今日は新サプリ”アンチェインアームズ”で追加された新ルールを用いて、超久々にダブルクロスを遊びました。
シナリオタイトル:三頭犬の第四の貌 -The fourth face of the cerberus- システム:ダブルクロス The 3rd Edition GM:コバヤシ
Braveoneさん:”甘き死よ、来たれ(Komm, süsser Tod)”玖河原早月:15歳男性:高校生:バロール=オルクス とある名家に忌み子として生まれ、他者の精神をかき乱す異能に呪われて育った少年。他人の不幸を嘲笑うクズになれぬまま、己を終わらせる算段ばかり考える暗い日々を送っていたが、とある少年との出会いに光を見出し、その安息は唐突に終わりを告げた。
新米くん:”原初の虚(エンドレス・ホロウ)”黒矢澪依:17歳女性:FHチルドレン:ウロボロス FHが人工的に作り出したウロボロスシンドロームの受け皿であり、猛烈な虚無感を影に反射して敵を殺す殺戮人形。血みどろの空虚を超えた、幸せを渇望する美しき修羅。
二次元くん:”クレイモア”奏重蔵:32歳男性:UGN支部長:モルフェウス=ミストルティン はるか昔に悲しき覚醒を果たし、大剣を作り上げる能力を駆使して長い戦いを駆け抜けていった元少年。己の限界と世界の残酷さを思い知りながら、正しさを求める熱い血潮を殺すこと無く、守るべきものを守るために闘い続ける世界の守護者。
シェンツさん:”トア”:覚醒後二年女性格:レネゲイドビーイング:エンジェルハイロウ=ブラックドッグ UGNに協力する電脳生命体であり、グレイプニルの侵食から逃れて電子的万能を失った現代の零落神。人格のベースになったVtuberの遺志を継いで、トリッキーな生き様を貫きながら人間の世界を泳いでいる。普段は死人のアカウントを使って、レトロクソゲー配信ばっかやっとる。
こんな感じの連中が、死と終わりから始まる物語を駆け抜けていきました。
大変面白かったです。
今回のシナリオは久々の自作であり、超久しぶりにダブルクロスに向き合ったお話となりました。
最近スカッと終わるエンタメ思考が強く、分かりやすい感じの話ばっかり作っていたわけですが、イマーシブモードの導入を契機にもう一度ダブルクロス世界に向き合った結果、「ロイスとタイタスと侵蝕率がシステムの特異性である以上、怪物になる怖さと殺し殺されの切なさに、腰を据えて向き合わなきゃいけねぇんじゃないかな……」という気持ちが溢れ、最近全然使ってなかった筋肉をフル稼働させてシナリオを創ることに。
ダブルクロスでやってて気持ちの良いことを自分の中に探りつつ、このシステムでしかできない物語を探っていったらすんごい憩いで救いと未来が蒸発し、メチャクチャどん詰りのシナリオに仕上がっていきました。
「こんなんに他人巻き込んでいーのか!?」などと懊悩もしましたが、それが自分の感じるダブルクロスらしさ、一番の醍醐味だってんならしょうがねぇ……と思い詰め、おんぶ抱っこに甘えてPLを信じ切る気持ちで、GMに望みました。
PLのみんなは自分が差し出した疑念や熱意を己にしっかり引き受け、自分一人がアタマン中でこねくり回していた答えのでない答えに体一つでぶつかっていって、素晴らしいロールをたっぷりやり遂げてくれました。
悩みながら突き出したものを真摯に受け止め、自分の中に引き受けてくれたからこそのクリティカルな応答が、GMとPL、PLとPL、キャラクターとドラマの中に幾度も生まれて、みんなでリアルタイムの会話を通じて物語を作っていくゲームの、一番面白く尊い部分を堪能できたと思います。
重たい負荷をPLサイドに強いるシナリオで、程よいサービス精神で背中を支えていた最近のプレイ傾向からすれば「良くない」シナリオかもと思ってましたが、そういう懸案を一緒に支え、笑いながら蹴り飛ばしてくれるプレイングを手渡してくれて、とても嬉しかった。
通常ステージでダロするの本当に久しぶりで、獣のごとくオーバードやってたあの時代からは心構えも大きく変わって、正直ダロの救いのなさ、出口のないどん詰りを喜んで食う胃腸が弱ってたわけですが。
参加者全員、そういう世界観とシステムとシナリオの難しさを共有したうえで、自分の感じている難しさだとか、そこで諦めない心の強さだとか、それがあるからこそ生まれるたった一つの答えとかを、ロールに込めて力強く突き出してくれて、色んなモノが小気味よくぶっ壊れた感じがあります。
それは自分なり頑張ってシステムと世界観に向き合い、このシステムでしか出来ないと思える物語体験を生み出せるようあがいたからこその突破だと思うので、俺も偉かったしPLは全員神だった。
ありがたい限りだ。
サプリ掲載の簡易ルール”イマーシブモード”で遊んだんですが、最近の流行に合わせてデータを簡略化し準備のコストを大幅に下げつつ、ダブルクロスの気持ちいい部分に文字通り”没入”出来るよう整えられたルールで、大変良かったです。
ダイス目が相当に荒れるので、簡略化されたルールでもかなりハラハラ出来るし、システムのキモであるロイスの表現力はむしろ上がってる感じすらあった。
データと取っ組み合う苦労をせずゲームに入れるので、ロールに使う余力を残したまま物語に向き合えて、狙った通りの体験がしっかり生まれているの、大変良かったと思います。
馬齢を重ね、山のようなデータと向き合うパワーがもはやない自分としては、相当に優れたシステムだと感じました。
データと連動したキャラの表現力がやや弱い感じがありますが、イージーエフェクトを各サプリから全開放することで、エフェクトを用いたキャラ立ちの部分はいい感じに裏打ちできるかな、と思いました。
非常に良く考えられたシステムだったので、色んな人が遊んでくれると良いなぁと思います。
というわけで久々のダブルクロス、大変楽しく遊ぶことが出来ました。
ぶっちゃけ「これで俺のダブルクロス終わりでも良いッ!」くらいの惜しみなさでやってみたんですが、だからこそ新しい扉が空いた感じもあって、自分なり頑張った甲斐があったと思えました。
それもこれも、僕が作った物語に本気で向き合って、今ここ僕らにしかたどり着けない答えを必死に手繰り寄せてくれた仲間あってのことで、本当にありがたいなと思います。
楽しく素晴らしいセッションとなりました。
同卓していただいた方、ありがとうございました。