イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/07/04

 

・ 普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。
千葉の片田舎で、女子高生がゆるーくローカルアイドルをやる、優しいお話。
同じロコドルを扱ったアニメとしてはWUGがありますが、思い切ったジャンル内お約束の省略と、シンドい現実を都合よく改編する勇気がこのアニメにはあって、アイドル文法を習得してない普通の人にとっても、頭の腐ったドルヲタにとっても、このくらいの塩梅がいいんでなかろうか。
最近解ったんだが、アイドルが日本で持ってる経済規模と、日本人が一般的に持ってるアイドル文法って乖離してるわ。
基本、ドルってコアなジャンルなんだねやっぱ。(今更感溢れる悟り)

お話としては「ひょんなことから、何の変哲もない私が!」のロコドル版。
ポンコツ新入りと優秀おねえさまという構図は"トップをねらえ!"二部作とか"エースをねらえ!"とか、まぁともかくお話の構図としては安定度の高い作りなので、そこの部分は安心。
ゆかりお嬢様のスペックが完璧過ぎて、結構胃の痛い流れなのに、豪腕で解決され安心できた。
ここら辺は「トーシロがいきなりステージ上がって、何が出来るんだよケッ!」っていう反応を、巧く煽りつつ回収したいい出だしだなぁと思いました。

自分流山には詳しくないのですが、美術はうまーく千葉の片田舎感を出しており、「ロコドル」のロコの部分も柔らかく活写できていたように思います。
ジャンルの空気を出しているという意味ではオンナノコの可愛さもそうで、ちょっと柔らかくていい匂いしそうな、可愛げのある描写でした。
やっぱね、女の子が沢山出てくるアニメは、オンナノコが可愛くなきゃいかん。(今更悟りマン、更なる加速)

トータルで見ると、タイトルとジャンルから推定されるラインを外れず、結構上のクオリティでまとめた良いアニメだと思います。
ロコ分、アイドル分、オンナノコ分それぞれを、今回みたいな繊細さで描写できれば、凄く面白いと思いますヨ。
オンナノコ分に関してはアレだ、脚本ゆにこ先生だからな……血反吐吐くまできゃフフを見せ付けられるぞ……(期待に満ちたキモチワルーイ笑みでフィニッシュ)。

 

・ 幕末ROCK
夏の一発目はオトメ向け!! つーわけで、幕末でROCKするアニメが始まりました。
ぶっ飛んだサーフェスに惑わされがちですが、身分を隠してる有名ギタリストに見出され、田舎から出てきた才能ある少年が、腐った音楽業界に立ち向かうという基本骨子を抜き出すと、ひじょーにオーソドックスなお話です。
……オーソドックスなお話では、楽器召喚したり、いきなり脱いだり、新選組がアイドルとしてライブ邪魔したりしないか。

ぶっ飛び系オトメ系といえば、ゴージャスな美術と頭の弱いイケメンが大暴れする『うたの☆プリンスさまっ♪』とか、シスプリリバースイケメンちらし寿司『BROTHERS CONFLICT』、ドグサレゴッド・オブ・ウォー『神々の悪戯』、新選組ゲーでも一二を争う生々しさ『薄桜鬼』、スペランカーより死にやすい主人公『AMNESIA』、そしてまさかの地下鉄擬人化『ミラクル☆トレイン』などなど、僕も好きなアニメが多いです。(このアニメ、女性主人公じゃないんでオトメ系かは悩むけど)
そこら辺のアニメはただぶっ飛んでいるだけではなく、キャラクターのモチベーションや価値観、キャラどうしがお互い影響して変化していく様子など、お話の基本的な部分が結構しっかりしていました。
ぶっ飛んだパーツというのはあくまで爆弾であり、高く跳ぶためには飛翔体=物語の設計がしっかりしていなければいけません。
具体的には、物語がどういう展開になるのかの見取り図がくっきりしているか(していない場合は、それでも見る魅力があるか)とか、主人公のモチベーションはわかりやすいかとか、過剰な甘やかしはないかとか、そこら辺です。

そういう視点で見ると、わりかし分かりやすいキャラと、オーソドックスなロックンロール成り上がり物語なこのお話、土台は結構しっかりしてる感じ。
主人公のまっすぐっぷりや、青い人の戦隊ブルーなツンツン加減も、お話を回すエンジンになりそうです。
巧く扱わないと、どっかで見た感じになって泥臭いという話でもありますけどね。


