HUGっと! プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
片や悪の組織が作り出した、心のないアンドロイド。
片や暴走気質のプリキュアワナビー。
年も立場もバラバラな二人。
でも思いは一つ。
『プリキュアになりたい!』
そんな純粋な願いが、溢れる愛が、果たして奇跡を起こすのか。
真っ向勝負の変身回。
というわけで、第13話から約二ヶ月、HUGっとのど真ん中を支えてきたえみルーコンビが、一つのゴールに辿り着くエピソードです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
積み上げてきたエピソードやテーマの強さをしっかり信じ、どっしり真っ直ぐ取り回す話運びは、重厚な満足感を与えてくれました。
やってきたからこその味わい、素晴らしい
えみるはルールーを、ルールーはえみるを。それぞれ思い合い、支え合う心の強さが、触れ合う手と手、絡み合う視線、美しい自然で豊かに表現されていて、物語を熱くする燃料になっていました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
ドラマをちゃんとシチュエーションと絵で補強する作り、やっぱ良いな。実感が段違いだ。
手を繋ぎ、飛び込み、口づけをし、抱き合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
自分の感情を言葉だけでなく、行動で示す二人の姿は、秘めた思いがどれだけ強いかを身体で表現してくれます。
同時に、そうやって心を顕に出来るようになった二人の変化も、そこには宿ってる。
先週のお話を引き継いで、兄貴の変化をチケットで見せてくれたの凄く良かったんですが、それはえみるにとって泣くほど嬉しいことでもあり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
あの大きな家の中で、”女の子はこうじゃないと”お前はこうじゃないと””自分はこうじゃないと”という固定観念に縛り付けられた二人は、ようやく自由になれた。
それが”ギターを隠さず弾いていい”ということであり、えみるは今回”光ありたい自分”への一歩を、しっかり踏み出したわけです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
愛する親友がそんな道へ踏み出したことを、ルールーは心から喜び、その感情を受け止める。受け止めきれずに、押し倒されてしまう。ここもいい。
体が大きく、顔つきも大人びてるルールーは、パッと見えみるより”上”に見える。えみる自身もそう思っているフシがああって、だからこそ憧れてる部分もある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
しかし胸に湧き上がる衝動との付き合いは、実稼働時間が長く、抑圧を感じる期間も長かったえみるの方が先輩だったりします。
ルールーはえみるの悩み、そこからの開放を立ったまま受け止められるほど成熟していない。自分の中の答えを与える役は、今回さあやとほまれが担当する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
ちびっこえみると一緒に、むしろ彼女に手を引かれて世界を知っていくルールーは、(他の全ての人と同じように)えみると対等なわけです。
なので、一旦地面に倒れ伏すことで身長差を消して、ふたりのフラットな関係を絵で見せる演出は、本当に心に刺さりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
見た目や生まれ、年の頃という差異があったとしても、心は通じあえる。”ふたり”になれる。
そういうのを強調するべく、えみルーは凸凹コンビとして生み出されたんだと思いました
ここら辺はアンリという”異物”の使い方もそうで、男でありながら女の装いをし、キラキラピュアピュアな主役陣とは違う考え方をする彼は、正直”浮いて”いる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
でもその違いには大きな意味があって、兄貴の心を開放し、サバサバした性格で過去を水に流すことも出来る。
世界に必然的に存在する色んな凸凹に苛立つよりも、そこに橋をかけ手を伸ばす方向に進む。差異があればこそ見えてくる自分の姿、相手の姿を愛する方向に進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
HUGっとはかなりそういう、平等と博愛を気にかけた運びを、生き生きしたキャラ描写の中で心がけているように思います。
今回はホントえみルー集大成で、ここまで描写したテーマが幾度もリフレインします。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
あなたを愛することで、私はワタシの嫌いな私を好きになれるし、そうやって素敵になったワタシを、あなたももっと愛してくれるでしょう。
鏡合わせにお互いを見て、だからこそ自分をもっと知ることができる。
これもえみルーを話の真ん中に据える中で、結構大事に取り扱われたテーマだと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
二人はコンプレックスが結構強くて、自分をあんま大した存在だと思っていない。でも相方の目に写った自分は、凄く可憐で勇気があって、誰よりも”プリキュア”。
そういうう風に、私もなりたい。
自分を幸福に導いていくエネルギーは、実は他者の瞳に写った自己像にある。だから、他人と手を繋ぐのは良いことだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
