ハッピーシュガーライフを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
甘い毒、苦い愛。罪科は何処に宿り、罰則は何処から降り注ぐのか。問うても天が答えないなら、臓物を引き裂いて赤心を占おうか。それは多分、甘い味がする。
鎧袖一触、雑魚サイコを愛で塗りつぶしてしおちゃんとの純愛バトルへ!
三星くんVSしょうこちゃんもあるよ!
そんな感じのゆるふわお砂糖系百合アニメ、凶暴な純愛が唸る第5話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
あからさまにバイオレンスが足りてない顔した後輩ちゃんは、自己嫌悪と承認欲求をコピーキャットで埋めようとする、愛の迷い子。媚態と虚偽を我欲で使いこなすしおちゃんの、相手ではなかったな…オイオイ瞬殺だよ。
※訂正
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
しおちゃん→さとちゃん
エロ同人誌みたいなお水フキフキシチェーションを見ても、さとちゃんは媚びの使い方が巧い。セックスをちらつかせることで、他人をコントロールする手段に長けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
それはセックス(と、それが愛情表現足り得る一般的なコミュニケーション)を一切信頼していない証拠でもある。
別に大事なモノじゃないから、自在に使い潰せる。そんな大したもんじゃないから、冷静に与え、奪うことをちらつかせて他人を操作できる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
さとちゃんのなかで性交渉は愛の証明ではなく、それはしおちゃんに出会う前、男漁りに精を出していた時代そのままである。
すーちゃんはそういうさとちゃんの歪みを、証明するべく一瞬で蹴散らされた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
特別な性的興奮、他人に投影した”なりたい自分”と解け合える期待感。結構常識的な歪みを、まるごとバックリ行かれる形で、あんま嬉しくないキスシーンが来る。愛情の鎖で相手を縛り、自在にコントロールする技法。
それはどうやら、幼少期から”おばさん”に(強制的に)与えられ、現在のさとちゃんを形作った呪いでもあるらしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
キスの後ゲーゲー吐き戻していたのは、すーちゃんへの嫌悪というより、愛で他人を操作する”おばさん“の呪いを、再生産している自分への憎悪な気がする。
”家族”という呪い。愛された子供は子供を愛するようになり、呪われた子供は子供を呪うことしか知らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
その出口のない再生産に、さとちゃんもしおちゃんも、店長という”悪しき母”に性的に傷つけられた三星くんも囚われている。実母は優しいだけで興味ないからなぁ…。
記憶の中の”おばさん”が、常に傷だらけなのは気になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
暴力というコミュニケーションを全面的に受け入れ、それが”愛”だと誤認させることで相手を操る。加害者と被害者が逆転する、魔女、あるいは怪物の生き方。”おばさん”の包帯は、その証明か?
