イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

へうげもの 16

山田芳裕講談社古田織部一代記も十六巻目。徳川の治世が落ち着きつつあるかなー、と思いつつ世情には未だ反骨の兆しあり。息苦しい世の中と、豊富への恩と、己の地位と財産一切合切秤にかけて、古田織部最後の一打として「豊徳合体」に動き出す、という巻。織部殿もすっかり天下一茶人としての立ち居振る舞いが身につき、過ぎ去った時間を感じる。利休の弟子仲間もすっかり白髪でしわしわだし。
一方、若い世代は思う存分尖ってた。左門の髪型、どう考えてもリーゼントじゃねーか!とか、金森宗和の踊りがパラパラじゃねーか!とか、安定した突っ込みどころ。今回いろいろと若い年代のキャラが描かれましたが、やっぱり一番印象的なのは小堀遠州。利休から織部に繋がった、数寄と権勢の系譜を小堀が引き継ぐというシーンだったんだろうなぁ、江戸城本丸の甍を巡るやり取りは。
秀頼も出てきて、大阪の陣というクライマックスに向けて全てが整いつつあるという印象。16巻かけて、身分を隠して市井の品を拾う(拾わざるをえない)所まで地位を上げた織部の人生も、上がるところまで上がった感じがあります。さて、最高潮で求めた「豊徳合体」という夢は一体どうなるのか。そして、若い世代たちの野心はどう実を結ぶのか。安定して面白いなぁこの漫画。