、眩しいことが起きている回である。
 キウイと花音、めいちゃんとまひると、今までそこまで交錯があったわけではないメンツをしっかり結び合わせながら、教習所で出逢った小春さんの普通じゃない魅力をスパイスに、未来に迷う高校生(不登校含む)の進路を、光の中に見据えていくエピソードとなった。
 新進気鋭のMV制作集団として、イケイケに思えるJELEEにも高校2年生当たり前の難しさが当然にあって、だからこそ瑞々しい感性で自分たちだけのアートを世に問うことも出来る。
 そんな創作の足場がどんな風にぬかるんでいて、どんな風に固められていって、どこに……だれと眩しく続いているのかを、花音ちゃんの悪戦苦闘を通じて描いてくれた。
 結構横幅の広い回でもあり、制服を着たJELEEがそれぞれに迷いつつも逞しく、悩みつつも眩しくチャーミングな姿を見せてくれて、大変良かったです。

 

 

 

 

画像は”夜のクラゲは泳げない”第7話より引用

 というわけでJELEEを二つに割り、制服を着て学校という箱に行く組と、自由に未来へ進み出すための二輪車を扱う資格を取りに行く組に、別けて描いていく今回。
 映像の時系列では分割されているそれらを、感想では結び合わせながら見ていこうと思う。
 まずはまひる-めいの制服組だが、すっかりおなじみのロケーションとなったオープンカフェに腰掛け、フェンス越しの未来を共に見据え、あるいは背を向けて迷い、戻ってきてまた見つめる場面からスタートとなる。

 第5話では花音ちゃんとめいちゃんの無邪気さに踏み込めない、まひるの隔意を示していた椅子を超えて、その先にある景色を一緒に見ることに、もう躊躇いはない。
 しかし戸惑いは未だ残っていて、一体どんな未来に進んでいくのか、同じアート系の進路を見据えつつめいちゃんは心を決め、まひるは迷い続けている。
 ピアノをひく自分を確固たる未来の礎にすることは、めいちゃんにとって誰より大切な花音に捧げる誠意の証であり、弾く意味を思い出させてもらった恩返しでもある。
 携帯電話の待受に刻まれた運命と決意を、愛しく見つめつつ呟かれた友達の思いを受けて、まひるは一回未来が広がっている方に背を向けて、また戻ってきてフェンスの向こう側に目を向ける。

 そこでまひるは彼女の運命と、めいちゃんと同じように出逢ってしまい、無力感と自己嫌悪の海底から引き上げられ、眩しい太陽を見てしまった。
 今回ヘロヘロ未来に悩む芯のない姿を……クラゲとしての山ノ内花音を見せているけども、そんな神様じゃない友達はやっぱり二人にとって特別で、自分が選んだ未来を捧げることで、救ってもらった恩を返したい相手だ。
 フェンスの向こう側、顔のない誰かが制服着て立っているあの場所で、動き出してしまった”光月ヨル”二度目の人生に、それを蘇らせてくれた優しい悪魔に、報いるだけの選択はどこにあるのか。
 まひるは悩みつつ、しっかりそれを見据えている。

 

 

 

 

画像は”夜のクラゲは泳げない”第7話より引用

 明るく開かれた場所から、狭く暗く閉じて緊密な場所……まひるでありヨルでもある女の子が一番大事なものを、ひっそり開示できる美術準備室へと舞台を写しながら、二人の対話はよりディープな場所へと踏み込んでいく。
 絵を描くためによりオフィシャルな場所である美術室ではなく、”準備室”で書いてる所に、美大進学を堂々進路としてエレらべないまひるの屈折と、それでも本当の話をする時は絵筆を握っていたい自負が、透けていてとても良い。

 画家とモデルとして、プライベートでありながら距離がある関係を改めて作りながら、まひるはめいちゃんの進路……自分の迷いにより突っ込んだ質問を投げかける。
 推しにしか興味がない狭い人間のようでいて、めいちゃんが非常に公平で純粋な視線を他人に投げかけていることは、前回アリエルちゃんと向き合った時に完全に示されている。
 その思いがけない健全さに、めいちゃんはすでにかなり自覚的で……しかも極めてネガティブな嫉妬や憤怒にこそ、そんな己の風通しを見つけ出せている。

