BanG Dream! 2nd Seasonを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
遂にやってきた文化祭当日! 懐かしのOB参戦、それぞれの可愛さを活かした出し物、そして咲き誇る音楽の花ッ!
日菜の『るんっ!』から始まった新たな試みは、大成功の内に幕を閉じる。たった一つ、星の鼓動を求めるバンドを除いては…。
どうなる、Poppin'Party!
そんな感じの青春大激浪、疾風怒濤の運命が荒れ狂うスクールフェスタである。群像を明るく楽しく描き、膨大な文脈とファンサービスを過積載なほどに盛り込みつつ、ポピパとRASの運命は強く描かれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
骨の太さと華やかさ、アマチュアリズムとプロフェッショナリズムを同居させた、相変わらずの業前だ
相変わらず言うべきことが山盛りあるが、まずは文化祭描写のハッピーハードコアっぷり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
とにかく女の子たちが可愛く、そして彼女らしく、自分なり考えた出し物を必死にやっていて、その頑張りと輝きにオッサンの涙腺は出だしからフル稼働生搾りである。キラキラだとか夢だとか…(星を見上げる視線)
ハッピーを世界に広げるこころの発想力が『お化け』という、虐げられ畏れられる存在を可愛くデコり直しているところとか、『うちのストロングポイントは一つ、”瀬田薫”だ!』と見切って一本勝負を仕掛けた薫カフェとか、細かいクスグリが非常に『らしく』てよかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
瀬田カフェ、マジ”勝てる”企画。
こういう分解能の高さが、大人数で尺を分割され個別の掘り下げが難しいメガトン級群像劇を、瑕疵なく進める秘訣だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
それはキャラだけでなくコンテンツの文脈にも及んでいる。氷川姉妹が雨の中己をぶつけ合った運命を、Roseliaがすくい上げて生まれた”Determination Symphony ”を、今やる意味。
世界観を売りにし、燐子制作のゴス衣装を鎧に己を問うてきたRoseliaが、あえて制服で友のため、文化祭の舞台に上がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
日菜から差し出されたギターを、ためらいつつも手に取る紗夜の音が含む、過去の衝突と今見える景色。鎧を脱いだRoseliaが手に入れた強さ。
『マージでガルパ学履修しといてよかった! ありがとうクラフトエッグ!!』って感じであるが、的確に抑えられた文脈はそれ自体を知らなくとも、ある種のオーラ、物語が生み出す”本気”みたいなものを、ドラマに与えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
知らずとも、今回のロゼリアライブの意味はちゃんと伝わったと思う。
アプリやリアルライブと言った、バンドリを構成する様々なメディア。そこで展開される物語。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
それを前提に、貪欲に取り込みつつも、アニメだけ見ても楽しめるように描写を組み上げ、知っていればなお面白い。非常に精妙なバランスを維持して、このド濃厚な物語体験は組み上げられている。
第2話で『衣装を着込んだRoselia』にクローズアップし、世界観で武装して音楽で戦う本気バンドとしての顔をちゃんと見せていたからこそ、今回一切構えなくステージに進み、それでも息をしっかり合わせて”バンド”になるRoseliaの強さは、アニメだけ見ていても届く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
外部で展開される物語に甘えるでも、それを無視して遊離するでもなく、適切な距離を見つけ、自分独自の物語として編み上げていくこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
現在進行系のコンテンツサーガ、その一翼たるアニメーションに求められるミッションを、これ以上なく果たしていると感じる。
文脈で言えば、一期三話のリフレインを六花が受け取り、ギタリストとしての圧倒的実力を叩きつけるシーンは最高だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
魂が吠える時、少女は拘束を引きちぎりピックという牙を握る。愛する誰かのために、燃える己の魂のために、ロックンロールで武装して、世界を殴りつけるのだ。
今回はプロとアマチュアの断絶を描くエピソードでもあって、RASステージは『プロの仕事だから』キャンセルは出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
身内だけの学園祭ステージ、自然声援は友達目線が多く、演奏で殴りつけて黙らせる感じはやや薄い(省略されたアフロとバイトバンドで、そこら辺の空気を見せるのは流石だ)
