イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/07/06

 

・ 美少女戦士セーラームーンCrystal
プリキュアだのアイカツだの……新参者が跳ねっ返りおって。真実の女児アニを見せてくれるわ!!」っていう感じで来訪した、まさかのセーラームーンリブート。
……まさかでもねぇな、此処最近リブート多いし、セラムン世代もおかんになる頃合いだしな。

全体的に原作(つーか原案?)たる漫画版を綺麗にアニメにしてて、すっげー素材を信じきった調理法だな、と思いました。
お話としても映像としても、相当しっかりと作っていて、アニメーションとしてナチュラルに面白かったのは良かった。
あとスタッフが被ってるだけあって、全体的にスイプリっぽかったですね。

逆にいうと、旧アニメって原作をかなり変えていたということであり、単行本一巻発売よりアニメ放送の方が早かった以上、旧シリーズの爆発的成功はアニメスタッフの味付けも非常に大きな仕事してるてんだなぁと、いまさらなことを再確認したりする。
まぁスタッフがね……SDだけ並べてもサトジュン・イクニ・五十嵐だもんなぁ。

とは言うものの、今回の土台になっている漫画版と同根の場所からあの成功が生まれているわけで、今の世の中にもう一度勝負かけられると判断したからこそ、(無論、色んな場所で最新のブラッシュアップはされてるけど)昔のままの味でお出ししたわけで。
今後どういうふうに調理されるのか、要所要所で漏れだすバブル臭は果たして受け入れられるのか。
これからが結構楽しみな第一話でした。

 

・ ばらかもん
ツンツンした書道家ジュノンボーイが、五島で子どもと人生やり直しという話の第一話。
アニメが初見の人間の印象としては、『のんのんびより+うさぎドロップ+書道』という塩梅で理解した。
多分、あんま間違ってない予断だと思う。

お話の方はじっくり尺を割いて、先生のツンツンポンコツ萌えキャラっぷり、なるちゃんの幼き天使っぷりを描写してました。
紅やうさぎドロップ系譜に連なる"本物"な幼女作画が炸裂していて、なんか色々やばいヤバくない。
幼女以外の作画もうまーく郷愁と日常性を強調していて、ノスタルジーを捏造する優れた演出だったと思います。

なるちゃんだけではなく、子供を担当されている子役の方々が非常にこなれた演技をしていて、子供っぽさとアニメっぽさを両立させてたのも凄い。
ふつー、どっちか浮くからね。
川井憲次の音楽といい、音響の存在感があるアニメだと思います。

そして天使と萌えキャラが住んでいる島なので、美術は超気合入れて五島の描写はピカピカだ。
田舎モノは如何に異世界感出すかが勝負になると思うので、美術重点は実際勝負どころであり、必要以上の美麗さで天国の島が描けていたと思います。
いいなぁ……海。

この後は先生のツンツンした棘が、五島のきれいな空気と可愛いロリータに抜かれまくる展開だと思うので、とても楽しみです。
先生の萌えキャラとしての完成度高いからなぁ……仕草がいい。
なるちゃんもとても可愛いので、洗練された仕草萌えアニメとして、じっとり睨んでいきたいと思います。

 

・ ハチャプリ
激闘に一段落ついたので、いおな編エピローグということで、ヒメとの距離を一気に詰める個別回。
ラスト戦闘から二名省くという徹底した1ON1シフトで、プリキュア名物名前呼びイベントを攻略しました。
ギャグの切れ味、よく考えられた殺陣、縮まる二人の距離と、見せ場の多い素晴らしい回だったと思います。

お姉ちゃんLOVEが暴走してツンツンしてたいおなちゃんですが、蓋を開けてみれば生活力のある優しい子。
所帯染みたギャグは笑えますが、よくよく考えると「お姉ちゃん消えてから色々苦労したのかな……」という結論になってしまい、ホンワカもしてらんねぇ。
やっぱハチャは重いなぁ……そこが好きなんだけど。

ヒメといおなのぎこちない距離感と、そこが詰まっていく様子は情感豊かに描かれていて、個別回かくあるべしというテンポでした。
ようやくヒメの原罪であるエクシア開放の詳細が分かり、これが幻影帝国の救済という大オチに繋がっていることが見えて、スッキリと腑に落ちた感覚。
ヒメが聞いたという「助けて」の声がクイーンミラージュのものだとすると、ゴミクズゴッドことブルーが更に許されざる存在に……。

人情ドラマが終わればアクションのターン! とばかりに、今回の戦闘は気合入ってました。
個別のカラテ作画だけではなく、緩急をつけた攻撃を使いこなす強敵とのマッチアップ自体が見どころ十分。
神にも悪魔にもなれる願いを担保にした割に、Newフォーチュンの弱体化早くね? と思わなくもねぇが、強くなるためだけにあの願い使ったわけでもねぇしな。
ヒメといおなの距離感を、プリンセスとフォーチュンによるタッグマッチで物理的に詰めていく感情動線の操作が非常に巧みで、やっぱ今回良く出来てたなぁと思いました。
四人のハピネスチャージを結成するという最後のオチも綺麗だったし、3クール目の出だしとして、申し分ない出来だったと思います。

……とか思ってたら、次回予告でめぐみがブルーに女の表情を見せて、セイジがむっちゃ曇ってた。
ホント油断ならねぇな、ハチャプリ。
ブルーもいい加減逆転ホームラン打たないと、視聴者からの信頼度は最早底値ですよマジ。
特に悪いことなんもしてないのに、ここまで心象悪いキャラってのも珍しいな……。

 

