イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ルパン三世:第9話『殺し屋たちの鎮魂歌』感想

陽気なギャングがイタリア半島をかき回すアニメ、ついにやってきました五右衛門個別エピソード。
かつて殺したはずの凄腕の亡霊、少女と交わした約束、唸る必殺の斬鉄剣
ルパン2015らしい隙の無さで、五右衛門のストイックでメロウなキャラ(とインチキ戦闘能力)を前面に押し出した、仕上がったお話でした。

散々『五右衛門のお話まだ~、斬鉄剣まだ~』とおねだりShall we~?してた僕ですが、今回の話を見て、出番が遅れた理由がわかりました。
アイツの戦闘能力、別のアニメ過ぎてそりゃ出せんわ!!
要所要所でキメつつも普段は常人アクションで頑張ってるルパン・次元に比べ、銃弾切るわ斬撃飛ばすは、一人だけ能力者ラノベの住人。
そらワンポイントリリーフか、今回みたいに話全部を捧げる作りじゃないと、お話しのリアリティレベルが混乱するから出せないよね。

しかし今回はガッツリ五右衛門ナイトであり、好き勝手絶頂に切って来って切りまくる。
BOSSのところに殴り込みをかける時の、あえてフラッシュで見せる殺陣。
『僕の白兵レベルは超人級なので、医療判定にも使えていいですよね?』という強論が通った結果の殺し治癒(マカブル・ヒール)。
『無茶苦茶であるがゆえに面白い』という五右衛門の特性を活かし、おもいっきり荒唐無稽に暴れまくった良いアクションでした。
ガトリングガンに対応できるということは、御庭番衆より強いってことだな。(即座に強さを比べたがる小学生ブレイン)


2015の個別エピといえば恋なので、今回のヒロインは元ロリ現少女のスナイパー。
『指切り』を印象的に使って、五右衛門のウェットなところを巧く引き出す、良いヒロインでした。
五右衛門とはプラトニックに、黒幕とは肉欲まみれに接することで、メインキャラクターの清廉さを引き立てる仕事もしてたなぁ……メディア王といい、イタリア上流階級ではスラムでロリを拾って、自分ごのみにカスタムする遊びが流行ってるのかしら。
2015はゲストのデザインが毎回良くて、印象に残るキャラクターを絵で打ち出しているわけですが、ベラドンナもいい塩梅に萌え要素を詰め込んだグッドデザインでした。
小さな少女にビッグなガン、そして非人間的な跳躍というのは、定番ながらやっぱ気持ちが良いやね。

『死んだはずの狙撃手が、暗殺事件の生き残りを殺している』というミステリが、アクションの合間合間に挟まれる作りも、話を安定させる良い仕事をしていました。
謎を追いかけていくことで話が先に進むし、秘密を隠していることで感情の揺れも表現できるというね。
謎のレベルも『一瞬考えれば、だいたい分かる』という段階にまとめられていて、アクション・サスペンスとして十全な作りでした。
ヒロインが死んで終わる流れなんですが、五右衛門の無茶苦茶でハッピーエンドに引き寄せる終わり方も、トンチキな爽快感があって好き。

というわけで、色々盛り込みつつ全てが水準以上、どっしりとメインキャラに寄り添って魅力を引き出すエピソードでした。
キャラ紹介に余分な要素を入れず、たっぷり時間を使って一人にスポットライトを当てられるのは、2クールある一話完結型の強みだよなぁ。
四度目のルパンは、やっぱ良く考えられているし凄く面白いですね。