 

 負けて悔しかった、暗い場所で唇を歪めた。
 理由の見えない辛さに(それこそ第5話のまひるのように)押し流されてもおかしくない状況で、おそらく花音に思い出させてもらった愛と強さを胸に弾けさせて、めいちゃんは独力で顔を上げ、自分がどこにいるかに気付く。
 そこにはピアノがあり、弾く自分がいて、それが響いていく世界があることへ、極めて健全で力強い視線を投げている。
 これに貫かれて、めいちゃんが目指す一本道は既に迷いがない。
 推しに恥じない演奏を続け、ピアノを引き続ける自分を真実の己だと定め、そのためにひたすら前に進む未来を、めいちゃんは個別エピソードを貰う前からしっかり掴み取っていて、迷えるまひるに手渡す。

 ”光月ヨル”であることを捨てて、量産型に埋没しようとしていたまひるにとって、絵筆を握っている自分を見せるのはかなり特別で勇気のいることで、JELEEでも芸術系の進路が近しい、自分に先んじて未来を見定めているめいちゃんだからこそ、この美術準備室で未来を問うたのだと思う。
 そんな信頼の重たさ、つながりの強さをめいちゃんは非常に正しく分かっていて、まひるが今欲しいものを極めてストレートに、嘘偽りなく伝えてくれる。
 キウイと花音のドタバタ騒がしく、チャーミングな教習所青春日記よりも抑えた筆致けども、見た目よりも遥かに屈折している二人の若き芸術家がどう繋がって、何を手渡したか、凄く的確に可視化している話数だと思う。

 ここでまひるとめいちゃんが伝え合っているものって、本当に信じた相手としか共有できない難しいもので、それが見つからないからJELEEになる前の二人も、暗い海の底を漂っていた。
 しかし今、未来を見定める土壇場でそういう大事なことを語り合える相手、伝え合える相手がちゃんといて、しかも一人ではない。
 花音がいない場所でもJELEEがのリーダーが大好きな二人は、信頼や夢をしっかり手渡ししあって、危うい一本橋から落ちないために必要な未来の道しるべとして、お互いを視界に入れることが出来る。
 そしてめいちゃんが示して渡してくれた勇気が、まひるが進路を定める足場となり、裸足でも進んでいけると心を決めた少女の存在が、彼女の悪魔を照らしても行く。

 

 

 

 

画像は”夜のクラゲは泳げない”第7話より引用

 というわけで女二人も闇の底から引っ張り上げちゃった、頼れる私たちのカミサマは、進路もはっきりしねーまま同じ不登校仲間だと思ってたキウイちゃんが、想定より遥かにきっちり未来設計していた事実に焦り、確たる目的もないまま免許合宿へ赴く。
 焦りを焼き付けるように噛み潰されたストローが、見事に花音の焦燥を語っているが、めいちゃんに比べて自衛意識が強い≒大人っぽいキウイは、あんまり自分の間合いに他人を入れない。
 ここら辺のプライベートエリアの設定、成熟にJELEE内部でもグラデーションがあるのが、色んな連中が寄り集まって一つの奇跡を成し遂げている、アーティストユニットという感じがして自分的にはとても面白い。

 キウイの自己防衛的隔意は教習所の階段、食堂のパーテーション、二段ベッドの上下などでレイアウトに図示されていくが、その大人びた切り分けはとても賢い彼女が自分なり学び取った、世界の残酷さとの向き合いかたでもある。
 一本道をヘロヘロ、足元の奈落ばかり見て真っ直ぐ進めない花音の未成熟に比して、きっちり進路を見定めそのための足としてバイクを選んだ、キウイの現実主義は頼もしく見える。
 しかしその奥にはかつて受けた傷がいまだに血を流している、柔らかな幼さが確かにあって、それは揺蕩うしか手立てがないクラゲをトーテムとするJELEEの仲間、あるいはその音楽に自分を見出す全ての人間に共通している。

