イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

Dimension W:第10話『蘇る悪夢』感想

目付きの悪い熱血漢がハードボイルド・ワンダーランドを駆け巡るアニメ、今週はいろいろ解説回。
なんでも知っているKKおじさんが色んな裏設定を語り、キョーマさんチームがみんなで頑張りつつ、クールなキョーマさんが遂にホットになっちまう回でした。
やっぱ燃えさし人間に火が入るシーンって僕は好きで、友を侮辱されトラウマを嬲られガキを殺され、タメにタメた怒りをゲッターロボみたいな作画で炸裂させるキョーマさんは、見ていてカタルシスがあった。
死体を嬲りものにするネクロマンサー系の敵は、自分では戦わねーで高みの見物だわ、死人の尊厳は思う存分踏みにじれるわ、ヘイトを集めるBOSSとして、やっぱ良い属性だな。

キョーマさんもボーボー燃え上がっていましたが、個人的にはポンコツとモグラ兄妹が頑張っていたのが嬉しくて。
記憶を取り戻してきたキョーマさんのデレの破壊力含めて、今回ミラが体を張ってキョーマさんを守ったのは、彼女が好きな僕としては、見たいものが見れたシーンでした。
ミラはあざとく可愛いだけでお話での仕事を十二分に果たしているヒロインなんですが、守られる立場に甘んじるのではなく、自力で難局をどうにかしようと言う積極性も、戦い含めて自分と向き合うチャンスを見逃さない真摯な積極性も持ってて、好きになれるキャラよねやっぱ。

イースター島に来て過去や記憶、運命と向かい合う覚悟を決めてからのキョーマさんは、喜怒哀楽の感情を前までより強く表に出すようになりました。
ここら辺は感情を生み出すカラクリ、つまり楽しい職場グレンデルや良いお嫁さんといった『思い出』や、キョーマさんが感情を押し殺し回収屋をしていた『事情』が見えてきたことが、いい影響を及ぼしているところです。
前半のキョーマさんはかなり抑えた感情描写をされていましたが、今考えると今回のデレやら大激怒やらをインパクト強く見せるための、あえての演出だったっぽいなぁ。
無論、その隙間で人間味をしっかり滲ませるコントロールができてるから、キョーマさんが優しかったり怖かったりするのが、僕に嬉しいわけなんだけど。

こっちが想像していたよりも、キョーマさんもルワイ大好き人間だったのは意外な喜びでした。
なんだかんだ僕は小市民的倫理を大事に抱え込んでいる人間なので、キョーマさんが『子供を殺されて怒る』というフツーの反応を見せたのは、凄く良かった。
無論そういうフツーの部分だけではなく、イースター島のお話の中で描写された仲間や嫁さんとの過去を玩弄されまくった、個人的な怒りがきっちり篭っているのが、熱があって良かったわけですが。
首のない死体にトラウマを刺激されてたけど、車に潰されたミラ見た時も相当ショックだったんだろうなぁ……。

KKはツダケンの煽り芸が冴えてたのもあって、『コイツは殴り飛ばさないとダメな奴』と視聴者に思わせるヘイト稼ぎがしっかり出来てて、良い敵役でした。
機械であるはずのミラがキョーマの激情殺人を止めることで、彼女の人間性を強調する流れ引っくるめて、いい仕事したなぁ……ルワイぶっ殺すことで、設定開示にも繋がるしな。
依頼主以外は全部の質問に答えてくれそうなペラペーラ加減も、まぁ設定色々公開しないと後々滞るタイミングなので大事だ。


他のメンバーもちらりほらりと自分の話を進めていましたが、二人だけでZ戦士級の戦いを始めたルーザーとアメコミヒーローが、なかなか面白かったです。
ナンバーズ・コイルはホントデタラメだな……ジェネシス・コイルはあれ以上のインチキ加減って話だが、ワープゲートに使われるぐらいだから相当なのだろう。
キョーマさんが過去を思い出したことで、ルーザーの過去との接点もちらほら見えてきており、二人の再戦が楽しみであります……戦闘しない可能性もあるけど。

島に着くなり三年寝太郎になったサルバは、そろそろ起きるのかなー起きねーのかなー、ッて感じ。
こっちもルワイを接点にして、主役たちと合流できる流れは出来てきたので、はよう起きてルワイ好き好き同盟を組んで欲しいものだ。
虚無に飲み込まれた時の回想で一回顔を合わせてるのが、その時効いてきそうね。

そんなわけで、細かい設定の出し引きをして、運命の場所で色々大事なものを取り戻しつつあるパーフェクトキョーマさん大爆発なエピソードでした。
やっぱ過去に押しつぶされ色々貯めこんだむっつり男が大爆発するのは、カタルシスあって好きだなぁ……感情が暴走しそうになった時、ちゃんと相棒であるミラが止めるところも良い。
『これまで二人のでこぼこ道厨を見守ってきて、よかったなぁ……』と思える回でした。