イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

終わらない夏の終わり、もしくは六年分ルサンチマン

日曜日は、サプリメントエンドレスサマー』が出たエンゼルギアの最終回をやってきました。
シナリオタイトル:パラダイム・シフト(STP『たった一つの冴えたやり方』使用) GM:シェンツさん システム:エンゼルギア2nd
アカメくん:進藤樹:15才男性:ギアドライバー=アーティラリー 「戦争とかは軍人だけでやってろよ!」と1st付属一本目でぶち上げた、見事なシェイプのPC1。ごくごく普通の中坊だったが、一ヶ月の激戦でかなり変わった。セラピアと兄妹(=法王ラルフ・マスケンヴァルと半天使エクリシアの息子)であるという衝撃の事実が発覚。殴られ役。
田中君:ブリッツ8-8(アハト・アハト):製造後四ヶ月:ホムンクルス=ガンスリンガー 怒りの感情だけを強化されて生まれた完全機械化兵。だが、瑞穂基地で仲間と戦ううちに、思い出と守るという強い意志が刻まれた。周りの連中が死に向かって落ち込む中、帰ってきた後のことを想像できる強さを持つ。死ぬ気満々だったが生存。
Braveoneさん:ネイ=ジルベルドラクロワ:18才男性:オフィーツィア=オフィーツィア 元メーヴェの戦闘機乗り。アクシア&ズィーガーの後輩。帝都奪還作戦において死に掛け、一命は取り留めるものの、戦闘機乗りとしては死亡。今作戦には小隊指揮官として同行する。激戦の末、未帰還。見事な殴り役シェイプで、樹に鉄拳を入れる仕事を見事にこなす。
オレ:八坂凍:15才女性:ギアドライバー=ホムンクルス 公式ナビゲーター、八坂凍その人。帝都奪還作戦において、ドライバーでありオリジナルでもある神楽=K・ガイストと、視覚を失う。草薙伊音をナビゲーターにし、遺された神楽の妹、雛子と世界を守るために戦いに挑む。一ヶ月の激戦で人形じみた無感情はなりを潜め、人間らしくなった。


草薙伊音の妹紫音、神楽=K・ガイスト、凍の視覚と寿命、ネイのパイロット生命……。数多のものを奪って、帝都奪還作戦は成功した。それからたった二週間で、世界は壊滅する。瑞穂近郊に現れた合衆国法王、ラルフ・マスケンヴァルが、二億を越えるレギオン級と最強の天使兵騎士級を率い、全滅戦争を開始したのだ。自身は衛星軌道上の智天使級を格とした天使兵軌道要塞"メサイア"に陣取る。全世界的な戦争−黙示録−が開始され、戦端が開かれてから十二時間で、全地球人口の90%以上が死亡した。
瑞穂基地の面々も例外ではなく、完全機械化兵部隊は8-8を残し、ラルフとのファーストコンタクト時に全滅。それを追いかけるように、機械化兵フリューゲル・ズィーガー、SG隊長アクシア・リヒトヴィッツ、ヤシマのスパイ羽村総司、ヤシマ陸軍大将維馬篭代胤と、数多の命が散った。エーテルブースター装備SG"V-1"に搭乗し、軌道上に奇襲をかけたリュンマは、想像を絶するメサイアのエーテル装甲を突破できず、宇宙に若き命を燃やした。
山と詰まれた死体の上に、"V-1改 V-2"をもって最終作戦を敢行する瑞穂基地SG隊。リュンマの遺した20ミリ呪法弾頭がメサイヤを砕き、法王ラルフに肉薄する。1939年、ノルラントにおいて天の扉を開いたラルフは、そこで接触した"何もしない、残酷な神"に絶望し、世界の刷新−新たなる契約−を望んだのだ。即ち人類の全滅を意味する新約を拒み、ラルフに勝利する小隊。
しかし、今わの際において、ラルフは語りかける。兄を戦役で失い、心の闇を広げていた雛子に。黒い天使核を持つ救世主候補として、雛子が望んだ世界とは即ち神楽と自分以外存在しない、平和で暖かくそして、終わった世界であった。黒き天使核、雛子の中のメタトロン、そしてメサイアの核にして"黒い巨石"を変化させたSG"アビスギア"という強大な力に、小隊は押される。ネイのいのちが限界を超える中、激戦の果てにアビスギアは砕かれた。
智天使級中核、通称"玉座"に雛子はいた。歴史上初めて、人類にコンタクトを持った天使、メタトロンを体内に持つ少女。神楽を守りきれなかった凍を憎み、世界を刷新しようとした彼女に、凍は手を差し伸べる。メタトロンを母とする姉妹の声が、全世界へと広がっていく。雛子が持つ、天使語理解という対話の可能性。メタトロンという、天使が人と分かり合おうとした名残。ラルフ・マスケンヴァルの支配から解き放たれた天使たちに、全世界で生き残った人類達に、人類と天使の対話可能性が拡散した。