しかし六花はいきなり出てきて、気持ち一つだけでギターを握り、プレイの”凄味”で黙らせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
既に出来上がった関係性から温かい声援をもらうのではなく、何も知らなかったものを殴りつけ、切り開く。そういうギタープレイは、実はプロであるRASの求める方向性だ。
六花のステージ中、客席が沈黙しているのが本当に上手いなと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
それは六花のロックンロールが、問答無用の実力を持っている証明だ。ミーハーに叫ぶでもなく、温かく声を掛けるでもない。
圧倒的なものを前に、言葉を奪われ思い切り引き込まれてしまう体験は、文化祭の”出し物”としては異質だ。
しかしプロ集団・RASに引き寄せられる運命を持った六花は、そういう”別格”のスキルとソウルを持っているし、持っていなければ展開に説得力は生まれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
本気で挑み、本気で戦う。それはポピパの暖かな距離感とは違うが、意味のあるもののはずだ。
ここで六花がマジモンのポピパキチで、ポピパと対立する(ように思える)プロフェッショナリズムを、他でもないポピパだけのためにぶん回したことには、大きな意味があると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
それは対立ではないのだ。愛がそれぞれのスタイルに橋をかけ、全てに意味があると思える瞬間は、確かに約束されている。
しかしそういう大団円にたどり着くためには、ハードコアな試練が必要ともなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
ポピパが何故バラバラになりかけているのか。花園たえに何が足りないのか。そこら辺の描写はハッピーな”学園祭”の間でも緩むことなく、シビアに的確に積み上げられていく。
とその前に、Roseliaが当然のようにステージに進みだした時、あっという間に観客席が紫に染まるのがアホほど面白かった。どこにどんだけ潜んでたんだ”Roseliaの女達”…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
観客席をカメラにいれることで、アクターの個性、プレイの衝撃が鮮明になる配置は凄く良いね。
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あと入場管理をスタンプ&紫外線ランプで行っているのもナウくて、ガジェットの描写を怠けないことで時代にキャッチアップしていく意志を、強く感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
ココらへんが古いと、いい話やっても『今、俺達の話だ!』って感じにならないんだろうな。タゲ層どこか、垣間見える演出だ。
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ココらへんへの意識は今に始まったことではなく、第二話で有咲がスマホメモを取ったり、ずっと継続している演出でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
地味ながら今っぽさを演出する大事な部分であるし、キッチリ小道具への意識を統一して進めているのも、”強さ”の一つか。https://t.co/tABQqMm2sd
さて、ポピパ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
冒頭全然揃わない掛け声からして、崩壊の足音は高らかに鳴り響いていた。
ヤバい状況ほど香澄が道化の仮面を分厚くかぶり、自意識を保護しながら視界が狭くなっていくのは、彼女の”個性”として徹底されている。
©BanG Dream! Project pic.twitter.com/KuzJHkaul7
香澄は自分がセンターでありリーダーでありボーカルであるという意識を投げ捨てて、衝動のままにおたえを迎えに知ってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
四人で待っていれば、最悪おたえ抜きの演奏で客に報いることも出来ただろう。しかし星の鼓動が胸に宿った時、戸山香澄の視界は極限まで狭くなる。
ポピパのエンジンを不安定にしたのは、花園たえのプロ志向と口下手だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
おたえがもうちょい器用に、自分の感情とか周囲の状況とかを伝えられたら、なんとかやりようもあっただろう。
しかし戸山香澄の狭い視界と同じように、花園たえの一本気な不器用(ロックのソロ爆弾に通じる)は譲れない。
明るく楽しくふわふわに。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
そういう外見を装いつつも、現実の青春がそうであるようにポピパのバンドライフは波風が多い。
