イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/03/08

・アルドノアゼロ:第21話『夢幻の彼方』
火星ロボット脅威の同時進行! を真正面からのチートでぶちぬくイナホマンの無敵っぷりと、姉妹姫連合に詰め寄られてもブレないスレインくんのお話でした。
一回退却してから作戦会議して、一般兵ひっくるめたイナホ以外で頑張ってという流れが良かったので、最後のイナホスーパーチートもまぁ許せる。
あんだけピンチだったんだから、味方陣営に一人や二人死人出してもいいとは思ったけど、そう言うアニメじゃないみたい(いまさらな悟り)。

スレインくんは特に動揺することもなく、復活の姫様を抑えこんでスレイン帝国維持。
つーか姫様、スレイン見限るのはえーよ! とか思ったが、二年間寝て起きたらマジ好き勝手絶頂に自分の理想踏みにじられたんだから、そら見限るわな。
偽姫さまが思いの外お姉ちゃん好きだったおかげで、女の話が手早く終わったのは良かった。

姫様を守るためにやりたくもねぇ戦争を維持し、自分の国を手に入れ、奇跡を捨てて現実と寝たスレインくん。
自分の全てだったはずの姫様と決別してなお、歩みを止めない姿は頼もしい……と同時に、姫様が寝てた二年間の間に擦り切れ、原点を忘れてしまった彼の夢を否応なく想起させて、凄く寂しい。
本当になにもかも、うまくいかない子だねぇスレインくんは……。
キミもユニコンくらい一途に、姫様のことだけ考えて世界を捻じ曲げるくらいの愛情を持っていれば別の輝きが……いや、言うまい。
つーか、今期愛情の熱量と質量と捻り方に関して、ユニコンに勝てるキャラまじ居ないんで、比べるほうが悪いね(最終的にプリパラトークで〆)

 

ミルキィホームズTD:第9話『カジノ・思いやる』
お話ごとにジャンルをワープするミルホTD、今回はカジノネタ……であると同時に、初の回跨ぎの続きエピソード。
いい加減話数も少なくなってきて、終盤突入というところだろうか。
ぶっちゃけラスト五分で超スクリュー乗せて、強引に繋げた感じもあるが、そこら辺の雑さはいい意味でのミルホっぽさでもある。

お話の転がし方はTD定番の『ミルホはわーきゃードタバタし、それを横目で見つつマリネちゃんは何かに気付く』と言うもの。
今回マリネちゃんが全体的に辛辣で、そのピリッとした感じが逆に良かった。
『失敗を恐れず、思い切って前に進むことの大事さ』『圧倒的な幸運という、アイドルの強み』という今回の収穫も、カジノネタを拾っていて好きだ。
美樹ちゃんが真ん中取ったことに負の感情を抱き、それを気に病む描写があったけど、あの女多分黒幕だしマリネちゃんの貞操狙うクソレズだから、あんま気にしなくていいよ。

ロボ子の正体とか赤の女王の狙いとかは次回拾うところなので、今は判んなくていいか。
7話といい、TDの母子関係はウンザリするぐらい拗らせまくってて、エレクトラ・コンプレックスを刺激する良くない地場でも出てんのかと疑うレベル。
マリエちゃんが攫われたけど、いったい来週はどうなるのか。
とりあえず、ラピュタネタが唸るのは確定だな。

 

・Go!プリンセスプリキュア:第6話『レッスンスタート! めざせグランプリンセス!』
シリーズ構成田中仁さん手ずから筆を執り、驚異的な濃度と勢いで突き進んだプリプリ序章。
そこで取りこぼした世界設定だのヒロイン紹介だの敵の内情紹介だの販促だのを、ドバーッとまとめてナツコが担当した回。
説明をしっかりやりつつ、メインヒロインとして主人公のモチベーションを引っ張るカナタ王子の人柄を巧く紹介した、技ありのエピソードでした。

『ディオスの末裔』『プリダーク』『胸はだけて赤いスポーツカーで登場しそう』等など、外見からの風評被害を(主に俺から)受けていたカナタ王子ですが、体張って最前線で闘う苦労人でした。
第一声で巻き込んだことを謝ったり、はるか→カナタの一方通行と思いきや王子サイドもしっかり覚えてたり、好感度上がるポイントをしっかり抑えていて、いいキャラですね。
プリプリは細かい表情変化が良い印象がありますが、今回もはるかを見たカナタの微笑みとか、繊細で良かったです。

カナタははるかが頑張る初期衝動なので、彼がしっかりすることでそれを支えに頑張る主人公の背筋も伸びるという、キャラクター間のシナジーが生まれてるのもグッド。
『プリンセスになる!』というはるかの小目標と、『ディスダークを倒す』という物語全体の大目標が、グランプリンセスという点でしっかり繋がってる所、その両方にカナタが強く関係している所は、堅牢な構造が見えて安心できるところでした。
誠実で優しい王子様を見せた後、チョイ悪自由人のショタ幹部がまるで恋敵のように登場したのは、少女マンガラブコメ過ぎて面白かったなぁ。