さとちゃんはすーちゃんの身勝手を、全面的に肯定する。肯定することで方向づけ、真実大事な砂糖のお城から遠ざける。自分の欲望のまま操作できるよう、フリル付きの鎖で縛り付ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
それは多分、”おばさん”にさとちゃんがやられて来たことだ。嫌な『アタシ再生産』だな…。
砂糖水で窒息させられるような、リボンで首を絞められるような。愛情の地獄で自分を作るしかなかったさとちゃんは、苦しむしおちゃんを前に言葉を失う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
『大丈夫』『怖くないよ』『私がそばにいるよ』あるいは『愛しているよ』
そういうマトモなケアは、さとちゃんの経験辞書にはないのだ。
それでも必死に、さとちゃんは言葉を探す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
生まれたことが間違いで、罪以外世界にはなくて、苦い罰だけがお前に用意されているというどん詰まりに陥らないよう、唯一見えている光に手を伸ばす。
その幸福への走性はなんとも必死で、いかにも人間らしい。美しい、とも言えるかもしれない。
しおちゃんは自分の痛みを、虚偽という罪に課せられた罰だと思う。私が悪い子だから、嘘つきだからお母さんが怒ったんだと。そう言われ続ければ、それは真実になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
そして殺人者であり誘拐犯でもあるさとちゃんは、しおちゃんの歪みを愛で訂正できない。自分も同じ境遇だからだ。
そこで差し出せたのは、自分も同じ嘘つきで悪い子で、共犯者で犠牲者なのだと告白することだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
殺人も誘拐もどーでもいい。愛に嘘をついたことだけが罪なのだという考えに、必死にしがみついて自分を、しおちゃんを内包した自分を肯定していく。愛だけが全てなのだと、思い込もうとする。
それはもう、正しいとか正しくないとかを蹴っ飛ばした生き方で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
愛情に押しつぶされ、砂糖の牢獄に自分に似た少女を閉じ込めた時点で、さとちゃんは大間違いである。それを言ったら、愛で縛り付ける”おばさん”も、愛を教えなかったしおちゃんの母も、みな大間違いだ。
マトモな正解が何処にも見えない状況で、さとちゃんは必死に言葉を探した。その結果として、愛の告白にたどり着いた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
それはそれで、真実で意味のあることかな、と思う。近い未来に破滅が待つとしても、魂を縛る呪い以外の答えを見つけ、共有できるのなら、さとちゃんとしおちゃんの愛には意味がある
しおちゃんを苦い世界唯一の甘み、窒息からの唯一の脱出口として特別視する視座には、猛烈なエゴイズムが臭う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
救われなかった小さな私の代わりに、貴方は綺麗で汚れなく、世界唯一の正解でい続けてね。貴方が綺麗でい続けていることで、汚れた私も報われるから。
そういう、相手を見ない身勝手な投射
さとちゃんも三星くんも、失われたイノセンスをしおちゃんに見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
しかし三星くんは暗い部屋で妄想を超加速させ、しおちゃんの実態には触れられない。さとちゃんは生身のしおちゃんに触れ、彼女の苦しみをなんとか減らそうと、手を伸ばし言葉を探す。
間違いでも、愛を共有する。
たとえそこに、愛に窒息させられた過去の自分を見ているとしても。それが他でもない現在のしおちゃんを楽にするなら、愛は愛だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
正しくなくても、さとちゃん必死の告解はしおちゃんの痛みを和らげた。絶望に効くクスリになったのだ。なら、外野が口をだす話じゃない。
…で終われば良いんだが、さとちゃんもしおちゃんも、絶望的に公平な世界に生きている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
法も正義も常識も、自分たちに関係のないどっかで勝手に生きていて、こっちの事情も知らずに裁いてくる世界に生きているのだ。
砂糖のお城を作るため、ぶっ殺した人間だって生きていた。その命の重さに貴賤はない
しおちゃんの痛みと繋がるために、殺人という重たい罪を告白しなかったさとちゃん。その歪みを、世界はけして見逃さない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
『何自分だけ特権的に愛にあふれて、特別不幸なサイコみてーな顔してんだ。マトモな社会で罪になる、でっかいツケを払ってもらうぞ』というサインは、そこかしこにある。
そも、自分が作った死体が罪の塊であると認識(自覚ではない)出来ているからこそ、さとちゃんはそれを隠蔽したのだ。マトモな人ならドン引きすると知ってたから、しおちゃんに隠したのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
