読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

「神話創生RPG アマデウス03 絶界九龍城』レビュー

TRPG アマデウス レビュー


アマデウス三冊目のサプリメント、絶界九龍城が出ましたので、レビューしますよ。

・全体的に
今回はリプレイパートをすっ飛ばしてデータ&世界設定を太らした作りになっており、大量の親神データとシナリオジェネレーションルールを盛り込んだ、遊びごたえ十分の作りとなっています。
細かいアペンドルールも多く、アマデウスを遊びつくして新しいプレイスタイルに渇いているプレイグループにも、ライトに遊びつつほしい部分を取り込む遊び方にも使える、良く遊べるサプリメントになっていると思います。

・追加ルール
データを除くと大きな紙幅を割かれているのは、アマデウスダンジョンハック的なシナリオを遊べる『絶界探索』ルールと、世界設定追加とランダムダンジョンを合わせた『九龍城』の二つ。
『絶界探索』ルールは基本ルールで提示されている遊び方とは異なり、マップに配置されたイベントを攻略し、イベントフラグを集めるとボスと戦えるという、「何をすればゲームが終わるのか」が数字化された遊び方になっています。
ボスフラグを必要数集めれば決戦になって、決戦に勝てばゲームにも勝てるという判りやすい構図は、シナリオ進行がスムーズになるいい形だと思います。

『絶界探索』ルールを遊ぶサンプルとして『九龍城』が用意されているわけですが、様々な要素が組み合わされたガオルンサイのケイオスと、何が起こるかわからないランダムダンジョンルールとの噛合せが非常に良く、ゲームプレイを引き立てる良い設定だと思います。
いきなり巨大なダンジョンが生まれても、鎧姿の騎士が出てきても、ロンドン時計塔が現れても、『まぁマジカル九龍城だしな。何出てもおかしくはねぇな』というマインドセッティングが世界観レベルで共有できているので、ランダム要素を素直に受け止められるというか、『無茶苦茶なのがこの場所なんだ』という楽しみが参加者の中に生まれやすいというか。
『九龍城』という場所が持っている妖しい魅力も、人間世界から切り離された絶界との相性がとても良くて、どんどんゲームの舞台にしたくなる求心力が強くあって、実プレイで生きるセッティングです。
初期設定として『何でも起こりうる』と設定してあることで、シナリオバリエーションの横幅を広く取れるのも、TRPGのステージとして強いところでしょう。

ランダムシナリオジェネレータールールは完全にランダムでも遊べますが、大量に追加された暗示や真実を組み合わせて使うことで、オリジナルのシナリオを作る時の補助具としても使える所が、非常に便利。
『ぱっとアイデアは思いついたけど、ゲームとしてのカタチが整わない』というのはTRPGではままありますが、今回収録されたシナリオジェネレーターを使うことで、シナリオの形式やゲーム的なデータ、物語的な起伏を兼ね備えた、結構しっかりしたシナリオが簡単に作れます。
イベントピースを六個組み合わせるとシナリオが出来るというランダムな形式も、九龍城というカオスな舞台を用意することでスムーズに飲み込めるし、違和感を楽しさに変えて遊ぶことが出来るわけです。
自分も早速、自作シナリオの補助にイロイロ使ってみましたが、明確に悩む時間が短くなり、シナリオを作りやすくなりました。
TRPGにおいてシナリオ作成は一番大変な部分の一つなので、サプリメントという公式にまとまった形で、大量にサポートしてくれるのは非常にありがたいですし、それが具体的かつ汎用的な『使える』形なのも非常に良かったです。
ランダム部分にどうしても目が行きますが、自分のアイデアを形にする助けとしても非常に有用な追加要素なので、このためだけに手にとっても十分以上に満足できると思います。


・追加データ
ハイというわけで、皆さんお待ちかねのデータ読みの時間だよ。
親神のレビューもしますので、記述形式に関しては過去記事

lastbreath.hatenablog.com


を参照してください。


◎中華神群
どっさり十柱追加された、今回のデータ的目玉。
流石に色々歴史のある神話だけあって、色んな分野に跨がる神様が大量追加ですね。
追加武装もほぼ中華専用であり、安定性4を誇る「棍」、<魔術の刃>で超強化された霊撃に楽器までついてきてデフォ火力が高い「銅鑼」と、マジ強い。
ケルト神群と同じく、最高神が隠れているマイナー勢力に落ち着いているのは、九龍城という『はぐれもののアジール』に話を集約させるための小技かねぇ。

