BEATLESSを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
鼓動なき自動反射が駆動を始め、物語が動き始める。五体の人類超越人形、ボーイ・ミーツ・ガールという運命。完全な偽装と真実を切り分けるシグナルは、一体どこにあるのか。
人間定義ジュブナイルのど真ん中を走る物語、今ここに開幕。
という感じの第1話。
原作未読のまま、ネタと雰囲気が好きで見始め実際グッドナイスであった。思考をまとめるために色々描くけども、当たったり外れたしているのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
あてずっぽうな予測も引っくるめて、色々野心的なネタを盛り込んだ作品への期待感…ということで、ザックザックと描いていこう。
現状話しの大枠としては、『錬金術の代わりにAI技術で駆動するローゼンメイデン』と言った風情で、少年と少女人形が出会い、戦いの幕が上がった感じである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
謎多き超越存在との出会い、なし崩しに結ばれる契約、手に入れた一瞬の安らぎ。うむ、王道である。
ディオメディアの腰の弱さもあって、絵の圧力でガツンと殴ってくる圧倒的な強さは、あまり感じない。ビシっと決める部分にもどこか柔らかさがあって、超絶オサレって感じではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
が、閑散とした清潔な町並みを、人間より優秀な人形が埋めている風景で大体の空気は伝わった。いい感じだ。
元デザインはredjuiceの尖ったセンスが強く出ているが、アニメのキャラデザを”アイカツ!”のやぐちひろこが担当した結果、怜悧な道具性よりも人型の持つ人間味が先に立ってる印象がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
人と機械が交わり、間合いとアイデンティティを探っていく展開には、それもマッチしている気はするな。
監督が水島精二、脚本に高橋龍也なので、座組としては初期アイカツ!…なのかもしれん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
この後レティシアさんが殺人兵器をマイクに持ち替え、ど根性アイドル路線にひた走っていったら、この見立てもズバリなんだがなぁ。現状、ソリッドな世界で運命が動き始める物語である。
人間よりも人間らしい人形が、当たり前の存在として日常を埋めている世界。それを過剰に人間らしく受け止めてしまう主人公と、人形の死骸を量産するネオ・ラッダイト。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
当たり前…というには色濃く描かれた、路地裏の残骸。確実に衝突するポイントなのだろう。
主人公アラトくんが、人間中心主義という意味合いでのヒューマニズムを振り回さず、あくまで個人の責任においての共感でレイシアと繋がっていくのは、なかなか好感が持てた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
異常な状況に巻き込まれつつ、ワケが分からないなりに飲み込んで、決断する。流され型に見えて、思いの外意志のある少年だ。
機械人形に優しく接する彼の人道主義は、あの世界では非常識だ。が、人間は己の意志を世界に撒き散らし、そのエコーロケーションで己を定位する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
人形に魂があって欲しいと願う気持ちが主人公とヒロインを繋げ、魂があってはならないという欲望が、ネオラッダイトを加速させていく。
その身勝手さを当の道具に指摘されつつ、アラトくんは自分が感じた教官は嘘ではない、と頷く。それは自己責任の範囲内において真実であり、今後も彼はそれを信じて決断していくのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
ここら辺の人格的範疇、どこまでをキャラが背負えるかを第1話で見せてくれたのは、方向性を感じられ良かった。
暴走車がバチバチ言ってる危機的状況でも、サービス同意書めいた文言を冷静に垂れ流し、契約を促すレイシア。それに頷いてエンゲージを果たす流れも、今後責任と決断が重要になる流れを示唆しているように、僕には思えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
そしてアラトくんは、迷いなく選び取っていく。それがなんか気持ちいい。
ヒトと区別がつかないモノは、ヒトとして扱う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
アラトくんのピュグマリオン・コンプレックスは今後、モノはモノでしか無いと信じる別の考えと接触していくのだろう。
それは物語的なうねりの基盤として、今回しっかり示されている。じゃなきゃ路地裏の死骸も、それに冷淡な学友も書かんだろうし。
運命的に降り立ち出会ったレイシアだが、責任なきモノたる自分を理解し、アラトとの契約を通じて責任能力をアウトソースしたようにも見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
美しく可愛らしく、都合のいい女の形。それを身にまとったヒロインが、一体どんな行動原理を隠しているかは、今後明らかにされるのだろう。楽しみだ。
彼女の持つデバイスが『ブラックモノリス』であることからも、このボーイ・ミーツ・ガールが人類進化にまつわるデカい話な予感は、意図的に匂っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
シンギュラリティはあっという間に訪れ、人類がAIに置き去りにされつつある状況。黒い棺に触れることで、裸の猿はどのような武器を手に入れるのか
その一端が、機械を狂わせる美しい花であり、それを無効化するメタマテリアルである。負の屈折率かぁ…自然界に存在しない、技術の賜物って感じだな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
人類を保護し束縛してきた『自然』を、レイシアたちは呼吸するかのように書き換える。五体の人形が争うのは新たな『自然』の定義権なのかな?
