イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

へうげもの 14

山田芳裕講談社。数寄で戦国を切り取る漫画の十四巻目。関ヶ原前夜ということで、歴史の潮目に揉まれる群像劇の様相を呈してきました。色々やるけど上手くいかない石田、今回は狂犬になってもいい忠興、古式茶道やってると格闘戦が強くなることを利休に続いて証明した幽斎などなど。石田(兄)が久々に出てきて、個人的には嬉しい。
その中でも、やっぱり家康の存在感が太い。女断ちしている時の血走った目には、すごい濃厚な業を感じます。後の歴史がネタばれしてるわけですが、この狂気を宿せなかったのが石田の敗因かな、と読者に感じさせるいいコマだと思います。あと鳥居に「死んで」と言う時の内面吐露も凄くイイ。
数寄者周りだと金本宗和も出てきて、江戸初期茶道の有名所勢ぞろいという感じで。筆頭茶道として貫禄のついた織部より、弟子の上田・佐竹のほうが話が動いているあたり、今までの蓄積が生きている展開だったと思う。あと、血なまぐさいシーンに迫力があるのは、戦国時代(の終焉)を舞台にしている漫画として、これ以上ない強みだあな。