ラブライブ! サンシャイン!!を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
一年以上のブランク明けて、浦の星のパンクス集団が帰ってきた!!
明るくおバカな日常の合間に、超重力の感情が迸り、ナマっぽい歯触りの難題が立ちふさがる。
心理主義で結末付けるのが難しそうな主題を表に出してきたが、さて青春はどんな音を鳴らすのか
というわけで、思いっきり『二期!』って感じの出だしである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
心の赴くままにぶっ放した"MIRAI TICKET"は現実と規約に風穴を開けるに至らず、Aqoursは敗退した。そういう一期の始末を語りつつ、ハードな感触の現実を前に小娘が何にもできない状況に、いきなりダイブしていく。
出来る努力はした上で、引き伸ばしに引き伸ばしてリミットがやってきた統廃合。都合よく無限の時間が用意されているわけではない状況で、『ネクストステップ』を夢見て前を向く一年・二年の呑気さと、三年の湿り気の対比。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
何にもできない状況で、では諦めて終わるのか。いきなりクライマックスである
ここで千歌が、一期の物語を通じて最後に身を委ねた衝動主義に帰還するのは、なかなか興味深い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
周りに迷惑をかけても。取り返しがつかないほど時間を出血させても、千歌はあそこで『みんな』をステージに上げたかった。『ラブライブ』を破綻させ認められなくても、己の胸の高まりを信じた。
それはある意味やけっぱちだ。何にもないから、唯一自由になる心と情熱だけを武器に、裸一貫で戦うしか無い貧者の理屈だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
バスが日に三本しか無い、非常に生々しい過疎の現実を、サラッと写すカメラが、千歌をエンジンに進むAqoursの無力さを強調している。
正直第一話からここまでどん底に落とすとは思っていなかったので、結構当惑している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
μ'sが(現実世界も含めて)生み出した『奇跡』…心象風景の作品世界への侵食は、Aqoursには不可能であると、現状丁寧に言われてしまった。Aqoursは『気持ちだけでどうにかなる』段階を超えたのだ。
こっからどう運ぶかは当然展開次第なので、Aqoursの我武者羅やけっぱちが何かに火をつけるかもしれないし、都合よく自体が変化するかもしれないし、現実の固さを前に貧者の斧はぶち折れるかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
どういうレスポンスが帰ってくるにせよ、今回で『気持ちしか無い』無力さがまず出てきた。
『0を1に、1を10に、10を100に』という地道なやり方は、時間が無限にあるなら有効だろう。しかし今回、タイム・リミットが存在していること、そのための時間を千歌の衝動主義が削ってしまったことが描写された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
現実を取り巻くシステムを無視して欲望を滾らせるだけでは、道は開けない。
しかし千歌は相変わらずバカ千歌で、夢ばかり見ている。ここから千歌が変わっていく物語になるのか、世界のほうが変わっていく物語になるのか。それも判別はつかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
ともかく、時間は有限で、夢は無力だ。ラブライブが肯定していた『輝き』とか『奇跡』とかを踏みつけるような、重いスタートである
こうしてまとめてみると、序盤に『いつものAqours』『いつものラブライブ』を並べて来たのは、ファンサービスと変革されるべき現状の確認のあわせ技なのかな、とも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
僕らの好きなあの名ゼリフをクドいくらいリフレインさせるのは、それが通用しない新たな敵を前に、使い切っておくためか。
それとも、一期でねっとり重たい感情と格闘しながら掴み取った『いつものAqours』は、相変わらず有効な武器足り得るのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
果南が鞠莉の変調に手早く気づき助け舟を出し、千歌梨子が相変わらず二人の聖域(サンクチュアリ)で心を通わせる。親しい距離のメンタルケアが有効そうな気配はある。
梨子が突然戯画化された『普通怪獣』を演じるシーンは、切羽詰まった狂気が(多分狙わず)宿っていて、ギリギリ感があって良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
一期で確立した『いつものAqours』を丁寧に潰されて、梨子も出口がない。未来が見えない。でも、それでも千歌が自分らしさを見失ってしまっているのは嫌なのだ