んで、爆弾もしくはブースターたる頭オカシイ要素は、よく刺さる尖り方をしていました。
幕末という馴染みのある時代を、ロックンロールとアイドル色に染め上げてるキチガイっぷりと、とりあえずライブで全てを解決するスタイルは、ぶっちゃけ好みです。
藤堂平助が速攻ロックに洗脳されてるところとか、無意味に史実拾ってていいです。

個人的に気になるのは、ロックとアイドルの捉え方が一面的というか、ちっと記号的じゃね? というところ。
『ロックは反体制で正義、アイドルは資本主義媚び媚びな悪』という二元論だけだと、自分的にはキツイかな。
そこんトコロ一歩踏み込んで、一種のネタとして音楽ジャンルを扱うのではなく、しっかり描写して欲しいところ。
初速はかなりいいものが出ているので、今後の飛び方次第ではないでしょうか。

 

・ グラスリップ
北陸で! 高校生が!! 恋愛とかしたりするPAのアニメー!!!
というわけで、シムーンとTrueTearsの西村監督が、体内の乙女回路を全開にしてお送りする青春群像劇、第一話。
シムーン一話を思い出す説明のない大量の情報置きっぱなし展開でしたが、俺こう言うの嫌いじゃないぜ……。
「青春題材なんで、主人公のアイコンは硝子。透明で壊れやすい」という直球プリとかね。

とりあえず説明抜きでキャラクターがバンバン動いてバンバンしゃべり、「この子らはここにいるので、お前らが分かれ!」という豪腕を叩きつけてくる第一話。
自分が西村監督のお話や絵作りが好きだってのもあるんですが、判んないなりに判りたくなるフェロモンはでていたと思います。
ここら辺は、美術のPAの面目躍如、夏感あふれる背景美術が一役買ってた感じですね。

説明しない代わりにメタファーを多用して、今後の展開を想像させる作りも結構好きです。
一羽だけ浮いてるジョナサンは、果たして誰の暗喩なんだろうか。
そしてダヴィデと主人公だけのシーンになると、過去回想みたいな感じで画面が白くなるのは何狙いなのか。
不親切なのかもしれねーけど、こういう見せ方は視聴者を信頼してるからこそ出来ることだとも思うので、好みの演出です。

そして判んないなりに
・5人+1人の話しであるということ
・主人公とダヴィデの、なんか高次元なボーイミーツガールが発生したこと
・時々コアな美術ネタが、何の説明もなく挟まるアニメだということ
・お互いの気になるラインは、結構面倒くさく錯綜しているということ
・髪留めちゃんとぶっきらぼう君が、昔の少女漫画みたいな同居してること
ぶっきらぼう君が主人公好きであること
・メガネちゃんの読書の趣味がコアであることと、病弱であること
・髪上げてる君の喫茶店が、六人の結節点として重要であること
・3×3の恋愛群像劇に、室内管弦楽をあわせるセンスは嫌いじゃないっつーか好みであること
・ハーモニーや漫符の多様など、西村監督の演出は相変わらずコテコテであること
は判った。
……結構判ってんじゃねぇか!

そんな感じで、色んなサインのでてる第一話でした。
お互いの感情動線が繋がったりこんがらがったり切れたり治ったりするのは先のお話でしょうから、楽しみに待ちたいと思います。

 

 

・ アイカツ!
アイカツ8とWM絡みのノルマ終わったし、個別回やろうぜ個別回」という、スタッフの唸りが聞こえてくるようなユリカ様回。
藤堂ユリカという女の子の可愛さ描写、弱者から強者になったことによって体得した仁徳、アイドルという職業に対する高い意識。
一言で言えばパーフェクトでした。

今回あまりに良すぎて全部凄かったですで終わらせたいくらいなのですが、まずピック出来るのは作画。
「オイオイ、作画班ユリカちゃん好きすぎだろ……」と言いたくなるような、気合の入った止め絵と動きと演技付け。
この話は藤堂ユリカへの憧れの話なので、視聴者もユリカ様に夢中! な状態に引っ張りあげねばならず、そのための土台として今回の気合の入った作画はいい仕事をしたと思います。
ホントね、あの長いシリアルCMとか、握手会での爆レス加減とか、生き生きしてたっすわ。