共通ギフトは派手な効果はあまりないけれども、小回りの聞く技が多い印象。
ローコストなBS対策<薬膳>、行動タイミングを使わず「護符」を獲得できる<符術>辺りは結構痒いところに手が届く性能。
<巒頭>は<寄進>ともシナジー組めて書いてあること強いんだけど、休憩っていう行動自体がそこまで強くはないのが悩ましいね。
<武術>は命中補助というよりは、クリティカル狙いキャラが6引けなかった時のダメ押しとして使うのが良い気がする……まぁ振り直しても出ない時は出ないけど。

西王母 38.5 A
盤古も黄帝もいなくなった中華神群において、崑崙の主として主神をやっている肝っ玉マンマ神。
能力的には霊力ベースの典型的な術式屋で、ミドルでの立ち回りも困らない良いバランスに仕上がっている。
その分鉄扇はあまり強くないわけだが、武勇Cの時点で殴る役はあんま回ってこないか。
術式型なので、インガが貯まれば貯まるほど火力が出る<天勵五残>は、戦闘集団として頼りになるだろう。
頭脳も低くないの<青鳥の知らせ>を発動するチャンスも多いと思うが、思いの外コストが厳しいのには注意。
<蟠桃園>は主にBS割の方を使って、特攻効果はBOSSのタグと噛み合った時に使うと良い気がする。

斉天大聖 38.5 S
西遊記でお馴染み、おそらく日本で一番有名な猿。
気弾バトルの元祖の元ネタだったり、格闘方面ばかりがクローズアップされがちな神なんだけど、能力もギフトも神仙であることを掘り下げた作りになっていて、個人的に嬉しい。
ステ振りは判りやすい武勇&霊力型だが、<地煞星>で各種判定を踏み倒せるため、かなり汎用的な立ち回りが可能である。
聖武器である棍の性能が良いので、素直に殴りに行くスペックが単純に強い。
中華神群、いい塩梅の術式ないしね。
孫悟空の象徴と言える<如意棒>も<筋斗雲>もギフト化されており、前者は<狙撃>との相性が良く、後者は殴りの融通がきく感じ。
とは言うものの、基本的に脅威を頭っから殴って黙らせ相手の手数を減らして戦うゲームの使用上、『自分の攻撃タイミングが回ってきてから』プロットを移動できるのはそこまで有効でもないかなぁ……結局脳筋ビルド推奨かよ!

・天仙娘々 36 B
どんだけ信心なくてもお願い聞いてくれる、バブ味溢れる無節操系ガッデス。
道教系の神様が多いせいか、中華クラスタは現世利益モリモリな神様多いなぁ。
スペック的には武勇低めの平均的性能をしていて、ミドルで強くて決戦で何するか悩むタイプ。
<火球>取ろうにも属性青だしな……<孤仙>で本体殴り続ける割りきったビルドは強いが、条件に青入ってない辺り、権能広いと面倒くせぇなって思う。
コウモリさんにお願いしてクリティカルを出しやすくする<紅蝠招来>は、ゼウスなど必殺使いとの相性が良い。
<青の霞>は単体だと地味なので、ガッツリ防御の数字を稼ぐ手段や、攻撃のタゲを惹きつける手段と噛み合わせたい。

・関帝聖君 38.5 A
三国志でおなじみ、おそらく世界で一番有名な髭(コピペ改変)
例によって例のごとく、時代が下るに従っていろいろ権能がついた結果、武勇&日常型という珍しいタイプのステ振りになっている。
<狙撃>の存在により槍は強武器の仲間入りをしているので、素直に殴りに行くのが一番良かろう。
代名詞たる<青龍偃月刀>は武器としての性能は普通だが、カウンター攻撃で削りきれなかったライフに一発入れたり、面白い動きをしそうなアイテム。
ミドルの弱さを<寄進>で補い、<大福帳>で回収する賞金稼ぎコンボが楽しそうな印象。
<盃交卜>はどの真実抜きたいか悩んだ時の指針程度にはなるだろうが、真実が公開されるわけではないので盤面への干渉力が弱く、あくまでオシャレアイテム程度のギフト。

・九天玄女 38.5 A
戦術と性愛を司る、イナンナとかキュベレとかと多分同根な恐ろしき母神。
技術と日常はイマイチだが実務面は優秀という、キツめの引っ詰め黒髪女教師キャラみたいなスペックしている。
殴ってよし術に行ってよしの性能だが、武器殴りはギフト枠を圧迫しないので迷ったら武器で殴ろう。直剣は強いしね。
ギフトの方は<符術>と露骨シナジーする<霊宝五符>がなかなか面白い性能しており、あえて術式を通して妨害で止める動きも見えてくるか。
<兵法指南>で代用できる分野は自分的にはポンコツなので、他人へのサポートに使うと喜ばれるだろう。
特に偵察判定は生死に直結するので、頭脳判定が苦手な技術・日常型にとっては福音になり得る。
行動回数を消費しないサポートで状況を整えつつ、適当な脅威を殴るというサポーティブ・アタッカーという立場が一番輝くキャラなのかなぁ。