『より善くなりたい』というエゴイズムを含む分、単純に『みんな仲良く』というより鮮烈な倫理の提示が、ここではなされていると思います。
自分の益にもなるから、他人を大事にしろと
ふたごコーデのえみルーには似通った部分もあるけど、全然バラバラの部分もあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
えみるがちびっこ体型に似合わずヒーロー気質で、誰かを守るために前に立ち、胸を張ってる姿が今回多く描写されたのは、そんな個性が好きな自分にはとても嬉しかった。
ルールーは生まれもあって、ためらいなく正義の中に飛び込んでしまうのをためらう気質があるんだけども、えみるが横並びから半歩踏み出して背中を見せることで、ルールーもまたより善い場所に震えながら踏み込める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
それは、二人が全く同じなら生まれない前進なわけです。
逆に”蘇生と回心”という奇跡を身をもって体験してるルールーは、一つしか無いプリハートをどちらかに譲るのではなく、ふたりの願いが両方叶うという奇跡を掴み取れると、心の底から信じきれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
二人が一つになる奇跡をエモく描きつつ、二人が二人だから起こる変化も大事にしてて、凄く良かったです。
地味なところですが、ポテトチーズめんたいトーストを巡る日常のやり取りの中で、『奇跡も愛も、眼の前にある』という物語的結論を先取りし、エピソードが走る下準備をしていたところとか、ホント上手いと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
そんな二人にエールを送るはなは、今回病気でダウン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
彼女が後景に下がることで、さあやがルールーを、ほまれがえみるを、それぞれ勇気づけエールを送るシーンが生まれていたわけで、うまい役割分担だなぁ、と思います。
ここで引いたことが、異変に気づいて一人駆けつける展開にも通じるし。
女たちが瑞々しい感情をぶっ放すためだけに生まれる、プリキュア恒例の清廉な泉。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
そこで”天使”さあやが、夢と闘争心について語るのは凄い面白かった。さあやもまた、物語の中で変化し、他人の瞳に写った自分を見つめたからこそ、前に出て戦う自分を掴み取るべく、オーディションに出とるわけです。
ほまれも敗北と再起、挑戦の意味をえみるに預けて、エールを送っていました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
手を繋いで導き、離して挑戦させ、転びそうになったら支える。ただベッタリと寄り添うだけでなく、冷たく突き放すでもなく、より良いバランスで一緒に人生を走っていく。
さあやとえみるのスケートは、これまでHUGっとが描いてきた人間関係を巧く象徴していて、非常にエモいシーンでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
その後二人が戦闘という”非日常”に出ず、殴り合いとはまた別”日常”の戦いに踏み込むシーンを後ろに据える。そのことで、作品に強い奥行きが生まれていたと思います。
才に恵まれた友人に対し、はなちゃんは特別な一歩を踏み出しません。アホで優しくて気のいい、当たり前の女の子。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
そんな彼女だからこそTV越しに異変に気づき、ただ一人戦いに赴くことも出来る。強く輝くことだけが、人のあり方じゃない。非日常の陰りの中で、戦う舞台だってある。
白紙のはながどんな夢を見つけて、自分自身にどんなエールを送るか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
それは今後話が進む中で、非常に大事な意味をもってくるのだろうなと思う展開でした。
お仕事体験を通じて、色々学んで悩んで間違って。それもまた、他人の瞳に写った自分を見つめる行為になるかな。
敵さんの事情がまーた雰囲気悪くゴタゴタしたり、ジョージのあからさまな怪しいアピールがあったり、はぐたんさんがどんどん賢くなってたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
細かいキャラ描写やクスグリも行き届いていて、熱量があるのに視野が広い、どっしり楽しいエピソードでした。強いなぁホント…。
マシェリとアムール、両方”愛”を表す言葉だから”愛のプリキュア”なところとか、キュアアムールが『フリルとレースで武装したデカ女』という俺の脊髄直撃即死なデザインなところとか、歌って殴るシンフォギアスタイルとか、キャラ萌え要素もバリッバリ元気で、色んな楽しさがある回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
ゴールを迎えても、また新しいスタートが待っている。無事変身を果たした二人ですが、えみるの熱い情熱はまだまだ暴走するようで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月17日
憧れが日常になったその先を捉えつつ、えみるのもう一つの魅力、とびっきりのコメディエンヌとしての顔も見れそうで、来週とても楽しみです。