狂い咲く花のおぞましい美しさは、彼女たちが足場を置く場所の異常性を巧くヴィジュアルで示していて、かなり好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
支配/書き換え可能な電子のプログラムと、それへの耐性を持った自由意志の差異は、今後詰めていくポイントなのだろうなぁ。
人間が特権的に振り回す『魂』の色合い。幽きヒューマニティの拠り所として当然視されているそれは、実は快楽を求める欲望の自動反射でしかないのではないかと、レイシアは問わず語りに問う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
ここに『それでも良いよ』と既に答えを出している辺りが、アラトくんの主人公力が高いところだなぁ。
HiEにプログラムされた、自動反射的なコミュニケーションの快楽。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
心が通じ合ったという錯覚を基盤に社会と人格が成立するなら、人間の真似をする機械への共感もまた、人間性の温もりを宿すのではないか。
それとも、量産可能な機械と『人間様』の間には、決定的な違いが存在しているのだろうか。
人間と寸分違わぬ道具の持つ魂は、人間と寸分違わぬように見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
そのように思えることと、そのようであることの間には、どのような違いがあるのか。
『中国人の部屋』めいた、中身の見えない無限反射を今後突き詰めていくなら、それは非常に面白い事になる。
その外装がポップでオシャレなロマンス活劇に彩られているのも、食べやすくていい。五人の人形、5つのデバイス。色々ハッタリが効いてて、何かが起きそうな気配がムンムンしてる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
もうちっと作り込みが細密なら、そこら辺のケレンでグイグイ押し込めた感じもあるが。今のフニャッとした食感も好きよ。
『とりあえず』という感じで、空から降ってきた人間じゃない女の子は優しく(人間らしく!)微笑み、美味しい食事を作りお茶を淹れる。適切な性的誘惑を撒き散らし、ヒロイン≒女の仕事を果たす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
そこに感じる確かな安らぎが、ある種の疑似餌ではないかと疑わせる、いい出だしだと思う
アラトくんは純朴で実直な少年なので、ごくごく普通の『人間的』な家庭の安らぎに足場を求めるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
だが超常の異物たるレイシアが『当たり前の家庭』を演じるのは、アラトの欲望を反射しているだけではないか。それとも、心の底から望んでヒロインやっているのだろうか?
レイシアの特別で不思議なムード、計算された心安らぐ雰囲気に誘引されつつ、それに安住しきれない違和感が随所に埋まっているのは、今後を想像させて面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
性格最悪のクソアンドロイドとして、いい具合にイヤーな価値観の転がし方してほしいな、個人的には。せっかく人形なのだし。
残り四体の人形も今後本格的に絡んでくるだろう。アラトとレイシアが運命的に出会ったように、別の『マスター』も巻き込んで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
そこら辺の運命と感情のドラマがどういう温度、どういう速度で展開するかも、やはり楽しみな部分だ。アラトのヒューマニズムとは別の世界観を持ち込まないと、話進まんしね
ともあれ、特別な人形と少年は出会い、契約の果てに運命は動き出した。世界は異質な肌触りを宿したまま、革命の時を待っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
そこら辺の大体の感触を飲み込みつつ、今後どうなるのか期待と思弁を膨らませてくれる、いい出だしだと思いました。人形がちゃんと気持ち悪いのがいいよ、ウム。
20年前(!)、HMX12とHMX13で、現在に通じるアンドロイド・ヒロイン原型をオタクカルチャーに生み出した高橋龍也が、この話の脚本を描くのも何かの縁だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
マルチはディジタル化した魂、電子の贖宥状を携えて産まれてきたと書かれたけども、さて、その子孫たるレイシアはどんな答えを持ってくるか
如何にもギャルゲー的同居生活が妹公認で始まったわけだが、そこからはみ出す不都合な思弁を、ドシドシ広げてくれると個人的には嬉しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月13日
妹ちゃんが元気で明るくて、コロコロ会話を転がしてくれるのは凄く良いな。今後も元気に日常担当、頑張って欲しい。来週も楽しみだ。