・哪吒太子 37.75 A
封神演義でお馴染み、おそらく世界で一番有名なショタロボ(コピペ改変な上にショタロボ業界にはアトムがいる)
生まれ自体が怪物殺しのバトルロボットなため、戦闘得意で日常大の苦手という、判りやすいスペックをしている。
聖武器があんま強くないのでギフト武器で補いたいが、二つあるうち<混天綾>はあまり汎用的ではないので<火尖槍>がおすすめか。
対空あるので<狙撃>できるし、怪物のスペック関係なくダメージを重ねる副次効果は強い。
『インガを置いたタイミングで1Dダメージ』は結構融通がきくと思われ、手持ちの火力では脅威を削りきれるか不安な場合に念押しで入れておいたり、色々輝く瞬間がありそう。
迷ったら本体にぶっ放しておけばいいしね。ただし1ラウンド1回制限があることには注意。
過剰火力をインガに変換できる華麗がつく<風火輪>は強特徴なんだけど、ギフト枠を潰してまで付与したい効果かと言われると悩ましい。
むしろ飛行状態を活かす仕上がりにするのが面白いのかな、<高速飛行>とか。(「対空」されて死)

・玉兎 36 S
十五夜の空を見上げれば、いつでも見守ってくれている月の兎ゴッデス。
錬丹と強い関係があるので、薬関係の能力が非常に多い。
尖ったところのない能力値配分に見えるが、神聖武器の「銅鑼」に「楽器」が付いているので命中を愛で行え、霊撃があるので<魔術の刃>で火力も乗るという、実は超殴り屋スペックである。
こうなるとフラッターな能力は器用万能な長所に変わり、隙のない強神として存在をアピールしてくるわけだ。
このビルドはすごい勢いで生命力が削れるので、<搗薬兎>で「霊薬」を仕込んでおいて自前で回復したり、ヒーラーをほかの人に頼んで補ったりしないと、あっという間に頓死したりする。
<月に跳ねる>は「パリィ1」と補助効果が噛みあったいい武器なんだが、武勇Cだと当てるのは一苦労なのよね……そもそもタゲに選ばれないと効果発動しないしな。
<美薬>も<搗薬兎>とシナジーできるが、想い1点と「霊薬」のデフォルト効果どっちが重いかは悩ましいところである。
月神なので「月」タグのギフトが多く、<災いの月光>の火力を伸ばしやすいのは強みか。

・閻魔王 38.5 A
インドではヤマ・ラージャ、日本では地蔵菩薩の化身とも言われる地獄の裁判長。
ハデスおじさんと同じく、死を司るので黒属性であり、それだけでハンディを背負う悲しき泰山府君である。
スペック的には流石裁判官という感じで頭脳と霊力が高く、普通の武勇で殴れもするスペック。
霊力活かすなら<十八層地獄>なんだろうが、コストが重い上に継戦能力に欠け、<島投げ><輝くトラペゾヘドロン>と同じロマン術式の枠は出ない。
超火力出そうと思ったら黒の覚醒段階高めなきゃいけないが、それやるとパーティーが負けるからな。
むしろ<生死簿>の「安定性5」を<二刀流>で高火力武器に付与し、確定高ダメージで脅威を着実に潰していく文武両道コンボが生きる道か。
クリティカル出せるなら短剣は火力高いからな……<武術>で補佐かな?
基本4で成功のこのゲーム、<走無常>で3を振り直すのは悪い手筋ではないが、1を引く可能性も存在しているので使い所は悩ましい。
しかし振り直して良くなる局面のほうが多いと思うので、サポーターとしても結構優秀かと。

・龍吉公主 38.5 A
封神演義でヒロインっ面してるけど、あんま道観で祀られてるの見たことない系ドラゴンガッデス。
スペック的には霊力高めの文武両道キャラであり、パオペイ使いの仙道キャラらしい能力値しているといえる。
ギフトも軒並みマジックアイテムであり、<二龍剣>は命中を霊力で踏み倒せるナイス武器……って言いたいところなんだけど、武勇一応Bあんだよね。
むしろ色んな能力値を要求される防御判定に使って、生存性を上げるのが賢い使い方かもしれん。
行動ごとにジワジワ削れる<霧露乾坤網>は強く見えるが、このゲーム敵を動かさずに圧殺するのが基本戦術になるので、見た目ほどは強くない気がする。
<四海瓶>はあまりにピンポイントであるがゆえに強いため、<失われた物語>でコピーして個別メタを張るのにはベストな性能をしている。
<変身>でタグ書き換えして、強制的に無効化対象にして押し切るのはオシャレでいいな。