そして、三年後。砂漠を行くジープがあった。運転するのは、すっかり成長した伊音(ES,P49参照)。後部座席には、三年前と変わらぬ凍と伊音。衛星軌道上から広がった言葉は世界を変えた。人類と天使の中間種、天使人(ネフィリム)が世界中に出現し、人類は新たなステージに移ったのだ。地平線に、人類の想像力では生まれ得ない奇妙な塔−天使建築−が並び立ち、ラジオからは天使音楽が聞こえる。空には、濃厚なエーテルが生み出したオーロラが常時かかる。
ジープ上方から声がかかった。10メートルほどの天使人は、イツキとセラピアが造った、天使たちの国について語る。争いは消えない。戦争の傷痕も癒えない。さまざまな困難が、数多くあるだろう。それでも人は、いまだこの星にある。人類はヤシマ国総理大臣草薙伊音と、真帝国総統ヴィブリオの二大指導者に率いられ、この変貌した世界で存在を続けていた。
そんな世界を、雛子と凍は己の眼で見ている。"天使と人類が対話しうる世界の創造"という奇跡の余波は、不安定な彼女たちを天使人として安定させ、視覚を取り戻させた。執務の最中に押し入られ、運転手を押し付けられた伊音の文句を聞き流しながら、二人はエーテルの風を頬に感じた。天に歌、大地に平穏、そして人には想い出を。時は撒き戻らず、死者は還らず、全てが無かったことにはならない。それでも我々はまだ、姿を変えながら生きている。
(ED NO,64 「パラダイム・シフト」)


以上、キモイ長文あらすじでお送りした、「僕らの」エンゼルギア最終回であります。いやー、死んだ死んだ。今回使用したテンプレは、ダイスを振って表を参照するだけでNPCが死ぬというものであり。最初は「まぁロボモノ最終回だからしょうがないよねハハハ」とか笑い飛ばしてた参加者も、ボディーブローを喰らったように顔色が悪くなり。特に、登場時から死相が浮かんでた大人メンバーではなく、リュンマが死んだときはむっちゃキツかったなぁ。このテンプレで遊ぶ人は、そこらへんの覚悟をしっかり作っておくといいと思います。
六年の歳月ってのは結構長くて、思い入れや好意も発酵して、なんだか良く解らないドロドロしたものに変化してしまうのには十分な時間です。しかし、このセッションでそういうモノは全部吹っ飛んだ! 今の僕は胸を張って「ゼルギア? ダイスキッスよ!」と言える。そういうセッションを一緒に出来たPL全員と、多分今回のメンツでは僕と同じくらい溜め込んでいたGMシェンツ先生には頭が上がらないです。今度GMします。
セッション自体の出来は、まぁこういうキモイ日記かいてる時点で察してください。最高でした。僕自身は、今まで溜め込んだものを全開にし、公式NPCのPC化、セッション前の公式NPC死亡と、今まで思いついたが実戦投入してなかったマニューバ二種を迷いなく使用。当日風邪気味で、むっちゃ枯れてた声と併せて、僕の演じる凍は見る見るメソリ4のオールド・スネークみたいな覚悟人間にジョブチェンジ。最終回まで積み上げた物があったんだ! 実プレイはしてない妄言だが! というスローガンで押し切りました。いや楽しかった。素晴らしい。