さとちゃんと、マトモな社会は切れていない。逸脱しきれるなら幸福も簡単なのに、砂糖の夢は簡単に覚める。
ここら辺の”マトモさとの追いかけっこ”が、この作品全体を包む巨大な檻であり、物語の構造なのかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
超絶サイコが弱サイコを食い散らかす、キ印食物連鎖で遊んでいるようにみえて、公平の女神はその構造自体をじっくり睨みつけている。いつまでも、狂った夢は続かないよ、と。
そんなマトモさなんて関係ないと、いろいろ強がってはいるものの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
さとちゃんはマトモな愛を与えられなかったからこそそれを求め、マトモになる方法がわからないマトモ志願者でもある。
半端に正気を残したさとちゃんが、既に取り返しがつかないほど壊れた過去とどう向き合い、どう精算するか。
それが、同じくマトモな愛など与えられず、しかし特権的に他人をマトモに愛する資質を維持したしおちゃんの、脆い立場にも関係してくるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
なにしろ、しおちゃんは久野声の弱々しい少女。”家族”に守ってもらわないと、生きていけない。そのための対価として、イノセンスを切り売りもする。
しおちゃんを苦しめる過去の“家族“は、今の自分が出せる精一杯の誠実を差し出したさとちゃんによって、その呪いを弱めた。さとちゃんは”家族”より大事な”家族”なのだと、しおちゃんは言うことが出来た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
多分、そこに嘘はない。それが救いであり、無惨の源泉でもあろう。
マトモさから亜高速で距離を取り、閉鎖した愛、身勝手な自己投影に飛び込んでいくさとうとしお(&三星くん)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
ビッチだけどマトモなしょうこちゃんは、『親友が誘拐犯のはずない!』と、三星くんをはねのける。でも三星くんの妄想は、全部ホントの事なのだ。友人は犯罪者で、殺人者なのだ。
しょうこちゃんが背負うマトモさが、眼前に突きつけられた時。さとちゃんは一体何を選ぶのだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
砂糖の檻に取り込んで、愛で子供を縛り付ける。そのためなら、他人も殺す。そんな”マトモじゃない”所業を、おそらく作品唯一”マトモ”なしょうこちゃんは受け入れられない。世間がそうであるように。
三星くんは『イケメンなのにキモイ!』ですんでいたが、愛があればこそさとちゃんの狂気に、しょうこちゃんは耐えられない気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
絶縁するならまだいい。親友を”マトモ”にしようと愛に土足で踏み込んできた時、殺人者の防衛本能はしょうこちゃんの”正しさ”をどうするか。
嫌な想像しか出来ない。
それは未来の話として、しおちゃんを探し回るお兄ちゃんと接触を果たしたしょうこちゃん。マトモ連合は愛の狂気、反”家族”少女同盟を相手に、どういう立ち回りを取るか。気になるところである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
ぜってぇロクデモナイことにはなるんだろうな…この世界でマトモでいるには、あの二人人間力が足らない…
そんな感じの、さとちゃんとマトモさの格闘戦回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
苦しむしおちゃんを前に言葉が出ないのは、マトモならどうするか知識としては知ってて、でも実感ある行動としては出来ないアンビバレンツが、体を縛ったからだと思う。
それがしおちゃんに浄化されても消えない、さとちゃんの業なのだろう。
マトモでいたい。背負った汚れや罪を許されて、愛に包まれて生きていたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
さとちゃんの願いは、しかしマトモには叶わない。人を殺して手に入れた砂糖のお城に、自分に似てて、でも全く別人の小さな女の子を閉じ込めることでしか、愛を感じられない。嘘に嘘を重ね、愛を腐敗させることでしか。
しおちゃんもまた、そんな身勝手な愛の犠牲者であると同時に、そこに許しと癒やしを感じる共犯者でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
ねじれにねじれたアナタとワタシ。行き着く先はどこかしら?
おじゃま虫は山盛り沢山、殺せば全部終わるかな?
狂ったマザーグースは、まだまだ続く。地獄は多分、ここからだ。
なにしろメイン二人の地獄めいた過去、具体的に切開されてないからな!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
来週、あさひお兄ちゃんに踏み込むのと並列してさとちゃんの過去掘るのかしら…。
窒息性の砂糖水、”おばさん”の愛がどんだけ毒か、想像だけで胸焼けする…。
どっちを向いても地獄絵図、ハッピーシュガーライフ。来週も楽しみ!