・猫将軍 38.5 B
起源もよく解らなければ権能も山盛りという、神様っていうか妖怪なんじゃねぇのこの猫! 系ゴッド。
スペック的にもB盛りだくさんのフラットなスペックしていて、弱点らしい弱点がない……長所もないけど。
聖武器の方も丸い性能した「フレイル」で、どう作れば活躍できるか腕の見せ所なゴッドと言える。
<猫の洗顔>はオマケ効果としては強いが、これ一本で戦えるわけでもないし、嘆願判定するときって大抵負けてる時なんで、<命の錨>も使いみちイマイチ分からんしなぁ……。
インガと引き換えに安定を買える<猫の予言>は強いが、<親神の支援>などで達成値を盛っておかないと成功はしないので、ちょっと注意が必要。


ケルト神軍群
ケルトに発祥しヨーロッパに広く影響を残す、古き民族の神々。
ルーン文字が難しすぎて読めない』という弱点があり、あっという間に衰退したらしい……が、それにしたって二柱は少なすぎだろオイ!!
ルーもアリアンロッドもモリグーもマッハもネヴァンもヌァザもノーデンスもダグザもケルヌンノスもいない、超歯抜け状態での参戦となったのは残念無念である。
アーサー王伝説や赤枝騎士団絡みのあれそれで、やりたいネタは結構ある神群だと思うんだけどね。
公式が提示する『滅び行く種族の代表として、スーパーヒーローをやれ』っていう立場はなかなか面白いと思う。
二柱ともに超実戦級の強ゴッドなのは、性能面では悩みが少なくなってありがたい限り。

共有ギフトは北欧に似た攻防一体の実践型で、ブラウニーを呼んで武器を直してもらう<お隣さん>と<内蔵武器>のシナジーとか、なかなか面白いと思う。
「独立」タグ持ちの脅威は結構いるので、<ファールの石>が刺さるタイミングは見た目より多い。
確実性を増したいなら<変身>かなぁ……タグ利用のギフトが増えたんで、<変身>を活用できる局面も増えてきた気がする。
<誓約>は追加ルールである「怪物の協力者」との相性が良いが、何しろシナリオをクリアしないと効果が薄いので、キャンペーン等で効果を発揮するんじゃなかろうか。

・オグマ 41 S
武神にして文字の発明者という、オーディンに近い属性を持っている怪力ゴッド。
万能神に近い逸話を反映して、能力値の方はハイスタンダードにまとまっており、穴も霊力で立ち回りが判りやすい。
つまり直剣握ってボッコボッコに殴りに行けばいいのだ。脳筋バンザイ。
ギフトの方はクリティカル出れば20点位確定で削れる高性能武器<謳う魔剣>がエグい。
武器としての性能だけではなく、補助効果で追加行動取れるのも強いんだよな……デフォで愛高いし。
<オガム文字>は行動回数を消費しないタグ書き換えなので、様々にシナジー可能なえげつなさ。
ルールブックをひっくり返して、<失われた物語>でどういうマンチコンボをぶっ込むか、色々悩むがよかろう。
<オグマの怪力>は悪い性能ではないんだが、失敗をフォローするより成功の価値を跳ねさせたほうが勝ちが近づくゲームなので、ちと悩ましい。

ブリギット 43.5 S
炎に詩に鍛冶にと色々司り、処女神なのに豊穣神というバグ起きそうな属性背負っている炎の女神。
ケルト神群の弱体化を受けて、ダヌまで取り込んでいる過積載っぷりである。
そこら辺の影響を受けてか、こちらも能力は高め安定術式よりのスペック。
杖は殴り武器としては微妙だが、<魔術の刃>で強化すれば一線晴れる殴り屋である。
ギフトも強力なものが揃っており、味方が行動不能になった瞬間大火力をフリーで叩き込める<嘆きの炎>のフィニッシャーぶりが頼もしい。
何かと死にたがる北欧神群とか、自傷がそのまま力になるホノカグツチの神子とかとの相性は、結構いい気がする。
<癒やしの炎><勇気の炎>も優秀なヒーリングギフトであり、特に行動タイミングを使わず黒インガを焼ける<勇気の炎>はすげー強い。
『黒インガを焼いていくか否か』はパーティー全体のコスト管理に関わってくるので、結構難しいところだけどね。


