イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/07/30

 

・ ハナヤマタ
面倒くさい女子中学生が、面倒くさく青春に思い悩み、面倒くさく問題を解決するが面倒くさい性根は変わらないアニメ、今回はお姉ちゃんを指で絡めて目で落とす回だった。
ハナではなくナルが。
如何に金髪女天狗が万能コミュニケーション装置だとはいえ、頼り切りだと主人公の面目ないしな、いい動きだった。

タミーのところは父子家庭なのか、家柄の重さもあって、イプセンめいた関係性。
別に親父のことが嫌いってわけじゃない、つーか好きなんだろうが、"初めの一歩"ってやつを踏み出し、糸を切って己の足でステージにSTAND UP TO THE VICTORYよ。
よさこいのパフォーマンスそれ自体がキッカケになっている点といい、ややちゃんに比べるとタミーは分かりやすくていいな。

ナルーが説得に来るシーンの湿り気は、ちょっと尋常じゃなかったがな!!
「たかが部活入るか入らんかで、あそこまでエモくならなくても……」と思わんでもないが、中学生にとっては死活問題なんだろうし、そこに踏み込んでくれる友人がいるのはいいことだし、相手はナルーだし、田舎だしね。
田舎だしは偏見ですねスイマセン。

これで三人目の部員を手に入れたけど、メガネはまだ頑なだし、ややちゃんは相変わらずかまって欲しいのかかまって欲しくないのか分からないし、ていうか要するに姫扱いと王子扱い同時にして欲しいんだろ面倒くせぇって感じだし、問題は山積。
ミサワ顔でチラチラこっち見てるシーンの面倒臭メーターは、針振り切ってたね。
タミーのお話は結構スッキリカタが付いたので、こっちの面倒な方々のお話に、今後は注力していくんでしょうかねぇ。

 

・ ハチャプリ
恋愛徹底強化月間はまだまだ続く! というわけで、ヒメに恋心入っちゃう回でした。
まぁせいじは圧倒的に好青年だからね、そら惚れるわ。
恋愛劇の中心軸になるせいじを、好感度高く書けているのはハチャプリの強いところだと思います。

まるで頭の弱いピタゴラスイッチみたいな流れでヒメとせいじが孤立し、後は胸キュンイベントが目白押しでございました。
足首痛めておんぶしてもらって、不良に囲まれて「俺が守ってやる……」と言われて、イイ作画でカラテされちゃあ、そら初恋も知る。
オーソドックスでベタなイベントを、恥ずかしがらず徹底的にやる開き直り、やっぱ強いね。

胸キュンイベントとせいじのカラテに作画力をぶっ込みすぎたせいで、空から吹っ飛んできたプリキュアの作画がへにょってたのはご愛嬌。
最近東映の仕事量が多いので、ハチャは作画方面でチャレンジされてて大変だなぁ。
結構面白い演出が多かったので、それに追いついた作画で見たい回ではありました。

恋愛強化月間はまだまだ続くようで、来週はヒメが初恋に悩むお話。
まぁ親友のこと好きな男の子だもんね、悩むよね、甘くて苦いマーマレードだよね。
次回予告の段階で既に、ブルーがゲス顔でめぐみちゃんを寝取っていて、「ああスタッフ判ってブルーをああ書いてんのね」と思いました。
ある意味一安心だけど、狙いが当たりすぎてると思いますよブルーに関しては!

 

・ スペダン
「なんかよー、ビバリーヒルズ青春白書とかgleeとかハイスクールミュージカル的なことと、80Sの狂った空気を思う存分流し込んだアニメが作りてーぜ!!!」という回。
色んなパロディシーンが多すぎて、しかもそのクオリティが高くて、ゲップが出るほど濃厚だった。
ただ「っぽく」作るのではなく、楽曲にしろ作画にしろ圧倒的に仕上げるのがダンディらしいなぁと。

ミュージカルアニメとしては、妥協のないフルアニメーションでぬるりと回しまくる作画、それぞれの時代をとらえた楽曲、南里さんと牧野さんというディーヴァ二人を揃えた歌唱と、パーツ単位の仕上げがトータルのクオリティにつながっていた印象。
脈絡なく挿入される楽曲に違和感を覚えた人もいるんだろうが、俺は一向に構わんというかミュージカル抗体かなり有る人なので全然オッケー。

