イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

New PANTY&STOCKING with GARTERBELT:第4話『プロジェクトS -史上最悪の道場-』&第5話「ビッチ・パーフェクト』&第6話『F*CK&FURIOUS』感想ツイートまとめ

 New PANTY&STOCKING with GARTERBELT 第4・5・6話を見る。
 スキャンティお姉様とストッキングちゃん初めての共同作業とか、セックスより気持ちが良い承認欲求の罠とか、最悪なファスト&フュリアスのパロディとか、小気味いいバリエーションの豊かさを感じられる回。

 第1エピソードがマジで良かったので、逆に最悪な精子大冒険を〆にもってきてイイハナシにしきらない塩梅が、この話らしいシャイネスで良かった。
 悪魔なのにマジいい子なデーモン姉妹を鏡にすることで、喧嘩ばかりのアナーキー姉妹に確かに絆があることを照らすの、かなりテクニカルな作りだよな…。

 

 パロディ方面もベスト・キッドにケムール人&バルタン人、キングコングアメリカズ・ゴット・タレントにワイルド・スピードと、節操なくやりたい放題。
 野放図に原典畑を食べ荒らし、顧みることなく突っ走るスピード感は、おバカで下品な作品にふさわしい深みのなさを生み出してくれる。

 このやりきって振り向かない感じ、実は結構コストかかっていると思うのだけども。
 そこで力みを消して軽やかにやることで、サラッとスピーディーに楽しめる感触を出し続けているのは、このアニメらしい姿勢だなと思う。
 ドギツイ盛り過ぎ感を隠そうともしないところ含めて、顧客が求めるものにピッタリハマる最悪を、ちゃんと手渡してくれてる

 

 

 

 

 

画像は”New PANTY&STOCKING with GARTERBELT”第4話より引用

 つーわけで、「オレらはパンストでいい話が見たいの!!」というニーズにも応える、スキャンティ姉さま&ストッキングちゃんの道場潜入。
 W姉妹の同居が始まり、距離が近づいてみると、地道にバイトして本当に大事なものを手に入れ続けてる、ニーソックスさんの優等生っぷりが際立つ。

 ビッチ姉妹はすーぐ感情噴き上げて喧嘩して、絶縁だー一生会わないだー言っちゃうところで、悪魔姉妹はしみじみお互いの善さを感じ合い、ちゃんと愛する人を大事にできる。
 この安心感、悪魔にしておくのは勿体ない…。

 

 嘘日本繋がりで宇宙ニンジャとベスト・キッドが混ざり合う、だいぶ胡乱な空間で仲良くいがみ合っているけども。
 今回はスキャンティお姉様の余裕が存分に生かされて、普段ギャフンと言わされがちな天使姉妹の”上”を取っていた。
 これがパンティと一緒に無敵ビッチやってるときだったら、まーた生真面目を逆手に取られて被害担当だったんだろうけど、ここで姉に理解られてしまう追いつけなさ含めて、ニーソックスの可愛いところもよく出てた。
 天使と悪魔、ビッチと優等生…混ざり合わないはずの水と油は、なんだかんだ家族を大事に思う気持ちを媒介に、しっかり繋がったりも出来るのだ。

 ここら辺のホッコリ感を怒涛の下ネタに織り交ぜ、作品を支える土台として手渡せているのが、このアニメの強みだなぁと改めて感じる回だった。
 凸凹いがみ合いだらけ…というには、しっかり呼吸があってる新コンビの良さもタップリと味わえて、NEWらしい新たな風も吹くエピソードでありがたかったです。
 まぁ毎回設定とか関係値リセットされがちなアニメなんで、次回以降はまーたドブゲロまみれの最悪に落ち着いていくわけだが、そういうインスタントな刹那主義の奥、確かにキャラクターを貫通する何かがジワジワ積み上がっていくのも、フリーダムなオムニバスの醍醐味だと思う。
 今後の”スキャスト”にも要注目だな…あるッ!!

 

 

 

 

画像は”New PANTY&STOCKING with GARTERBELT”第5話・第6話より引用

 んで後半はぷにると防衛部に続いてのSNS承認欲求地獄回と、最悪なファスト&フュリアスパロディ。
 最初は自然とイケてたインフルエンサーたちが、お互いのマウント力を競う決戦の現場まで駆け上がったら超奇形化してるの、パロディの糖衣に覆い隠された強めの毒で、大変良かった。
 セックスより強烈に脳を揺さぶるシステムに狂わされると、まぁああいうブレーキの壊れ方するよね…。
 今こうしてSNSに書き込んでる自分を鑑みて、ちょっとゾッとさせられたのは、ブラックユーモアの真骨頂で良い感じ。

 

 15分に二つブッこむ無茶苦茶が、逆に小気味よいスピード感で駆け抜ける気持ちよさを生んでいて、形式がもってる強みが生きたな、って感じ。
 NEWになってから一回で1エピソード→2エピソード→3エピソードと、密度と速度に傾斜かけてヤッてんの、多分意図的なんだろうなぁ…。
 どっしり腰を据えて色々見せる形式も、手早く必要な部分だけ繋ぎ合わせていく速さも、両方できるのがこのアニメの良さだと思っているので、色んな魅せ方を工夫してくれているのはありがたい。
 見てる最中はゲラゲラ笑って、見終わると口の中に何も残ってない軽味って、作んの相当大変だし。
 何描いて何描かないか見極める目と、書き切る手腕がいるからね…。

 後半戦の軽やかさが、逆に前半戦のしっとりしたイイハナシ風味を際立たせてもくれていて、どういう順番で話を並べるかで味わいも変わってくる、アンソロジーの面白さを堪能できる回でした。
 僕はこういう、形式を選ぶことそれ自体が意味をもつ現象が好きなので、今後も多種多様な最悪に全力で飛び込みつつ、色んな面白さを描いてってくれると良いなと思います。

 

 既にデイモン姉妹が身内にいることの良さがじっくり煮出されてきてて、NEWである意味をビリビリ感じているので、こっち方面もガンガンください。
 次回も楽しみッ!