アルコ×河原和音、集英社。ゴリメンが日々の暮らしを圧倒的な人間力で突破してく少女漫画の三巻目。掲載ペースが早くなったのか、こっちも想像より早く出た。嬉しいことよ。武男くんは今回も、大和ちゃんと楽しく山で遭難したり、海に行ったり、砂川の誕生日を祝ったり、大学受験に悩んだりしてた。この漫画の強いところの一つとして、学生描写がバリエーション豊かで魅力的な点があると思う。いろんなことを楽しんでいて、武男くんは幸せそうだ。
恋愛の方は純情一直線ながらも、大和ちゃんが前にも輪をかけて発情しており、でもなかなか一歩踏み込まない、という歯がゆい展開。オトコノコ向け漫画だと、バトルなり試合なりで細かく区切りがつくわけですが。こういう歯がゆい状況をプルしていくのが、オンナノコ向け漫画の文法なのでしょうか。この漫画は人格者ばっかり出てくるので、やきもきしかねない展開を安心して見守ることが出来るのが強いなと感じます。
個人的には砂川誕生日のホンワカした空気と、武男くんの親父がすげー好き。親父さん、なんでそんな目キラキラしてんの。そして砂川くんは完璧超人なのに、要所要所で可愛げを見せるのがズルいぜ。感情の昂ぶりを抑えられず夜の街を走る武男くんを、自転車で追いかけるシーンはすっげーキュンキュンする。初期設定と日常描写がうまい漫画なので、マンネリの罠に陥らぬようにじわじわ続いて欲しいっす。