……好きなんだよ、音楽劇。
ラストのライムバトルからみんながひとつになる流れだけで二兆点つけちゃうくらいにね。
ああいう流れはやっぱり、音楽の助けを借りるとスムーズに受け入れられる。
やっぱ音楽劇はいいなぁ……アニメは情報量が少ないのでミュージカルは結構苦手ジャンルなのだけど、フルアニメーションで動きを増やすことでボリュームが増えていて、必要なだけの生っぽさを生むのには成功していたと思う。
その裏側で男人のアニメーターが死んでいたのかは、考えたくもない。

パロディ要素はアメリカ青春ドラマ要素が目立つけど、80S要素も相当盛り込んでいて、好きなもの全面に出すハッピーさはとても良い。
特訓シーンの元ネタ、全部言える人いるのかなぁ……。
クインビーの楽曲がバリッバリに80Sアイドルしていて、個人的な好みとしては余りにグッドだった。

お話としては五話以来のキレイ系ダンディだったが、転校から一週間でプロムまで行っちゃう所とか、肝心なところはダンディらしい適当さだった。
勢いとクオリティで押しきれているから、まぁいいか!
そういう意味でも、非常にダンディらしい回だったね。

 

・ アルドノア・ゼロ
地球人VS火星人、絶滅戦争の気配ムンムンの戦場を、少年たちは駆け抜けていく第三話。
今回の無敵ロボは近接特化のサムライ機体だ!!
……火星の騎士たちは、極端なロマン機体しか作らない病気なんだろうか。
まぁ舐めプしないメンタリティだと、超テクノロジーですり潰されて終了だもんな、地球サイド。

長いプロローグで見せたキャラクターの横顔そのままに、イナホくんは冷静沈着に「負けない」という目的を完璧に遂行し、姫様は火星のちりめん問屋として正体をパなしたがり、スレインくんは腹パンされた後ズブズブ深みにハマっていった。
第一印象が裏切られず、より深まっていくストーリーの運びは非常に良く出来ていると思います。
「姫様を本土と通信可能な場所まで護送する」というイナホ-姫様組のクエストも見えたしな。
……スレインくん、すごい勢いで周回遅れにされた上に腰まで悪しき因業に浸かってる気がするが、まぁそれはそれだ。

今回もアーマゲドン以降の人類生存戦争の描き方が上手いアニメで、避難民抱え込みつつ神の軍勢に立ち向かわなきゃいけない無理ゲー加減とか、それでも慢心が抜けないので付け入る隙ってやつを見つけれる僥倖とか、非常に見ていて面白い。
圧倒的に地球サイド不利で開始して、火星側の瑕疵を巧く描写することで、どっちが勝つのかさっぱりわからない状況を作っているのは、ワクワクが止まらず素晴らしいと思います。
ココらへんの立場の違いを、「見下ろす・見上げる」という視点のすれ違いで表現するのは上手い手筋だなぁと関心。
火星帝国の内ゲバ六十分っぷりは尋常では無いので、崩れるとしたらそっからかなぁ。
そういう意味では、まさにジョーカー的立場を担っている姫様が主人公の一人なのは、イイ注目ポイントだなぁ。

スレインくんの、人生激流の中の笹舟っぷりも面白いけどさ。
地球サイドも大変だけど、各軍団事の利害と腐ったレイシズムに押し流され、姫様との合流もままならない立場……シンドいなぁ。
姫様とイナホくんがクエストを共有している分、独力で頑張んなきゃいけないスレインくんがどう巻き直すのか(もしくは地獄に直行していくのか)、群像劇の主役それぞれに、惹きつけられる魅力があるのはいいなぁ。
後何回腹パンされるんでしょうね、スレインくん。

冷静に的確に、そして熱く戦場を踏破していくイナホくんももちろん、群像劇の主役として十分以上に仕事してますけどね。
間抜けも引き立て役もあんま居ない作りなのは誠実でいいなぁと思います。
今回一杯食わされたブレオン機体のリベンジも気になるし、次回が楽しみですね。