◎ギリシア神群
こっからは追加共有ギフトと、既存神の追加ギフト、追加親神のレビューを書いていきます。
火力とユーティリティ性能を兼ね備えた<南風>は<星乙女>と悩むところだが、戦場支配率からいうとこっちのほうが性能は高いだろう。
<果実><ネクタル>は今回強くフューチャーされてる「食べ物」絡みのギフトであり、ヘスティア辺りと相性いいのではないか。
このゲーム何かと親神がへそを曲げることが多いので、<調和>は案外強いと思う。

既存神の追加の中では、特にやることなかったアフロディーテに<美神の誘惑>が追加され、敵の火力を逆手に取ることが可能になった。
本体しかタゲに取れないけれども、敵が強くなればなるほどこれ一本で食える性能をしているので、アフロディーテの神子は迷わずこれでいい気がする。
他にも潰しが利かなかったヘルメスが<飛行靴><魔術の刃>で殴り屋やれるようになったり、ヘスティアが<里心>で高火力コントロール術式を手に入れたり、足らない所を補う追加が多い。
<海妃>で爆弾投げまくるキャラも面白そうなんだけど、ポセイドンデフォで強いからな……これも<失われた物語>候補かしら。

ヒュプノス 41 A
死と背中合わせの眠りの神であり、クトゥルフ神群と敵対してたりする安眠神。
全体的にハイスペックでまとまってんだけど、武器が杖なんで<魔術の刃>で補わないと殴り屋としては微妙。
ギリシャはいい術式揃ってるので、アストライアで焼き殺すなり、ノトスで押し流すなりしてもいいけどさ。
ギフトは全てオネイロイ三兄弟であり、かなり変則的な性能をしている。
このゲーム行動不能を起こすのはけっこう大変なんだけど、<人の夢>で直せるのは強いっちゃあ強い……んだけど、行動回数持ってかれるから大変よね。
補助タイミングで攻撃力を削れる<獣の夢>はなかなか強いが、条件が『黒のインガを置く』という負けに近づく行為なのは、結構悩ましいか。
<非在の夢>がタゲに取れるタグは幅広いので、<変身>などのサポートがなくても初移動条件に引っかかることは多いだろうし、効果も強い。

タナトス 41 A
冥府の方からやってきたデスゴッドであり、ハデスおじさんの職場仲間。
死を司る親神の宿命として黒属性であり、それだけで取り回しが難しい。
兄であるヒュプノスと同じくスペックは高い所でまとまっており、神聖武器も癖なく強い。
BS割の<青銅の心>は地道ながらなかなかよい性能をしていて、黒コストではないのも周囲に優しい感じ。
残り二つは黒コストゆえの強さを誇っており、条件が全部揃うと7Dくらい振れる<絶命剣>とかナチュラルに強い。
<死への誘い>と<霧露乾坤網>で防御成功するたび6点削りは夢があるが……他のPCとタッグを組むか、<失われた物語>で自前コンボするか悩ましいね。


◎ヤマト神群
わりかし横幅広いギフトが追加。
散々底辺神呼ばわりされてきたウケモチが<多邇具久>との食料友情コンボで輝くかと思ったが、調査判定したい時って大抵ダメージ受けてないので<食物の種>発動しないんだよなぁ……。
結構安く補充できるので、特にシナジーとか考えず使ったほうが<多邇具久>は強いかもしれん。
偵察判定は特に生死の分かれ目になるので、強くて困ることないしな。
低コストで優秀な判定サポになる座敷童>、介入ついでにインガが稼げる<神楽>など、小回りの効くギフトも強い。
<破魔矢>も霊力型待望の高火力術式だけど、タグ条件から考えると三貴神、特にツクヨミが使うのがベストかな。
<親神の恵み><八尺瓊勾玉><破魔矢><星座>で4Dか……悪くはないかな。

追加親神ギフトに関しては、軽い縛りで瞑想を行える<瞑言>が<無言参り>とシナジー……なんだけど、HP回復してヒトコトヌシが何するかって問題があってな。
気楽に想いを稼げる<昏き輝き><異性装>、ファンブルするとオマケがもらえる<千倉の置き戸>と、三貴神は軒並み痒いところに手を届かせた感じだ。
<裸神楽>は「恥辱」対策を積んでいないと有効に使えないわけだが、発動条件の割に効果が劇的ってわけでもなく、ウズメは相変わらず環境に愛されてねーなッて感じ。

