サクラクエストを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
映画撮影編後半つーわけで、真希ちゃん軸にPTメンバー全員が交流し、見せ場がある回。
外部から来たモンスターに何か大きな変化があったわけではないが、真希ちゃん達の内面には確かな変化が刻まれた。そしてパジャマ姿のしおりちゃんは核爆弾だった。勝負しに来たな…。
今回は早苗ちゃん回よりは画角の広い話で、真希ちゃんを掘り下げつつも色んなキャラの色んな部分を掘っていく感じ。その横幅の広さがキャラの交流にも繋がってて、『色んなやつがいる楽しさ』が強く出てたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
無論それは何らかの共通軸があって初めて意味を持つ。今回で言えば『学校』か。
凛々子がプルプル震えているところから始まり、演劇人の先輩として真希がアドバイスするところから今回の話は展開していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
代わりをやればいいってわけではないことを見れるのは、前回早苗ちゃんがガツンと言って真希の目が開いたからだ。ポジティブな変化がリレーされていくのは、見ていて嬉しい。
真希と凛々子は学校という『場』、そこに閉じ込められている『過去』を共有する。これは先週凛々子としおりが試験勉強の話で共有していたものと、同じ匂いがする。ローカルで、ノスタルジックで、痛い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
一時離れたとはいえ、真希にとって間野山は地縁と血縁に繋がる『地元』だ。否定しても消えない。
演劇への思いと同じ心の炎。もしくは思い出。そういうもので、仲間とちょっと繋がりを強くしつつ、真希は時間旅行に出る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
あらゆる『場』に刻まれた思い出を幻視し、『過去』と『現在』がシームレスに繋がった間野山の旅。切れ目がなく幻想的な演出が、切れ味鋭い回想シーンだった。挿入歌も良い。
真希の目に過去が見えるのは、間野山が特別な場所だからではないだろう。監督や国王にとってはボーボー燃やして構わん田舎なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
そこで特別なのは、真希が生きてきた思い出そのもの、それに向かい合う真希自身なのだ。タイムマシンに乗ることで、真希は自分の中の真実を再生させていく。
過去が再生することで、現在を受け止める足場も変化し、そこから伸びる未来も方向を変える。精神的Uターンを果たして、真希は父の真心に向かい合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
自分のことしか考えていないと思っていた父が、実は自分を見守ってくれていたことに気付けるのは、『場』に込められた『過去』を発掘した成果だ。
真希はタロットを引かない。即物的なその選択肢はフェイクで、本命は『DVDを見る/見ない』『過去と向かい合う/合わない』『父と間野山と演劇が好きだった自分を思い出す/思い出さない』だからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
幻想と現実をシームレスに漂う回想シーンが、そういうウェットな選択肢を巧く支えている。
選択を済ませた真希は当事者として舞台に立ち、偽物/敗北者/代理人のまま火宅に飛び込んでいく。それは炎の洗礼であり、真希が過去を受け入れる最後の禊である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
早苗が彫刻を足場に逃げ出した自分を肯定したように、真希は撮影を通じて間野山と家族と演劇と自分を再発見し、受け入れる。
そういう内面的足取りが大事なのであって、外部に結果がどう出力されるかは、少なくともこの段階ではあんま大事じゃないんだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
ぶっちゃけ、さんざん引っ掻き回した監督には『何か』あってほしかったが、とっとと帰った。そういうやつもいる。クソ映画の金字塔になりそう。
打ち上げもせずにさっさと帰る外部を、悪い部分も良い部分も平等に描いたのは良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
現場の連中はメシ貰ったら礼言えてたし、主演俳優も迫真のゾンビだった。イケメン売りなのにゾンビやらされて、大丈夫なんだろうか。根性爆弾の萌ちゃんは言うに及ばずである。いいヒロインやった。
実は内部と外部の衝突はPT内部で起きていて、そして爆発はしなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
時に怜悧で想像力がなさすぎる国王と、だんないだんない言いつつもドロッとした情念を秘めてるしおり。今回巧く起爆回避したこの地雷は、しおりメインの話で大爆発しそうな予感がある。薄暗く楽しみだ。
『結局田舎は逃げ場所で、ここの問題は他人事なんでしょ?』というしおりの言葉…内部からの告発は、お話全体を貫通する大きな軸だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
それが回転するための仕掛けは、既に色々用意されている。とっとと帰る撮影班。好き勝手出来る砂場としか、間野山を見ない連中。
国王PT内部にすら
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
外部 由乃、早苗
内部 しおり、凛々子
内部-外部 真希
という、立ち位置の対立が仕込まれている。
この初期配置から個別エピソードを経て、担当キャラが自分を見つけて変化することが、対立と融和の物語が転がる足場になったりもする。
早苗ちゃんは『当事者ではない外部』でしかない自分を見つめ直し、『外部だからこそ内部に特別な影響を与えうる当事者』として足場を確立した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
真希は過去と現在を行き来して、『外部を経験し内部に戻ってきた経験者』として自分を肯定した。その変化は、仲間にも波及していく。
『内部を過剰に保護しようとする当事者』であるしおりの重たさは、今回の廃屋を巡る攻防(正確には、その果てに出たキツい本音)で見えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
真希と絆を深めた『外部に憧れる内部』たる凛々子と合わせて、どう崩して再構築するのか、結構楽しみである。仲良しで安定させつつ変化はある、いいバランスだ
過去へのマインドトリップは、『柱の傷』の喚起力を使ってしおりも旅立っていた。増えない傷を見せることで、おばあちゃんの『死』をクッションかけて見せる演出が好きですね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
しおりの柔らかな母性は、魅力であると同時に鬼子母神の如き重たい愛でもある。個別編面白くなりそうだなぁ。
危うい予兆をはらみつつ、ガーリィでハッピーなパジャマパーティーをやって、良かったんだか良くなかったんだか冷静に考えると分からなくなる撮影をポジティブにまとめたのは、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
とにかくしおりの火力がパネェ。不公平なデザインしやがる…後ろ向きで少女趣味なのよね、しおりちゃん。
女たちはPAっぽく、かなりガツガツ当たっているんだけども、見ている側にそこまで後を引かない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
食ったり飲んだり話したり、どーでもいい日常を楽しく共有しているシーンが多くて、ハードな衝突を吸収する緩衝材が関係の中にちゃんとあることを、見て取れるのが大きいか。
地面に足をつけて、日々を重ねていくこと。地層のように積み重なった『場』の記憶が、何かを動かしていくこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
話が先に進んだ時、厳しい試練が国王達を襲った時、多分あのパジャマパーティーを彼女たちは思い出す。今回真希としおりが歩いた時間旅行のように、女たちのくっだらない時間を思い出す。
そういう形がなくて泥臭い、『場の記憶』とでも言うべきものに何が出来るのか。間野山はどういう場所なのか。地縁と血縁はどういう歪みと強さを持っているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
真希の過去と現在を掘ると同時に、話全体の未来をスケッチする話でもあった気がする。それが炸裂するか不発なのかは、先を見なきゃ解らん
個別の人格と問題を抱えた女たちが、時に大きく変化し、時に小さく影響し合いながら、ジワジワと自分を変えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月17日
個別エピを二回やって、自分なりの作品の醍醐味みたいなものを感じ取れたと思います。このじんわりとした味わい、地道な物語的種まき、俺は好きですね、とても。来週が楽しみです。