佐々木健×谷将貴、小学館。二巻まとめて刊行な、（元）サンデーのゴルフ漫画。ずーっと上げ調子で伸び代が薄くなってきた主人公を一旦後ろに回し、二巻まとめてキャディー編です。このままインフレしていくのかな、と危惧してたらゴルフというスポーツをジワジワ味わう方向のようで、個人的にグッドです。
個人競技であるゴルフにおいてはなかなかリスペクトというか、他人のプレイを後ろからじっくり見るタイミングはなかなか作りづらく、かつ不良キャラである蒼甫には「実はいい子なんです」というのを（今までも出てたけど更に）表に出す話が必要、という局面。ここでキャディーという位置に長く引いたのは、話の味付け的にも、スポーツ漫画としての奥行きとしてもいい手だと思います。
展開としてはわりかしベタな、それ故解りやすくて勢いのある"キャディーという存在のイイトコ再確認"編と、イマイチ居る意味がわかんなかったヒロイン、有海を表に立てての選手権という手堅い構成。キャディー修行編の構成が、子供とゴルフやった時とほぼ同じというのは言わんでエエで。
このキャディー編は、ド素人がトッププロと肩を並べるであろう今後の展開に、説得力のあるチートを積むためもあるんでしょうが（そうでないと"四倍の経験値"とは言い出さない）、同時に主人公が説明役＆助言役に引くことで、ゴルフを別の角度から見るいい機会になってると思います。なので、ここのタメを爆発させる本編をスゲー期待してます。……やっぱ環境が変わるとこういうことに怯えてしまい、心臓に良くないな……。