・ プリパラ
プリティーリズムが終わり、プリパラが始まった。
アイスダンスは打ち捨てられ、バリッバリのVRアイドル戦国時代を舞台に、色んな場所がリブートされた完全巻き直しでございます。
監督は菱田さんから森脇さんへ、シリーズ構成も井内さん&坪田さん(DMF以前を含めると赤尾さん)から土屋さんへと、エンジンの根本から作り直し。
……とは言うものの、3Dモデリングは相変わらず乙部さんだし、菱田監督は京極監督と入れ替わる形でステージ演出担当だし、結構残ってるのね。

色んな意味で伝説だった菱田プリリズの継承者として、どのような出足を見せるか楽しみな一話でしたが……完璧だった。
圧倒的な販促ラッシュを盛り込みつつ、プリパラという設定の扱われ方、主人公らぁら&その相棒みれぃのキャラ説明、ステージの説得力、全てをスムーズに進行させ、「ああ、だいたいこんな感じか」というのを全てのパーツで納得させるパワーもある。
お手本にしたいくらいにまとまった、いい一話でした。

出だしのSAINTSのライブが、色んな意味でファーストアタックとしてよく出来ていて、しょっぱなからぐっと掴まれました。
「菱田プリリズ終わっちゃったなぁ……お前らも不安だろ? だが、俺達もあのアニメ好きだからさ、後継者として頑張っからさ、よろしく頼むぜ!」というメッセージをばりっと感じる、歴代主人公ユニットの見せ方。
作中人物たちの反応で、あの世界のアイドルがどういうポジションなのかだいたい分かる説明のスムーズさ。
ファーストカットとして、非常に良く出来たアバン入りだと思います。

その後はプリチケとプリパラという、世界観の根っこを為すアイテムの説明。
『何処からともなく思春期の少女に接触し、異世界に誘うカード Made by タカラトミー』というと、どう考えてもWIXOSSですが、こっちのカードは悪さしない感じ。
『不思議な世界への招待状』という意味では、むしろ"不思議の国のアリス"か。
具体的な販促物をザックザックと画面に移しつつ、日常の隙間に恐怖新聞めいたカードの来訪が見え隠れし、いい塩梅にファンタジー感醸しだしてました。

あと、校長先生の使い方が鋭く、やりおると唸る。
機能としては主人公のプリパラ熱に水ぶっかける『イヤーな大人』なのだが、プリチケダイソンをッはじめとする余りに濃厚なキャラ付けで、ひとしきり笑って流せる辺り扱いが上手い。
あそこの笑いはダイソンだけで終わらせず、「で、電源背負ってるー!!」というツッコミを誘引させる形に仕上げている所、ほんとスムーズ。


ひとしきり世界を見せたら、話は主人公らぁらにクローズアップしていく。
此処も非常に滑らかな展開をしていて、彼女がどういう性格(C調な所もあるけど善人で、押しに弱く、時々暴走する)で、この世界で何がしたくて(プリパラでアイドルになりたい)、そのためにはどうしたら良いか(大きな声というコンプレックスを武器に変えて、歌で人を熱狂させればいい)という所が、流れるように進んでいった。
お使いから話の中心に引きずり込まれていくところとか、一発目のステージで覚悟を決めたらイケイケなところとか、ADのリフレインを少し感じましたね。

相棒みれぃの見せ方も巧くて、過剰なキャラ作りも事前に堅物委員長な表の顔を見せておくことで、「これは二つのペルソナの間で悩む展開かな?」「らぁらは才能型だから、キャラ作んないと勝負できないみれぃとぶつかるのかな?」という先読み出来るようになってる。
ただうぜーだけではなく、ステージに関しては真剣な部分がしっかり描写されていて、好感を抱けるキャラなのが良かった。
ステージ降りたあと、息を切らせているのが効いてるね。

ステージで説得力を手に入れてるのはらぁらも同じで、茜屋日海夏さんの歌唱力が有無を言わせぬパワーを持ってた。
典型的才能型主人公の、都合のいい覚醒シーンなんだけども、あの歌聞くと「なるほど、伝説のプリズムボイス」と思えるから凄い。
ぼーっと突っ立ってたらぁらが、曲出だし一発目で『入る』ところの眼力とか、きっちりキメてたと思います。
半年間の準備期間を経てさらなる進化を遂げた3Dモデリングといい、最新のアイドルシーンを積極的に取り上げた楽曲といい、キチガイ力満載な衣装といい、攻めたステージセットに期待が持てそうだ。
キッチリPPPHやオーイング出来るように作ってあんもんなぁ"Make it!"


そんな感じで、主人公を中心にその周辺まで24分で書ききった、とても良い第一話だったと思います。
何をプリティーリズムから受け取り、プリパラとして何をするのかというシリーズの青写真まで感じさせてくれて、大満足であります。
今後どう展開していくのか、いろいろ楽しみだなぁ。

露骨に芸能界たる"女の子はみんなアイドルになれる"プリパラ世界ですが、切磋琢磨とか言ってたんで多分、エーデルローズも真っ青なアイドル蟲毒だと思いますネ。
……ファンが点数つけるシステムなのに、ステージハケたらぁら&みれぃに拍手してた辺り、そんなに毒のない世界なのかしら?
そこら辺は今後のお話の中で見えてくる部分だと思うので、楽しみに待ちましょう。

来週は早速、主人公に苦難が襲いかかり、「何故プリパラでアイドルしなきゃいけないのか」を補強する回。
プレッシャー担当の校長先生がキャラバリ立ちなので、今からドタバタが楽しみですね。
かなりいい滑り出しで、おじさんは嬉しいですヨ。