イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ブブキ・ブランキ:第10話『砕かれる心臓』感想

再び加速を始めた家族とロボットと青春のお話、今週はバトルに新天地に陰謀と色々盛りだくさん。
炎帝といろいろやり合いーの、パワーアップイベントから宝島にワープしーの、脳みそとして取り込まれかけーの、オカンが普通に生きていーの、新走くんが色々しかけーの。
これまでのダラっとした時間の使い方がウソのような圧縮率でしたが、色々起こって楽しかったな。

様々な要素があったエピソードですが、とりあえずロシアとアメリカのチームワークの対比が良い。
クソみたいな圧制者型リーダーであるお兄さまが足を足蹴にするのに対し、多民族融合戦隊であるメリケンチームはポンコツリーダーを信じてみんなで足蹴にされに行くスタイル。
礼央子様は身内には敬意を持ってるし尊敬もされているので、お兄様はこのアニメのリーダーとしては異質だよね。
妹達もやや引いてる描写があったので、石改めドブネズミ改め足の人たちは、この苦境にめげず報われて欲しいものだ。

エピゾは身内だけではなく東にもしっかりトスを上げるのが良いキャラで、大袈裟なバカ演技をスパイスとして使いこなしつつ、パワーアップイベントのフラグを着実に積み上げてくれた。
こういう相手に報いることで東くんも主人公ポイントを稼げるし、積極的な馬鹿のおかげで話が面白く転がるし出、つくづくいい仕事をしておる。
もうちょっとコー、概念的というか、『感情が高まったら心臓ピカーで殻がバリーでパワーアップ』見たいのを想像していたが、超物理的に拳でゴツゴツやりまくって心臓を砕いたのは、ブブキの良いところが出てて好きなシーンです。

『炎帝リベンジ→復活王舞に劣勢→ロシアの武装を奪って完全体炎帝→心臓砕いて完全体王舞』という流れを10分でやったのはやや駆け足だと思うが、絶美のおばさんが良い驚き役を担当してくれて、なかなか面白い戦いであった。
炎帝を動かす厳しさをしっかり説明することで礼央子様の株も上がるし、伏線解説することで、オモシロリアクション芸人だけが仕事じゃないことも強調できるしな。
一応鎌倉決戦の仮を返した形の勝利だけども、子供チーム相手に大人チームが本気出してないのは、良く良く見て取れるしなぁ……まだまだ炎帝との因縁は続きそうだ。
炎帝はデザイン面でのハッタリが非常に良く効いていて、画面に写るとテンション上がる良いロボなので、今後も頑張っていただきたい。


そんでもってお空に上がるんだが、完全体になった途端東をLCLに取り込もうとする王舞とか、ひょっこり生きてたママンの人の話聞かないっぷりとか、童貞力高まる視聴者の代弁者柊とか、宝島スローライフを圧縮して襲いかかる新走&外国チームとか、ホント色々あった。
詰め込みつつも、ママンのど~にもぶっ飛んだ調子とか、宝島のいい感じの自然とか、ちょっと変化が見えてきた柊と木乃亜の関係とか、見せるべき所は抑えていたのは良かったのではないか。
このアニメ、じっくり喋らせると時々言い過ぎるからな……。

最初は完璧なウッゼマンだった柊だが、鎌倉決戦が終わった辺りからどんどん可愛げが出てきて、視聴者が見たい動きを見たいタイミングでちゃんとやってくれる気持ちよさもあって、結構好きになってきた。
木乃亜と新走の関係はまぁ視聴者も気になっているところなので、朴念仁な東が聞かない以上、お前が聞くしか無いよな……その因縁確かめることで、後の襲撃シーンにも生きてくるわけだし。
東は綺麗事しか言わないし、静流は特定のキャラとしか交流しないしで、主人公チームは柊のツンチョロムーブでなんとか機能しているなぁ……。
そこを拾いに行く木乃亜も良いキャラや。

今回は新走の暗躍も目立っていて、ブランキバトルの殆どが新走のサポートで成り立っている状態だった。
絶美に炎帝を操作させ、外国チームに心臓を与える奴の狙いは一体何なのかってのは、ちゃんと気になるように話が組まれているし、実際気になる。
他のメンバーに比べ、5歳年下なのがこの独断専行に関わってるんだろうか……あんま関係ねぇか。

そして凄くヒョッコリと生きていたママンは、一見良い人っぽいけど人の話聞かないふんわり女だった。
最初『悪』として描かれていた礼央子が思いの外体を張り、信念と信頼の人だったので、『善』として描かれていたママンにも裏があるんじゃ……と疑ってはしまうな。
まぁこのアニメ、そういう予測を立てさてておいてフツーに善人だったということが十分ありえるヘンテコアニメなので、予断を抱きすぎないようにしたい。
ママンのモチベーションは宝島の秘密と癒着しているだろうから、今後明らかになるだろうしね。


そんなわけで、炎帝との決着から宝島炎上まで、一気に駆け抜けるエピソードでした。
圧縮率を上げる事でダレ場を削り、かつキャラクターが交流するシーンも適度に入れ込んでいて、なかなか小気味良い話でした。
島がボーボー燃えるヒキも良かったので、来週が楽しみであります。
……10話にしてようやく、『一話通して勢いの良さで押し切る』という、視聴者が想定していた相撲が取れた感じがあるな。