ステージングも非常に凝っていて、今までただの装飾だった羽根を中二病キャラに合わせて使いこなしているところとか、ゴシックな空気漂うセッティングとか、ユリカ様専用! という気合い入りまくりでグッドナイス。
素のユリカ様を前のシーンで見せているからこそ、此処で「あー……やっぱユリカ様すげーアイドルだわまじスゲ」ってなるようバリバリオーラ出してきて、旨さが面白さになってるアニメはつええなぁと再確認。
アイカツのCGモデリングは目線・指先での表現力が強みの一つだと思いますが、今回も毅然とした潔さがそこかしこにあふれており、作中の人物たちが藤堂ユリカの何に魅了されているのか、説明ではなく描写で教えている良いステージでした。


無論、お話の方もユリカ様の魅力を引き立てるように構成されていて

ワケワカンないけど面白くて可愛いCMで「トップアイドル・藤堂ユリカ」が人々を魅了する理由をまず見せる

握手会での細かい対応と楽しそうな空気で補強

その上で「トップアイドル・藤堂ユリカ」に憧れるメカクレで内気な「かつての藤堂ユリカ」から根本的な問いを投げさせる

1ファンからの問いかけをなおざりにしない姿勢を見せ、アイドルとしての、人間としての誠実さを描写

ステージを交えつつ、ファンからの問いかけにアンサーを出す

如何にして「かつての藤堂ユリカ」は「トップアイドル・藤堂ユリカ」になり、「トップアイドル・藤堂ユリカ」がなぜアイドルとしてトップクラスなのか、というテーマを完結させる
という流れ。

過去と現在、理想と現実を巧く相補させつつ、アイドルという仕事の特異性を明確に描写する展開であり、多様なテーマとシッカリとした背骨を両立させた、アイカツらしい脚本でした。
WMが「強さ」でトップに君臨するアイドルの形を描写したのに対し、「優しさという強さ」でアタマ張ってるユリカ様を置いたのは、今回だけではなくシリーズ全体にいい影響を及ぼしてる気がします。
デザイナーさんを巧く「大人の相談役」として配置して、大人顔負けのプロ意識で仕事に望んでいるアイドルとしての側面を強化していたのも、中々巧い作りだった。

「ユリカ様のキャラと素の対比」というテーマは一期第十九話『月夜のあの娘は秘密の香り』、同じく二十話『ヴァンパイア・スキャンダル』で扱われたものであり、それをただの再演ではなく、アイドルとして成長し多数のファンを獲得した今の藤堂ユリカに合わせてしっかりと変奏したのも、今回のお話が優れた点だと思います。
あの時いちご達と同じくアイドル候補生だったユリカちゃんは、二年の年月を経て炸裂するような子供・女性人気を獲得し、夢を受け取る側から与える側へと立場を変えた。
だからこそ、メカクレ娘に夢を授けるあのシーンは異常な輝きを放ち、俺もTVの前で失神(大げさ)
ここら辺は、幸運にして長期シリーズとなったアイカツ故の、豊かな成長描写だったと思います。
関係ないけど、「メカクレ→一瞬だけ目見える→やっぱメカクレ」という記号の扱い方に、メカクレクラスタが「アイカツ解ってるわマジ……酸欠なったわ」って死ぬほど唸ってた。

「アイドル・藤堂ユリカ」を掘り下げる回としても非常に良く出来ていて、最初から才能にあふれていたアイカツの女の子の中で、ほぼ唯一「持ってない」存在として話に食い込んでるユリカ様が、丁寧に
描写されてました。
次世代に夢をつないでるという構図自体はいちご-あかりコンビと同じなんですが、圧倒的なポテンシャルに憧れて食らいついていくいちあかに比べ、自分から相手のレイヤーに降りていくのがユリカ様らしい。
ラストの学園長との会話でテーマを明確にさせるのも、事前に丁寧な描写を積んでるから上滑りしないし。
とにかく良く出来てました。