 一見激ヤバな小春さんとの遠い距離感は、次第に詰まっていく親しさを際立たせるための助走でもあって、信頼してない他人に勝手に踏み込まれるのを嫌う、クレバーな少女の安全策でもある。
 ここら辺、めいちゃんとまひるの無防備な近さと対比で面白くもあるが、まだそこまで近づいていない花音とキウイの距離もまた、触れ合いつつもどこか遠い……未熟な幼さと危うさを残す花音が近づいてくるのを、キウイちゃんが押しのけている形で序盤展開していく。
 JELEEのメインエンジンとして情熱燃やして突っ走る頼もしさと、どっか頑是ない生活能力のなさ、現実の見えなさを同居させている花音の魅力が、また別角度から照らされる話なのはとても嬉しい。
 俺は色んな顔がある山ノ内花音が、とても好きだから。

 

 

 

 

画像は”夜のクラゲは泳げない”第7話より引用

 そんな花音がフラフラと、自分の一本道探しに付いてきて踏み込んだ過去と決意を、既にJELEEの仲間であるキウイちゃんはちゃんと開示する。
 痛みに満ちた過去を切開するのは、クールでナイーブな彼女にとって結構勇気がいる行為だと思うが、そうしてもいいかなと思える愛嬌と信頼がJELEEな日々の中、キウイちゃんに生まれているのだと思うと、なんだか幸せになる。
 世界に否定されても自分が大事にしたかったものを、一緒になって大事にはしてくれなかった教師への怨みや憎しみを、むしろ未来へ飛ぶためのバネに変えて、不登校からの一流大学へ突き進む、キウイちゃんの視界の正しさ。
 ここで既に答えを出してるのは、ピアノを引続得ける自画像にもう迷いがないめいちゃんと重なってもいて、JELEE大人び部の連帯を感じもする。

 示された薄暗い体育座りが、けして他人事ではなく自分にも響く痛みなのだと共鳴できる事。
 その思いをベット駆け下りて両手を握り、熱く真っ直ぐ伝えれてしまうのは、花音が幼い証拠でもある。
 人生の厳しさにこすれて、苦笑いで量産型の海に自分を投げ出したり、下を向いて良い子のふりを続けたり、あるいは仮想世界に新たな居場所をタフに築いたり。
 仲間たちが結構実直に現実に適応していた歩みを、夢想家であり未だ子どものままの花音はなかなか歩み出せなくて、藁にも縋るようにキウイの一歩に後乗りして、教習所にやってきた。
 そこですぐさま未来が見えるわけではないが、自分を信頼して心と過去の暗い部分を見せてくれた友達の立ち姿が、自分とよく似ていること……そういう相手が目の前にいることの意味は、何よりも強く解る。

 だから花音は二段ベットを駆け下りて、頭がぶつかるのも気にせずクサいセリフを叩きつけて、彼女ほど子どもではない(だからこそ、花音の迷いに助け舟を出せる)仲間たちが、本当は一番欲しいものを手渡せる。
 クソ教師に自意識踏み潰された時には、一人で握るしかなかった掌を一緒に掴んでくれて、真っ直ぐ目を見て『何も間違ってない!』と伝えてくれる友達は、自分がどこに行くかもう見えかけている少女には、ちょっと照れくさい。
 でもそれが何より大事で嬉しいものだと、茶化した後にちゃんと噛み締められる感性は、キウイちゃんの中でまだ息をしている。
 というかJELEEの仲間たちが、それが死にかけた土壇場にギリギリ駆けつけて、柔らかく幼いままの渡瀬キウイを、暗い場所から出して守ってくれたのだ。
 シニカルな態度で自分を守りつつも、キウイちゃんはそのありがたさを絶対に忘れない。

 

 

