Caligula-カリギュラ-を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
少年のナイフは心を抉る。
傷つくことを恐れ、図書館密室に閉じこもる少年と少女。噛み合わない視線、相反する解釈。
それでも、人形の手が温もりを求めるなら。
少年ナイフ・森田くんの痛々しさが全開になりつつ、主人公チーム初の事件が動き出すエピソード。
というわけで、序章終了本格始動なカリギュラ第4話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
ようやく楽園の反逆者が一箇所に集まり、チームが形を為してきて、世界のルールも明言されてと、事件解決の足場が固まってきた印象。
それを引き受ける第一の事件は、図書館密室の思春期殺人事件。イタさ全開で清々しいぜフーゥッ!!
今回のお話は状況の整理と解決を担当するビッグガン先輩&律サイドと、図書館内部で痛々しい青春にふけるカップルサイド、2つに分かれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
鼓太郎が猪突猛進でぶっこんでくることで二つが合流し、静かな檻はぶっ壊され、アクションが始まる…と思ったら、カタルシスエフェクトよりも歌で解決だった
心の刃で超暴力し、強く殴った輩が勝者となるより、ローレライの歌声が心を通わし、何らか救いのある変化へ歩みだすほうが好みであるので、この決着は良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
律くんの精神兵器お披露目は、もうちょい先になってしまったが。見たいよ~、ど真ん中中二病のかっけぇ覚醒シーンが見たいよ~…。
さておき、アリアとビッグガン先輩の『よく分かるメビウス講座』もあって、世界の状況は大体確定。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
ボカロ曲の痛々しい世界観にズビズバ共感しちゃう限界人間が、一瞬の癒やしを求めてたどり着いたアルカディア。
概ね想定通りのロクでもねぇ思春期マトリックスだったが、これ『醒める』のが正解か?
カタルシスエフェクト撒き散らしての大激戦で、トラウマと向き合う素地は作れても、キッツい現実はクソのように横たわり続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
気の持ちよう一つで世界を変えられる人もいるだろうけど、心じゃどうにもならない重たさでメビウスに逃げ込んだ人にとって、覚めない夢は救済でもあるんではないか。
『そういうのは関係ぇねぇ。起きてぇ』というのが主人公サイドのルールなのかもしれんが、少年ナイフへのナイーブな視線を見てると、『仮想=悪、現実=善』という安易な二分法は、当然採用していない感じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
楽士のみならず、主役サイドも根性ドブゲロっぽいし、忘れた傷も深そうだし。
今後ザクザク冒険して、色んなものが見えてくる中で、そういう裏腹な幸福のあり方も掘り下げていくのか、どうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
μの狂暴な善意をどう受け止めてあげるかも含めて、結構ややこしいことになりそうだ。そういうややこしさを掘る土台は、律くんのトリビアリストっぷりで十分仕上げてあるけども。
鼓太郎が脇目も振らず大暴走する中で、律くんは薄暗い小道を見つける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
自分が正しいと、迷いなく信じられる『ノーマル』な強さと無神経さは、悩める主人公・律くんには遠い。
だからこそ、見つかる道もある。
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先週のスイートPといい、楽士も主人公サイドも現実のクソっぷりに傷つき、『ノーマル』な生き方ができないのは同じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
そういう共通点を対岸の火事と切り捨てるのではなく、なんらか自分の岸に引き寄せて変化していくようなお話になると、温もりと救いがあって良いような気がする。
まぁ現状、サイコの気持ちがわかるサイコの強みは、敵の心の傷を暴く武器として使われてんだけどな!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
心が全てを決定するサイコワールドで、精神分析系の知識と、それを活用可能な冷静さがあるのって強みだよなぁ…。情け容赦なし、サイコダイブバトルッ!