販促という枷から開放されたからか、アイカツの強みであるヴァラエティ豊かで濃いキャラたちがもりもり出てきて、楽しい作りになってたのも良かった。
いやシリアルの販促してたけどさ……Bパート開け直後のCMに爆笑しちゃったよ。
とまれ、ドリアカにぽわプリにと、いまいち出番のなかったメンバーの楽しいシーンがたくさん見れて、やっぱみんな可愛くていい子たちだなぁと幸せな気分になった。
ぽわプリ一つとっても、「並んでゲットしたよ!」と言わせることで「トップアイドルなのにスーパーで並ぶんやな……ええ子や」と思わせてて、少ない時間の使い方巧いなぁと。

脇の描写がうまいってのはファンにも言えて、ユリカ様のキャラを愛し、山ほど予習して握手会に来る客層に「愛されてんなーマジ」と思わざるをえない。
あのシーン、握手会の楽しさ、魅力をぎゅっと濃縮した上で全然説明してない、ドルアニメ史上に残すべき名シーンだと思います。
あれだけ細かく素早く話題作ってくれると、現場人気すごいだろうな。

これだけ人数扱いながら、公式にコンビをくんでるかえでちゃんとの絆をぶっとく描写し、一本の軸に据えていたのは流石アイカツ
前回のエピソードが渾身の出来だったからこそ、その成果を拾いつつ「あたしの知らないユリカ」を一つ埋めていくキマくった展開に、俺の脳髄は爆発寸前(大げさアゲイン)
新婚過程を見守るようなアイドルたちの優しい視点とか、大事なことだからこそ過去を秘密にしないとか、かえユリ補強回でもあったなぁマジ……。

全てにおいてパーフェクトな仕上がりで、非常にアイカツらしい回でした。
来週はあおい姐さんということで、こっちにも期待大。
今回みたいな回があるとハードル上がるわけですが、アイカツは上がったハードル余裕で超えてくるので、素晴らしいと思います。

 

・ Free!
京アニの核爆弾、二期が始まるよー。
つーわけで、夏アニメ大本命、天下御免のFree二期でございます。
美麗な作画、元気な画面、萌え萌えなキャラの見せ方。
相変わらず求められる水準を過剰に飛び越えていく京アニスタイルで、大満足の出来でした。


と、ならないのが、自分にとってのFree二期。
自分は一期凄い楽しんでみていた男であり、同時にあの最終回に凄く納得行っていない男でもあります。
Freeのモヤモヤポイントは複数あって、閉じたサークルを維持するためにいろんな場所に砂をかけた最後の選択、水泳という競技をテーマにしていたはずなのに競技性に対してリスペクトのない終わり方になってしまった所、そして製作者自身が制作物に対して矛盾した態度をとっている所が、主なモヤモヤポイントなわけです。

前二つは最終話見てくれれば大体わかってくれると思いますが、矛盾した態度というのは、いかにも「青春物語ですよー」というサインを出しておきながら、自分自身の青春を台無しにしてしまうような展開を引っ張ってきてしまう、京アニ特有の悩ましさであります。
京アニというスタジオは、美麗な作画と強力な演出力を振り回して、「このシーンはこういう印象を与える」「このキャラクターはこういう受け取り方をしてもらう」という、印象操作が非常に巧みな製作者だと思います。
また、視聴者がどういう映像を望んでいるかを感覚する器官も持っているので、結果欲しい絵をズバンと出す能力はとても高い。

その上で、仮に物語的に(もしくは物語倫理的に?)不完全(もしくは不健全?)な結果になるとしても、とにかく視聴者が望む展開で押し切ってしまう、そのためには世界観や演出哲学まで捻じ曲げてしまう傾向を、僕は感じています。
これは最初からとにかく視聴者の望む方向にエンドマークを決めておいて、途中経過である物語の真ん中をより「正しい」方向に仕上げているのかもしれませんが。
中野の後輩問題を棚上げした上で映画で詫び状出した"けいおん"にしても、立花の幼年期脱出に関しては結局答えを保留したまま終わってしまった"中二病でも恋がしたい!"にしても、そこら辺は共通している気がします。
(原作がそもそもそういう方向というのはありますが、創作者のエゴで原作のテイストを塗りつぶすアニメ化というのは実在しているし、それを選択しない時点で京アニ的セレクトの傾向というのは、やっぱあると思います)
客の顔を一切見ず、自分たちのやりたいことだけアクセル踏みまくると"ムント"になるのが困ったもんですが。