コノハナサクヤ 41 A
オオヤマツミの美しい方の娘であり、富士山大爆発の化身でもあるデンジャーガッデス。
聖武器が一回使い切りの「爆弾」ということからも判るように、色々ピーキーな親神であるが、能力の方は高値安定。
<桜花>を最大限活かすためには「爆弾」を当てたいけれども、武勇Cが悩ましい所だ……「魚の身体」で潜水状態取って強制命中……かなぁ……当たれば6D+αの超ダメージなわけで、狙う理由は十分にある。
爆弾が命中しなかったとしても、<桜花>は攻撃術式として悪くない性能をしているので、これを軸に殴っていくのが良いと思う。
<炎の産屋>で戦果表を操作して、コインをたっぷり稼いで「爆弾」を買い溜めるコンボもなかなか強力だろう。
<天舐酒>は書いてあること強いが、案外「食事」を取れるタイミングって多くないんだよね……今回「食事」フューチャーしたギフト多いので、<かまどの女神>の値段上がってんのかな。

・キビツヒコ 38.5 A
日本人なら誰でも知ってる、桃から生まれた英雄神。
能力もギフトもスーパーフラットな感じで、器用貧乏になるか無敵万能に立ち回れるかはビルド次第って感じ。
<3つのしもべ>も<きびだんご>も横幅広い性能しているが、これも「食料」をコストにするため、どうにか供給源が欲しくなるね……<野外調理>か。
愛の低さを<きびだんご>の第一効果で補えるようになっている辺り、隙のないスペックをした優秀な神といえる。
素直に<狙撃><二連の矢>で英雄級スナイパーに徹して、殴り倒す作りは当然強い。


◎エジプト神群
魔術の本場からは色々な効果を持ったミスティック・アーツが多数到来。
ただでさえダメージを削り取る「重傷」を利用し、さらに火力を重ねられる<セパ>を軸にした毒殺キャラは、面白くて実践的なスペックになりそう。
毒といえばセルケトなので、<毒の女神>と合わせてゴリッゴリに毒殺する方向で微妙ゴッデスの汚名返上なるか。
<セパ>とシナジーできる<シャイ>は「霊薬」が条件になるので、こっちはタウエレトと相性が良い。エジプト毒殺チームの時代が来るのだろうか。
<生命のアンク>は<聖なる塗油>との相性も良く、<心臓の焚き火>で行動消費をキャンセルできるようになったので、タウエレトも強くなったなぁ。

親神追加ギフトは全体的に地味。
<天の河馬>でも「霊薬」を消費するので、タウエレトはスキル枠とアイテムスロットがどれだけあっても足らないキャラになりつつある。
<猫の瞳>は強ギフト<癒やしのシストラム>と自前でシナジーを組むため、HP削るギフトが増えてきたこの環境だとかなり強いと思う。
<天の主人>は書いてあることは強いが、能力見るだにホルスは素直に殴ったほうが素直に強いわけで、使い所は悩ましい。
アヌビスおじさんの<死身合一>は書いてあることは強いんだけど、妨害はコストが高いのと後手に回る行動なのがなぁ……このゲーム、能動的に状況を制圧できるスペックが強いよ、やっぱ。

・ウアジェト 38.5 A
蛇神であり、コブラが多数生息していた下エジプトで守護女神していたファラオの後見人。
スペック的には霊力高めのフラットな感じで、飛び抜けたところはないが判りやすいスペック。
性能はエジプト神群らしい実践性と特殊性を併せ持っていて、飛行状態によるダメージ軽減とカバーリングを併せ持つ<翼持つ蛇>は一線級のディフェンス技能。
貰ったダメージは<星座>でキャンセルしたりすると、更に面白い感じだ。
<燃え上がる蛇>と<セパ>のシナジーも面白いんだけど、自前でやってると一手遅いんだよな……やっぱエジプト毒殺軍団を設立するしかねぇな。(己のマンチ実現のために他PLを巻き込む厄介爆誕)
発動条件はきついが<大いなる魔女>の行動回数キャンセルは強いので、<半妖精>のパクリネタとして有力候補になる。

・ケプリ 38.5 B
スカラベの王であり、日の出の守護者として太陽神を後見するもの。
神の宮廷ですら後見人が山ほどいるところに、古代エジプトの政治がどういう力学で動いていたか垣間見えて、結構楽しい。
スペック的には平たい感じながらも、ミドルで使う愛と頭脳が軒並み低いという困った性能。
自前でどうにかする手段は薄いので、<寄進>辺りで補うのがいいのかなぁ。
ギフトはわりと地味めな性能していて、回復とダメージ軽減に特化したクレリック系ゴッドといえる。
低コストながら着実に回復できる<命の日の出>は、地味に戦線を支える良ギフト。
<神秘の玉>はどんどん大きくしたいものの、糞転がすのに夢中になりすぎてシナリオ進行に支障が出ては元も子もないので、<心臓の焚き火>などと巧く併用したい所。