そういう主役サイドの動きを横において、少年と少女は図書館で出会っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
ゴクリをわざわざスメアゴルと言い直さずにいられない、ナイフのように尖った幻想文学少年のピーキーな自意識があらゆる場所から襲ってきて、窒息して死ぬかと思った。イテーよマジ!(鏡見つつ)
鈴奈のデザインがまた絶妙で、いかにもオタサーの姫になりそうなドレスシャツにデカいパイオツと、『そらー森田くんもすり寄るわなぁ…』と、絵で納得させられた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
寂しいが傷つきたくない、触れ合うのが怖くて羨ましい。そんな少年ナイフがピットリしたくなる魔力に満ちとる。まさにローレライ。
幻想文学オタク特有の、エッジな解釈のぶつけ合い。頭ごなしに相手の意見を否定することが、なんとなーくコミュニケーションになっているような錯覚。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
森田くんのムーブは全て、マジで身につまされる痛みに満ちてて最高だった。『児童文学の真の意味”理解”ってる俺、”違う”ぜ…お前らとは』って感じ。
ピーキー過ぎて社会に溶け込めない、自分を人形化することでしか自己を防衛できない森田くんは、ローレライに引き寄せられていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
しかしその歩みはあくまで、自分を守る回避に満ちていて、二人の視線は交錯しない。ズレを強調していくレイアウトが、巧く不安を煽る。
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向かい合いつつ交わらない、少年と少女の視線。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
スメアゴルの真意を巡る解釈と同じように、同じ場所を読んでいるはずなのに、相手の気持を汲み取らないコミュニケーションは、視線を遮るフード、世界を遮断するイヤフォンによって凝縮されていく。
隣りにいるのに噛み合わない。それでも、隣りにいたい
森田くんのナイーブな自意識はモリモリ隆起し、その膨らみを感じ取って鈴奈は笑顔を返す。感受性の強さが孤立を生む二人の声質は、ズレてはいるものの似通っていて、不思議な接近を生む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
でもやっぱり、視線は噛み合わないのだ。
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閉塞した楽園は、鼓太郎の身勝手な暴走によってぶち破られる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
鼓太郎が自分周辺…というか自分しか見ず突っ走っている姿が、なかなか痛ましくも面白い。そういう無茶なパワーが、檻をぶっ壊すときもあるし、ヒトを傷つけることもある。
鼓太郎が夢見るロマンスに、鈴奈が全く乗り気じゃないのが残酷。
自分が『ノーマル』であると信じて疑わない、疑えない強さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
現実で幾度も、そういう無神経に傷つき、自分を人形に変えてしまった少年ナイフは、恋した少女に裏切られたと吠える。
YOUさ~、そうやって自分の中だけの答えで暴走する前に、一言眼の前のGIRLに問いただしてみれば良いんじゃないの~?
まぁ、そういう真っ当な解決方法を思いつけるなら、メビウスの魔境になんぞ囚われてはいないわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
待ちに待ったメガバイオレンス大暴れ! と思っていたが、ビッグガン先輩が取り出したビッグガンを、鈴奈が体を張って止めることで今回の対峙は決着する。
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戦闘シーンの、緊迫した緑。閉じた幻想が破断するクライマックス・カタルシスを色彩で表現する演出が面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
しかしそれは予感で終わり、再び図書館はくすんだセピアに彩られる。フードが外れた少年ナイフと、鈴奈はようやく真正面から向き合う。
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森田くんは楽士であり人形である自分を隠して、鈴奈に接近していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
鼓太郎の乱入とバトルは、そういう虚飾を暴き立てる効果もあるわけだ。
激しい戦闘の予感が嘘を暴き立て、少年ナイフの本音をえぐる。それでようやく、鈴奈も真実の自分をさらけ出し、ローレライに乗せて伝えられるようになった。
かっこよく退場した森田くんだが、今後決戦を行うことはあるのだろうか? 便所飯に追い込まれていた鈴奈とのロマンスがどうなるか、なかなか気になるところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
スイートPといい、ボッコボコにされるほど悪いことしてない感じもあるので、殴るより話し合う方向でこう…どうにか…。
これで鈴奈&鼓太郎も正式加入して、主人公チームの陣営が固まった感じだろうか。露骨に曲者オーラ出してた峯沢くんの、くっそ面倒くさいココロダンジョンに潜る話とかもやりそうだし、おもしろ限界人間集団『オスティナートの楽士』の他メンバーも気になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
色々話は掘れると思うが、その二歩目として今回、思春期のナイーブさが共鳴し、傷つけ合いつつも少し前向きな終わりになったのは、とても良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
ホント森田くんのクソ童貞文学少年ムーブが完璧にイタすぎて、ブーメランがザクザクと刺さる、良いエピソードだった。理解る、理解るよォ~。
あ、そういや主役勢は軒並み『音楽』に関係ある名前なのな。しかも多分雅楽。(律・笙・弦・鼓・鳴・笛・鈴)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
μはMusicの語源だし、アリアも音楽用語だし、こういう細かいところでテーマ拾うのはやっぱ好きだな。ジュブナイル伝奇って感じがする。
ノイズまみれの尖ったナイフ達が、どんな不協和音とハーモニーを奏でていくか。図書館という舞台立てに詩情があって、その第ニ奏としてなかなかいい感じのエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月1日
今後どんな限界人間との、青春限界バトルが待っているのか。来週も楽しみですね。