翻ってFree一期を考えると、やはり途中で出していた「これは青春の物語ですよ」「正しさと自由の間の話ですよ」というサインの鋭さ、刺さり方は特筆に値する。
美麗な作画、水泳という競技を視聴者に体験させる水の描写、ポイントを徹底的に推しまくるキャラの描写、独特のタイミング感覚。
京アニらしい武器を用いて、「青春感」を溢れるほど出し、「それをテーマにするのであれば、此処は踏まなきゃいけない」というポイントも的確に描写していたと、僕は思います。

そして、それが最後まで続くするのであれば、誠実さと真剣さを製作者サイドに見ることも出来たわけですが、Free一期において前半(というか最終話以前)が与えていた「自由と正しさの間で、悩みながら正解を選んでいく物語」という印象があればこそ、極端に自由さと身内への執着に寄せてしまったあの終わり方は、矛盾しているとしか受け止められなかった。
何故あの終わり方を選択したのかは一視聴者たる自分には決定しかねますが、ともあれ作品に触れることのできない立場だからこそ、製作者サイドが自分自身が提出したものを"裏切る"行為には、多大な恐怖を感じてしまいます。
「此処でこういうふうなことを感じたけど、何時ひっくり返すか判んないぞコイツら」
「なぜなら、この前もひっくり返したからね」
そういう判断を、手前勝手にしてしまう。
Free! というブランドは、は自分の中でそういうラベルを貼られているシリーズなわけです。
(無論、それは自分の勝手な思い込みであり、制作物は製作者以外の触れることの出来ない、貴重な表現なのですが。
しかしまぁ、信じさせて欲しいじゃない、見る側としてはさ)

前期に『ラブライブ!』と『ピンポン』という、青春アニメの傑作が二つも出て、「競技へのリスペクトを持っていても、外側に向かって開かれていっても、青春という季節は活写できる」ということを証明した後では、自分はFree! を素直に青春群像劇として受け取ることは出来ないです。
一期が見せた閉鎖性、リスペクトのなさを打破しなければ、二期もまた、青春群像劇の皮を非常に巧みに被ったゲイポルノになってしまう。
そういう警戒感がある。
(無論、この"皮"の作り方が圧倒的に巧いから、諦めきれないグズグズした未練が自分の中に生まれてしまうのですが)


さてはて、そのようなバイアスを自覚した上で二期一話を見ますと、いやーよく出来ていた。
作画の美麗さ、画面の作り方、キャラの強いところをとにかくプッシュしていく的確なあざとさ。
そら~受けるわなというクオリティの高さで、いやはや京アニ健在であります。

一年という時間が過ぎて、イワトビのアホどもはあんま変化がない感じですが、凛ちゃんは一期でクエスト達成した成果を受け、すっかり丸く。
卒業なども匂わせつつ、また楽しい日々が始まるという感じ満載で、嬉しい作りでございました。
相変わらず象徴系の操作は巧くて、綺麗な桜の花を見せてから雨を降らし、三つの桜がバラバラになっていくところなど、叙情性を的確に使いこなしていた良いシーンだと思います。
やっぱ水の作画いいなぁ……泳いでて気持ちよさそう。

とは言うものの、腐ったサークル感は満載であり、新入生こない下りは"けいおん!"二期で中野を放置してた四人組を思い出さざるをえない。
そういうふうに都合の悪さを棚上げしていると、作品世界が破綻するか、映画一本丸々キャラの救済に当てないといけなくなるので、あんま良くないと外野は思うなぁ……。
そういう期待と不安と、始末の付かない気持ちわるーいジメジメした俺の情念をひっくるめて始まってしまったFree! 二期。
ぶっちゃけ付き合い方がさっぱり判らんので、よく判んないまま見続けるつもりです。

あ、EDは元気で切れ味よくて、よくもまぁ的確にホモに人気の職業ピックアップできるなと関心しました。
EDも未来の夢に関してなんで、二期のテーマはそこら辺になるのかなあ。
まーた身内で椅子回す結論だったら、オラァ心底からがっかりするぞ(予防線を張って、心を防衛するマン爆誕