重たい波にさらされて、それでも残る特別な感情。女と女が見つめ合い、手を取り合い、心の繋がりを確かめていくシーンの煌めきが、現実を改変しうる最後の光だ、ということなのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
だとすれば、それを試す試練は全体的に重くなっていく気もする。さてはて。
クレイジーなくらい無邪気で、幼くて、柔らかな。戯画化されたガーリッシュがラブライブ!の強さだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
今回それは軽い狂気として描かれ、あるいは身にならないおやつとして場面に色を添える。ルビィちゃんがうゆうゆしても、ずら丸が腕立てできなくても、その微笑ましさは現実を動かさないのだ
ここまで積んだ自分たちの武器、『いつものAqours』『いつものラブライブ』を瑞々しく再演しつつ、その無力さを丁寧に確認し、突破できないもどかしさでエピソードを満たす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
なかなかおもしろい方向に舵を切る第一話。パンクス達が社会に突きつけた中指に、世界がキツい一発を入れた形になった
それでも。アメリカになんて行けない現実の中で、千歌はAqoursとして手に入れた衝動だけが最後の武器だと信じ、負け戦から撤退はしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
一期はシリーズへの批評性が『μ's伝説の再話と克服』に向いていたが、二期はその矛先がAqoursとラブライブの夢想主義に向けられている印象だ。
μ'sが劇場版でどこに向かい、どこでライブをして、その結果世界が何色に塗り替えられたかを思い返すと、『アメリカになんて行けない』のはちょっと面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
ずっと『μ'sじゃない話』をやろうと悪戦苦闘してきたAqoursは、二期になってもまだまだ戦っていると、僕は受け取った。
μ'sが現実を巻き込んで起こしてしまった奇跡の影は、恐ろしいほどに長く重い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
一期の物語でかなりのウェイトを傾け、『μ'sとはなんであり、Aqoursとどこが違うのか』を語った後の突破口は、μ'sのようには(作中の)現実を突破し得なかった。子どもたちは無力だ。
それでも。旅路の果てにたどり着いた自分だけの光が、嘘ではないと信じたから、あのステージがある。無力さを思い知らされてなお、足掻けるだけ足掻こうという決意もある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
世界が焼け野原であること、夢で花は咲かないことを確認した上で、それでも荒野に踏み出す物語が始まる…のかなぁ?
ラブライブは過剰に心理主義的な現代のお伽噺で、問題は常に心的状況にある。心が整えば、色々なんとなかってきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
サンシャイン二期がその伝統に立ち返る可能性も、そこから離れて別の答えを叩きつけてくる可能性も、等しくこの第一話からは広がっていると思う。どっちになっても面白そうだ。
ぐっと下げ調子でまとめてきた今回を、どう接合し膨らますのか。少女達のハッピー・ハードコアな交流メインで切ってくるのか、無力さを飼いならす描写を入れてくるのか、はたまた奇跡を引き寄せる下準備か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
第1話が広げた新しいカンバスに、次回どういう色の絵の具を伸ばしてくるかは、大事だと思う
とまぁ、構造全体のお話はさておき、浦の星のバカどもは相変わらず可愛らしく、仲良く、元気であり大満足だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
相変わらず渡辺は、勝たなきゃいけない戦場に一人で挑むことが出来ない女だなぁ…桜内は関係性の色合いを狂気で一手捻り、よりディープな関係性に飛び込んだというのに…。
あと松浦はなんつーか『ホントお前、そういうところだぞ』って感じだった。一回激重大衝突を経て結びついたかなまりは、小娘のお菓子系とは違う強度、重量持ってるな。素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
今後も女と女が結びつく色んなフォルムを、軽重硬軟取り混ぜてどっさりと見せて欲しい。
大量のフアンを巻き込み、巨大なサーガとなった『ラブライブ』を、サンシャインがどう語り直すのか(あるいは、語り直さないのか)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月9日
その技芸と姿勢が行き着く先が楽しみになる、アグレッシブな第一話でした。種まきは上々、そっからどういう芽が伸びて、樹に育つか。育たないか。楽しみですね。