クトゥルフ神群
相変わらずヤダ味溢れるダークネスなギフトが満載、外津神たちの追加データ。
<冒涜的な触手>はミドルでも愛を育む助けをしてくれるし、戦闘でも<魔術の刃>で火力を出せるグッドギフト。
セッションがヌトヌトするのは必要経費と割り切れるなら、取る価値は十全以上にある。
例によってHPがゴリゴリ削れていくので、そこら辺を補う手段はほしいけどね。
潜水状態の自動命中は非常に強力なので、<インスマンス面>も低めの武勇を補う良特技。
これもセッションがギョホギョホしてヌメヌメしてくるが、まぁクトゥルフだしな。(万能の言い訳)
経験点をちまちま稼げる<手記>はキャンペーンに投げ込むとなかなか面白い動きする気がする。

親神ギフトは何はなくとも<風に乗りて歩むもの>が最強に強まっており、判定支援と強武器が一挙に獲得できるゴッドギフトといえる。
ぶっちゃけハスターは性能微妙なんだけど、属性が緑なこともあって、これ一本で一気に一線級に踊りでた感じがある。
対空があると言うだけで<狙撃>とのシナジーが組めるので、時代はイタクァ・スナイパーを祝福しているネ。
<みんな仲良く>は色んな意味で仲良く(隠語)なれる良特技だけども、HPの飛び方も尋常では無いので腹上死には要注意だ。
敵の火力をこちらの強みに変える<クトゥルフの呼び声>はやっぱ無条件に強いし、盤面に介入できる<捻れた時間>も超強い。
<アザトースの種子>も<闇をさまようもの>も強いっちゃ強いが、黒コストはそれだけで足かせになるので、実戦投入は厳しいかな。

・アトラック=ナチャ 33.5 C
糸と意図と運命を操る蜘蛛の女王であり、女子高に潜入して黒髪ぱっつん姉様になって資産家の娘を助けたり出来るゴッデス。
能力値は『寝てんのかテメー』と言いたくなるほど低めで、パッと見何したらいいかまじわかんねぇ。
オマケに神聖武器は投げ縄と、運命に嫌われているとしか思えない微妙なデフォルトスペックである。
<糸の架け橋>は優秀なサポートだが、決戦フェイズに役割を持てないのは困ったものだ。 
<境界の網>にオーラ付いてるのは強いんだけど、いかんせん火力がな……。
<不屈の闘志>で基礎火力をブーストしようにも、黒属性がむっちゃ足を引っ張るという、玄人好みの性能(色々配慮した表現)になってますね。

・ダオロス 38.5 S
時間と次元を超越する謎めいた神であり、ぶっちゃけ俺も『誰だっけ……?』っておもったマイナーゴッドまさかの参戦……キャンベル系わっかんねー。
スペックは必要な要素が高めでまとまっており、偵察や調査で使い倒す頭脳がAなのが非常にグッド。
ギフトも強めなので、術式型よりも直剣で素直に殴って、スキル枠をサポートに回すのが良いだろうか。
バステと引き換えにダイスを振り直せる<真実の光>は効果に比べてコストも高く、最近はバステ割ギフトも増えてきたため、非常に強い。
あとこのゲームで一番大事な偵察判定を先回りして行える<過去への旅路>はまじで書いてあることおかしいので、ゲームをぶっ壊したいマンチ諸兄にとっては<失われた物語>筆頭候補に躍り出る性能。
いや、普通にとってもいいけどねこの性能……サイクル2としても2枚剥いて、自分が頭脳Aで偵察開始だもんな……壊れマジ壊れ。
<次元の亀裂>はランダムな面制圧が可能な術式であるが、黒黒コストな時点で色々立ち回りを考えないといけないので、やっぱ素直に殴りつつ強サポでゲームを制圧する作りが良かろうよ。


◎北欧神群
・フレイ 44.5 S
ヴァン神族のお騒がせ兄弟の兄の方であり、世界で一番美獣R系なビューチホーゴッド。
世界に愛された美貌が反映されているのか、北欧神群らしい高性能な万能能力を誇る。
技術だけ低いけども、<親神の恵み>とかで補いつつ立ち回れるだけの基本スペックは十分以上にある。
ギフトはみんな大好き<フレイの宝剣>が単純に武器として強くて、例によって<狙撃>で火力を伸ばせる対空Aがありがたい。
補助効果もピンポイントで刺さった時の効果が絶大で、脅威1個を実質無視できるのはマジで強すぎる。
効果がタグ依存なので、<変身>をミドルで使用して制圧状況を自発的に作っても問題ないくらいに強い。
<恐歯の猪>を最大効率で回したければ、相手を潜水か飛行にする必要が有るため、ポセイドンとのコンビ打ちしたりすると強いかな。
<妖精の支配者>はこのサプリで追加された『特定の出目を振り直す』ギフトだが、5の目はだいたい成功を拾えているはずであり、振り直す必要があるタイミングはそう多くないはず。
チートスペックの北欧の中でも、相当な強神と言える優秀な親神。