画像は”夜のクラゲは泳げない”第7話より引用

 頭ピンクで不登校な自分を、不器用に曝け出してもけして笑わない、渡瀬キウイの居場所から踏み出す時、キウイちゃんは黒いウィッグで武装し、それでもなお震えている。
 分かったような態度を取り、自分が進むべき現実的な未来をちゃんと見据えつつも、嘲笑われる痛みは未だ彼女の中に残っていて、心無く悪気なくなんてことない……と、発する側は思っている毒を前に、言い返すことも出来ない。
 『その震えを嘲笑うやつは、全員俺が殴る……』というヤバ決意を新たに固めつつ、それでもキウイちゃんは未来への一本橋をわたり切るために今必要な書類を、自分の足で進み自分の手で掴んできた。
 巨大過ぎて形が掴めず、だからこそ恐ろしい”普通”の輪郭にビビってる自分の今を、強がりながら笑える颯爽を、ちゃんと持っていた。

 そんなキウイちゃんの戦いに、花音が言葉を投げてくれた時、少女を包囲していた形のない影は光に追い出されて、渡瀬キウイは自分が間違っていないという確信を、改めて掴み取ることが出来る。
 こういう強い光を知らずのうちに発せれるのが山ノ内花音であり、しかし揺るがぬ自信として己自身にはなかなか伸びていかないのが、彼女の人間たる所以……チャーミングな弱さであろう。
 JELEE全員の光となったリーダーも、当たり前に未来に悩み己に迷う。
 その不定形を定位するためには、目の前に鏡に写った誰かを良く見なければいけない。

 

 というわけで小春さんは、身体的な”普通”として押し付けられたものを金とメスで切り裂き、人工的に再建造した事実を、飾ることなく曝け出す。
 キウイちゃんを相変わらず震わせる”普通”に背を向けて、普通ではなかった証がいまだ瘢痕として残る背中を隠すこともなく、迷える若人へ一本橋を渡るヒントを告げていく。
 ここで美容整形が極めてポジティブな”普通”からの逸脱として示されるのは、このアニメが持っている現代的な視線の非常に分かりやすい現れだと思うし、持って生まれた身体を回避不能な檻ではなく、自在に変化させられる軟体として対峙する姿勢は、小春さんもまた夜のクラゲなのだというトーテミズムを語ってもいる。

 一本橋から迷って落ちた結果、小春さんの形に消えない烙印が刻まれたのかどうかは、少女たちは知り得ない。
 しかし鏡の前曇りを拭い、髪を上げて真っ直ぐな瞳で自分の顔を……それを見ている少女のかんばせを見る姿勢自体が、迷える花音の未来を照らす光になっていく。
 そこには”普通”ではいられない自分への、母の望むような”良い子”でいられなかった橘ののかへの、複雑に錯綜する思いが絡みついてきて、覆うもののない素裸の交流の中で、確かに未来への道を開いていく。

 

 

 

 

画像は”夜のクラゲは泳げない”第7話より引用

 見事に一本橋をわたり切り、学科で落ちてそれでもなんとか免許取った花音を尻目に、信頼の証のように素性を明かした”竜ヶ崎ノクス”。
 ”普通”ならばリアルで会うのが一番だとなるところだが、キウイちゃんはクソ以下の現実からの逃避場所としてだけ電子の海を選んだわけではない。
 ゲームはただの遊びではなく、Vtuberとして賃金を稼ぐ仕事の一環でもあるし、大人や世間が勝手に切り捨てるものこそが、彼女にとっては一番大事なものだったりする。
 だからバイクよりも早い光の速さが、小春さんと繋がっていく命綱になるのは……全く”普通”ではないけども、とても奇妙で素敵な彼女たちらしい結末なのだろう。

