イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

緋弾のアリアAA:第1話『もう一人のA』 第2話『危険な関係』感想

MF文庫が送るトンチキ学園探偵バトルコメディ小説のスピンオフ……でいいのかな。
元アニメは『武装セグウェイの攻撃を、防弾跳び箱で凌いだ』あたりで脳が限界に達し、結局見なかったわけですが、女の子軸に変わった瞬間に飛びつく辺り自分も現金なものだと思います。
原作では男性主人公のヒロインとっかえひっかえ展開、スピンオフは女性主人公のガールズストーリーっていう作りは、"とある科学の超電磁砲"思い出しますね。

お話としては頭のネジを二、三本外して見る感じで、過剰な暴力が支配する東京を、過剰な暴力と過剰な知性の欠如を兼ね備えた武装探偵が突っ走るお話。
本編だともうちょい超人強度高いお話が展開されてるんでしょうが、AAはドンガメ主人公が憧れのお姉さまとキャイキャイする話なので、全体的に地味めで泥臭くて有り難い。
いや、アリア先生のスーパースタイリッシュ船上アクションとか、トバしたネタもたくさんあるけどさ。
二話のあかりちゃんのトラウマを意味ありげにフラッシュバックするために出てきて、即座に帰る犬とか最高にリドル粒子出てる。

んで本編の流れは『LSDをキメ、MF文庫に島流しになったマリみて』といいますか、アリアとあかりが鉄砲持ったスールになるわけだ、平たく言って。
僕の記憶だと結構なポンコツだったアリアさんが、常時高い場所に登場しては格好良く決めていて、見ていて面白い。
クールなスーパーエージェントっぽく装ってはいるものの、あかりちゃんの扱いに人の良さが透けて見える所が好きです。
やっぱり姉妹は仲良くないとな。

アリアもあかりも癖がないといいますか、人格的に捻くれた部分が少なめなのは、キャラが好きになれる感じでとっても良いです。
あかりに至ってはクレイジーサイコレズに大太刀で命狙われても、自分が悪いと言える天使のような人格。
"ゆるゆり"といい、『あかり』って名前の子は腐れレズビアンの性的欲望に振り回され、それを笑顔で受け入れるイノセンスの持ち主以外いないのかしらね……てぃんくるのあかりちゃんはどうだっけか。


一話目は『結構フツーのガール・ミーツ・ガールだなぁ……鉄砲持ってるけど』とか思ってたわけですが、二話目でなかなかに強まったサイコレズビアンが大暴れして、思わず正座で見ちゃいました。
何が酷いって、あのクソレズ『控えめで実は良い子』とかそういうことは一切なく、自宅だと使用人に当たり散らしまくりな性格最悪女な所が、マジ酷い。
自分と想い人の間を邪魔する女に対する最優先オプションが『殺傷』だったり、暴行に及ぶ前に「アナタが悪いんだからね……」という金看板を持ちだしたり、ほたるんもビックリのあかりハウスを構築してたり、なかなかハイパワーなクレイジーさでした。

『巌流ではまず鞘を捨てる、鞘を捨てた居合は最速だ』という寝言をサラッと垂れ流す辺り、トンチキネタの扱いも結構好み。
やってることは性癖がさらに歪んだミザリーなのに、ハンマーで足壊す代わりに異能剣術使ってくるミスマッチは、なかなか美味しい風味を醸し出していた。
間宮林蔵はガチで公儀隠密だったので、相手の臓物を引っこ抜くというモーコンのフェイタリティ技みたいな技芸を使っても納得だね!!
個人的には『偉人×ラノベ技』という縛りでどんどん出てくるトンチはかなり好みのアレンジなので、今後もドシドシ垂れ流しにしていただきたい。

あと、防弾ネクタイね。
あそこの殺陣がなまじっか巧いのと、アリアがツンツンしつつもネクタイクイクイしてあかりにサイン出してる地味な伏線と相まって、凄く面白かった。
ああいうトンチキな絵面の中に、キャラクターがキャラクターを好きだ! という真心がブレンドされた味わい、やっぱ好きですね。
レモンバームの使い方といい、こんなに強まったアニメなのに細かい描写巧いよなぁ、このアニメ。
トンチキ成分を最大限に尖らせつつ、キャラは可愛く、好きになれるような描写もちゃんと入れてくれる所が、見ててありがたいですね。

ネタ方向の火力の高さと、ガール・ミーツ・ガールものとしての丁寧な仕事があいまり、独特の魅力を放つお話でした。
今後もどんどんろくでもないクソレズがトンチキ理論を振り回し、あかりちゃんを壁際に追い込んでいって欲しい。
そしてそれとは一切関係なく、ジワジワと仲良くして行って欲しい。
このアニメを楽しむスタンスが完全に"悪魔のリドル"と同一化しつつあるけど、まぁ受容ってのは経験の棚から過去の成功を降ろして比較するのが入り口だしな。(難しいこと言ってごまかすマン)
来週もなんか面倒くさそうなクソレズが、あかりちゃんのお友達の大太刀持ち出さない方に絡むっぽいので、今から楽しみデスね。
……俺、このアニメ結構好きだなぁ。