イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

帝一の國 2

古屋兎丸集英社。ウサマル先生の青春絵巻二巻目。一巻の段階では様子見と言うか、かっちりと教科書どおりに仕上げた手堅さが目立ったこの話。二巻では連載が安定線に乗ったのか、ウサマル先生本気で大暴走のやりたい放題。ギャグに耽美に残虐描写。得意のコースが良い速度だして、楽しそうで何よりです。
今回のメインは夏合宿という名前の擬似バトロワ。露骨に「少年が旧軍の武装で殺し合いする情景が死ぬほど描きたい」というリビドーほとばしる名エピソードでした。無意味にスタイリッシュな氷室先輩やら、自重しないホモネタやら、唐突にキャラが立つ帝一親父やら、すげー濃厚。殆どの生徒がシャツINズボンでハイソックスなあたりに、先生のフェティッシュを感じました。
今回帝一たちよりもむしろ弾くんが主役で、見せ場の量としてはダントツと言っていいんじゃないでしょうか。帝一からの好感度を乱高下させたり、何やら曲者っぽい森園先輩と因縁作ったり。まー海帝のキジルシっぷりに若干引いてるという立場は読者に近いし、実際好感のモテるナイスガイですから、どんどん前に出てくれたほうが有難いわけです。
全体的に古屋兎丸が持つ異常なテンションの高さが高速で回転していて、なんとも言えない強張った可笑しさが生まれていてとてもイイ。同時にヘンテコでありながら妙にさわやかな青春の匂いが漂う展開も、スゲー好きです。それは両方、主人公帝一が過度の本気で突っ走っているから生まれるもんなのでしょう。勢いと骨の太さのある、いい漫画だ。