 繋がり方も行きたい場所もそれぞれ別で、というかどこに行きたいかせっかく免許をとっても解らない花音もまた、一番大事に繋がりたい人がいて、バイクはそんなまひると光の中へと駆け出していく、大事な足になってくれる。
 めいちゃんの答えを受け取って自分も出した、未来への地図は学校の友達にはけして見せれず、まひるはどこへ行けばいいのか解らない花音の方へと踏み出して、その背中を奪う。
 どこへ行きたいかは理解らなくても、誰と行きたいかはすぐに分かった旅は、ピカピカ輝くものが沢山道を照らしていて、もう花音は足元を見ない。
 暗い場所から真っすぐ進みだす仲間に、すがるようについて行った教習所は、結局行き先を教えてくれなかった。
 でも、誰と海に進んで行きたいかという答えと、そこに行き着くための手段は手渡してくれたのだ。

 

 

 

 

画像は”夜のクラゲは泳げない”第7話より引用

 なので少女たちは、海に行き着いて素足で進んでいく。
 めいちゃんとオープンカフェにいる時とは、手すりの向こう側に未来を見る側、翻って内省の闇へと進み出す側が入れ替わっているのが、なかなか面白いところだ。
 あの時めいちゃんが揺るがず見据えていたものを、進路調査票に刻んでまひるは花音を海へと誘い、キラキラと眩しいものがいっぱいある場所へと二人でたどり着いた。
 学校指定のローファーを脱いで、素足になったらもう”普通”の道を歩くことは出来ないけども、それでいいのだと思えたからまひるは友だちと一緒にいることではなく、JELEEのリーダーの後部座席に乗ることを選んだのだ。

 めいちゃんが自分にそうしてくれたように、まひるが率直に突き出す迷いをちゃんと受け止めて、かつて自分に光を見せてくれた女の子が、歌い続ける理由になる。
 自分に絵を……”光月ヨル”という名前とアイデンティティを取り戻してくれた彼女の英雄の手を掴んで、一緒に進み出す。
 どこへ行けばいいのかは、未だ分からないままだろう。
 でも誰と進んでいたいのか、誰となら進んでいけるのかなら、胸の奥に聞けば分かる。
 そういうところまで、取り立ての免許は花音とまひるを連れてきてくれて、そこは野生のクラゲが泳ぐJELEEの海だ。

  ありきたりの鎧の奥に鬱屈を抱え込んでいるように思えて、その実裸足でいることにもう怯えなくなったイラスト担当と、何も考えず突っ走ってきたように見えて、気づけば歌う理由がなくなってしまったと立ち止まった歌唱担当の、不揃いに重なる足跡。
 それがどこに続いているとしても、きっちり道交法違反に切符切ってトホホな顔もチャーミングなふたりの青春は、色んな人たちと触れ合い助けられながら、光の方へと進んでいく。
 自力で泳げないはずのクラゲは、暗い闇を切り裂く眩しいものをお互いの中に見つけながら、たどり着くべき場所へと進み出していくのだ。
 それを問う時大事なのは”どこ”ではなく”誰と”なのだということを、改めて刻み込む夕焼けでした。
 眩しすぎて、目が少し痛い。

 

 

 というわけで、JELEEのいろんな交流が見れる回でした。
 やっぱこの話の一番ぶっとい話はまひると花音の交流なのだけども、そこから外れた色んな組み合わせが全部面白く、全部特別に、凄くかけがえないものを混ぜ合わらせている事を、良く教えてくれる回でした。
 大変良かったです。
 色々いいところがあるんだが、やっぱめいちゃんが好きな視聴者としては彼女の芯の強さ、視界の拓け方が強く感じられて、ありがたかったな。

 夜闇の中自分を見つけてくれた第1話の特別さを、ようやくまひるが花音に返した感じもある回で、あの時は蓄光性の輝き窃盗犯としてしか自分を思えなかった少女が、JELEEやっていく中で絵を描く自分を信じ、そうさせてくれた愛に報いるべく輝き方を学ぼうとする姿には、JELEEがユニットである意味を強く感じました。
 光り輝く誰かから盗むのではなく、照らされて己も導きの星になっていくような、お互い様の青春迷い旅は、まだまだ続きます。
 それがみんなにとって、みんなでいるから、みんなでいたいからこそ、眩しく輝いている事実を、良く教えてくれるエピソードでした。
 次回も楽しみ。