イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

Dimension W:第7話『過去からの呼び声』感想

悪魔の発明に支配された未来の物語、今週は過去と現在。
Aパートではキョーマおじさんがおじさんではなかった頃の、幸せな思い出と悲惨な結末を。
Bパートではイースター島にそれぞれのルートで乗り込む回収屋達の姿をそれぞれ描いておりました。
恋人と仲間と希望、全部が一瞬で蒸発したんだから、そらおじさんも燃えカスになるわなぁ……。

Aパートはキョーマさんのグランドゼロの話でしたが、可愛い彼女が出来て世界がキラキラしたり、その彼女が死病に侵されてどん底になったり、楽しい職場グレンデルで頑張ったり、イースター島でボッコボコにされたり、上下の激しい人生でした。
キョーマさんの人生の支えだった雅の描き方がとても可愛らしく、手に入れては失うおじさんの宿命が余計に痛ましかった。
でも、指輪交換するシーンはちょっとキラキラし過ぎだと思った……少女漫画かよ。

雅とデートしてる時も、グレンデルで戦ってる時も、キョーマさんの表情は豊かであり、現在のむっつりサイボーグとは大きく違います。
ミラと対比させるだけでなく、この回想と対比させる意味も込めてこれまでキョーマさんの感情表現抑えていたのかなぁと思いました。
嫁も仲間も奪われ、キョーマさんは感情を凍りつかせることでなんとか生きてきたんだと思いますが、それをミラは溶かすことが出来るのか。
……体見る度嫁さん思い出すのに、良く同居したな。

あと荒くれ皆殺し部隊だと思ってたグレンデルの獣が、思いの外話の解るナイスガイ集団だったのが面白かったですね。
ジェット串カッコ良かったしな……串一個一個にコイル搭載って、相当予算おりた部隊だったのね。
命の掛かった仕事とはいえ、自分の力を仲間と一緒に使いこなし、嫁の病気が治るかもという希望がある日々は、結構楽しかったんじゃないかなぁ。
それだけに、全てを一度に奪われる体験はキツすぎたというのは、良く分かる。
しかも両方にコイルの暴走が絡んでいるんだから、そら時代遅れのガソリン人間にもなる。
これまで隠されていたキョーマさんの過去が明らかになり、彼の行動原理に納得がいく、良いオリジン開示でした。


ほんでBパートでは現在に時間軸が戻り、イースター島攻略戦開始。
『俺たち強キャラだぜッ……!?』って感じでたくさん集まった回収屋さん達ですが、ソッコーでお船が沈んでるけど大丈夫かしら。
お船で集団行動してると、せっかくかけた賞金目指して出しぬきーの協力しーのの陰謀術作レースが展開できないから、まぁ落とすけどさ。
キョーマさんが別角度から島に渡ったのも、バラバラになった回収屋と合流させたり敵対させたりして、出会いのドラマを作るためだろうしな。

重苦しい過去改装が終わった瞬間、ミラが「雨が上がりましたよー」と声をかけに来る流れは、この後展開する物語に希望を持てる良いシーンでした。
キョーマさんの後悔全てがイースター島にあること、それを取り戻す相棒はミラであることが巧く象徴化されてて、凄く印象的だった。
やっぱ過去を背負った男が因縁の地に向かうというのは無条件に煮えるし、これまでの物語でしっかり絆を繋いだ相棒が隣りにいることで、なにか前向きな気配が漂っているのが良い。

キョーマさんの過去が分かったことで、ミラとの因縁も見えたしなぁ……。
色々見えてみると、感情をミラに押し付けず一緒に過ごす日常の中でいろいろ解消してきたキョーマさんの人格者っぷりがよく分かる。
ミラは華があり可愛いキャラなので、どうしてもキョーマさんの描写は遠景になりがちだったんですが、そこで怠けず丁寧に描いてきた結果、色んな事が腑に落ちる造りになったのは立派だ。

そして運命の場所イースター島は、常時嵐だし、地形はとんでもないことになってるし、謎の球体は出てくるしで超ヤバそう。
アフリカの王様が言っていたように、超コイル回収すれば終わりって単純な話ではないだろうし、キョーマさんの事件の記憶が途切れているのも気になるし、癖の有りそうな回収屋の活躍も楽しみだ。
かくして走りだしたDimension Wクライマックス、さてはてどう転がっていくのか。
まさに期待大ですね。