変な声と可愛い動きのシャムール先生が顔見世したり、パイセンが用意した第二生徒会室使われてないはずなのにすっげー綺麗っすねとか、きららが『ウチのフローラ』と嫁さんっ面してたとか、ディスピア様外見も声も超強そうだったりとか、細かい所も相変わらず面白かったです。
いやー、朝から新谷真弓の声を聞けるとは、いい時代になったもんだ。
主役たちもヒロインも、世界設定も紹介が終わったわけですが、次回からは細かいエピソードを拾っていく形式になるのかな?
そっちも楽しみですね。

 

・プリパラ!:35話『最後のステージバトル!』
ソラミドレッシングVSボーカルドール、最後の決戦……と言うのは重点ではなく、機械人形が手に入れた愛の哀しみについてのお話。
ファルルとらぁらの致死量を超えたキャフフ、積載限界を超えて積み重なるフラグ、それを受けるユニコン役大谷さんの快演と、衝撃のラストに向けてしっかりとまとめあげた回でした。
九ヶ月やってきたプリパラでの対決にもしっかり答えを出していて、プリリズシリーズ終盤名物『毎日最終回』はプリパラでも健在。

ファルルとらぁらのキャフフは異常な切れ味を維持していて、実質三話でラスボスからヒロインに転身させた構成は、やっぱ凄い。
中学生組が結構クールというか、歳相応のシビアな対応を見せる中、かたや小学生、かたや無垢な人形というイノセンスツインの絡みは、穢れを知らない幼年期にしか存在しない多幸感があって、見てて幸せになります。
お互いのステージに同じ感想を抱く所とか、特別な関係が強調されてる感じで、凄く好き。
同時に、その先にある破滅もクリアに暗示されているので、心休まるのに不穏という、矛盾する感情が楽しめるシーンになってました。

タイトルにもなってる『最後のステージバトル』に関しては、ドレッシングパフェの〆で先取りしていた『勝ち負けよりも大事なものがある』という結論を、もう一度確言する作り。
題目として勝負論を否定するわけではなく、勝負を経由しなければ繋がれない間柄を重視した結論なのは、今まで積んできたものを否定しない流れになっていて、凄く良かったです。
思い返せばウサギもドレパもファルルも、出たばっかの時はとにかくヤなやつっぽくて、プリパラでの活動(≒勝負)を通じて良さが見えてきたわけで。
演者を支えてくれるファンを大切にする視点もしっかりあって、狂気とネタにまみれつつ、本当に大事な核は守りきり伝えきるプリパラ主義を、最後まで貫いたなぁというまとめ方でした。


その上で、一度手に入れた結論に『ファルルの死』という強烈な否定を叩きつけるのも、プリパラ主義。
『トモチケパキればみんな友達』というのは、お話を貫いてきた万能の切り札だったわけですが、最後の最後でそれが仇になる展開は、それまでの盛り上げもあって刺さる。
いやね、なんでジョーVS力石やねんとは声を大にして言いたいけどね……どんなショックな展開でも、ボケを忘れないのは、有り難いのか辛いのか。

作中唯一『ファルルの死』を感じ取るユニコンは、勿論視聴者にフラグの存在を教える仕事もしてるんですが、歪んだ愛情故に担当できるリアリティみたいのを持っていて、それが大谷さん渾身の演技でさらにブーストされてました。
ファルルの遺言聞いてる時の「えっ……」とか、短いブレスに感情入れすぎててヤバイ。
ニコンは本当に私心なくファルルのことが好きで、それはファルルと自分だけで世界が完結してしまうレベル。
閉じた関係性を良しとしないこのアニメにおいては、ユニコンが望んだ閉じた楽園は実現しないわけだけど、他者性を否定するレベルまで尖った愛情故に、ユニコンだけが感じられる危険がある。

それは多分、ファルルと出会った時から薄々感じていた危険性であり、ファルルを檻の中の人形として育てていたのも、勿論エゴまみれの独占欲ではあるのだけど、その消失を危惧する愛情も混じってたと思います。
だから一度は今まで通り、パクリ技で圧勝する安全な勝ち方を進める。
しかしファルルはもうらぁらと出会いのんちゃんと出会い、ユニコンだけのファルルではない、プリパラアイドル・ファルルに変化してしまっている。
その笑顔はユニコンのやり方では手に入れられなかった輝きに満ちているからこそ、涙を食いしばって送り出してしまったんじゃないかと、僕は思いました。
こういう凶暴で哀切ある純愛の持ち主をマスコット枠に据える辺り、やっぱ女児アニって凄いよね。


らぁらちゃんは希望と勇気を女子小学生の型に入れたような子なので、ジョーのようにプリパラするたびキラキラ光るゲロを吐くこともなく、ファルル復活に向かって邁進するようです。
死人が出ているので今までどおりとは行かないでしょうが、折れず真っ直ぐプリパラ道を邁進してきた我らが主人公が、ファルルとユニコンを救うことは出来るのか。
プリパラ一年目、終局に向けていや盛り上がっております。