フレイヤ 38.5 A
ヴァン神族のお騒がせ兄弟の妹の方であり、北欧神話が世界に誇るロイヤルビッチ・ガッデス。
多情で奔放な性格は愛Aで思う存分発揮されており、霊力も高め。
ミドルは交流で想いを貯めこみ、決戦では<戦いの猪>をおもいっきりぶっ放すのが出来る神話級ビッチスタイルになるのかなぁ。
愛の深さではなく愛の数で威力が決まる辺り、フレイヤのビッチ性をよく表現したギフトだと思う。
低い命中と移動判定を補える<猫の戦車>、神話級誘い受け力を発揮できる<黄金の輝き>も能力値と噛み合っていて、色々立ち回りのパターンがある親神といえる。
想いを稼ぐだけではなく、それを決定力に変えれる辺り攻め有利なゲーム性によく合ったスペックよね。


◎汎用ギフト
ともすれば親神や神群ギフトより強い、全員共通のギフト。
タグ限定のギフトや武器特徴ごとのギフトなど、色々な効果が出るギフトがたくさん追加されました。
これまでハズレ武器筆頭だった「杖」が殴り武器として輝き出す<魔術の刃>、ターゲットは絞れないが面制圧可能な<乱れ打ち>、軽減量の大きい<受け流し>など、武器特徴ごとのギフトはどれも結構な性能。
タグ限定の中では、<災いの月光>が結構な火力支援となり、優秀です。アルテミスや玉兎といった月神との相性が良い。
<恐ろしき者>も書いてあることは強いけど、黒黒コストが重たい感じ。
アイテムがコストに組み込まれたり、アイテムを強化するギフトも増えたので、<専門装備>で数を持ち運びできるとかなり強いでしょう。
術式使いは<神との語らい>で行動タイミングを稼げると、シナリオ進行を圧迫せずパーティを支援できるようになるので、便利かもしれません。
他にも汎用的に自身を強化できる<高速飛行>や、アイテムをコストに状況を変えられる<名探偵><心頭滅却>など、相変わらず優秀な性能を誇っています。


◎背景
新背景・取り替え子が追加され、既存の背景にも3つづつギフトが追加。
全体的にそこまでゲームを支配するギフトはありませんが、真実を条件に状況を有利にできる<真実開放>や、交流の効果を上げる<純心><恩返し>など、汎用性の高いギフトが多数追加されています。
黒インガの蓄積によるゲームエンドを回避してダメージに繋げられる<終わりの始まり>や、異骸が装備できる様になる<伝説の獣>など、ルールを飛び越える効果のギフトも結構あります。
<合体変形>によるタグの書き換えは、すでに「特攻」「軽減」を付与された装備を持っていないと意味が無いので、ちょっと注意がいるかな。
<合体変形>は自分自身の封印をコストに出来ると思うので、任意タイミングで発動可能なHP回復手段として単純に優秀でもあるね。

・取り替え子 6.5
今回のサプリで追加された新背景であり、神に愛され異界に攫われた過去を表す背景。
現実世界に置き去りになった<魂の双子>が存在し、巧く拾うといい具合にシナリオネタになると思う。
「限定シフト」という特殊な能力向上手段を持っているが、Sにならなくても十分強いゲームなので、そこまで制限がかかるわけではない。
ギフトはプロット操作可能な<入れ替わり>、美貌で相手を惑わす<妖かしの美貌>、魔術コピーの<半妖精>が追加。
<半妖精>のコピー条件になる「魔術」タグは、結構な数がああるのでプレイ中現場で調べるのではなく、事前に洗い出して目星をつけておきたい所。
<トトの書><心臓の焚き火><神殺しの魔弾>あたりが第一候補かなぁ。


◎まとめ
というわけで、データたっぷり、シナリオ制作サポートいっぱいの、食べごたえ十分のサプリメントでした。
みっしり詰まった新データの誘惑に目が泳ぎ勝ちになりますが、追加設定である九龍城が非常に魅力的で、ゲームしたくなる魅力に満ちた舞台なのが自分的には一番いいかなと思います。
ゲームプレイの敷居を下げるシナリオ制作サポートが実践的なことも、明日のプレイを盛り上げてくれる良い要素だと思います。
非常によく出来たサプリメントなので、みんなも遊べ、アマデウス