上手く伝えなければわかり会えない人間の不自由を、思い切り叩きつけ合いながら、彼女たちは不器用にロックンロールの星へと飛翔していく。
僕はその凸凹感が好きだし、関係性やダイアログが独自で、この作品、このキャラクター、このバンドだけの味わいがある所も好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
おたえを起爆点に始まった不和と失敗が、一体どういう傷と強さを少女たちに与えるか。不安よりも悲しさよりも、やはり期待が大きい。
例えばおたえが『オメーのイカすリムジンでヨ、ダチん所までぶっ飛ばしてくれや!』と言えば、チュチュ様は車回してくれたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
でもおたえは自分の事情をバンドに伝えず、心をポピパに置いたまま、スケジュールはRASに振り回された。心と体、行いと願いがチグハグである。
もっとRASを信頼して、音楽以外の部分でも繋がれていたのなら、今回の失敗はなかったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
でも傭兵という立場、花園たえの人格、まずスキルで繋がるRASのムードが、そういう歩み寄りを許さなかった。そこら辺の雰囲気は、しっかり描写されていたと思う。
『こうあるべきだった、こうするべきだった』と”べき”を嘆いていても、おたえの涙は止まらないし、ポピパの未来も掴めない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
重要なのはおたえ自身が不器用極まる花園たえを理解し、自分が求める音楽とポピパの、RASの間のズレを把握することだろう。
『汝自身を知れ』
昔の人は良いこと言うね。
ポピパは大失敗なのに文化祭自体は大成功なところとか、ポピパを滅茶苦茶にした”敵”であるRASのステージングが観客をちゃんと喜ばせているところとか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
主人公を唯一絶対の正義として持ち上げすぎない視線も、今回丁寧に描かれていた。群像を多様に描く上では非常に大事だろう。
チュチュ様は強引なエゴイストなんだけども、RASプロジェクトで果たしたいミッションは鮮明だし、音楽への向き合い方は非常に誠実だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
自分が衝撃を受けたRoselia…というか友希那に、自分が成し遂げたミッションを見届けてほしくてチケットを手渡すシーンは、健気で可愛かった。
『文化祭があるから』で一発袖にした友希那さんが、どっちつかずのおたえと対比になってる所もエグい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
飛び級のチュチュ様(とRAS)はガールズバンドが身を置く”学校”という場を、どうしても共有できない。その断絶が、おたえとのディスコミュニケーションを生みもする。
学校外部のプロであるRASと交流することで、青春ど真ん中の学校バンドも得るものがたくさんあると思うのだが、今は断絶が強調されている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
しかしチュチュ様はじめRASも彼女なりのスタイルで本気であり、そこには意味も価値もあるとちゃんと描いてあることが、今も今後も大事だと思う。
おたえは音楽以外の言語がとても不自由で、それは”不思議ちゃん”という記号に収まらず、非常に生っぽい衝突を生み出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
既に一回バンドを壊している沙綾の震え。アーパーバンドを現実に適応させる任務と、仲間恋しさの間で唇を噛みしめる有咲。
ただただ震えるりみと、道化の仮面の奥で星の鼓動を暴走させる香澄。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
ポピパを引き裂いた不協和音が上手く芝居に乗って、空っぽの体育館は重たいけど、いいシーンであった。
ホンマは…あの子達にはただただ幸福に笑っていてほしくて…でもそればっかだと嘘になるってのも解って…(ジレンマおじさん)
かつて香澄に覚悟を問うた友希那の瞳が、もう一度尋ねる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
『お前ら、このままで主催ライブとか出来んの? キラキラも夢も足りてないじゃん?』と。
引き剥がされる出演表に刻まれた、数多の夢達。その輝きが、今は虚しい。
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そこがPoppin'Partyの現実であるというのならば、やはりそこからはじめなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
『厳守!!』の文字は、自分も世界も見えていなかったポピパの、香澄の、おたえに鋭く突き刺さるだろう。
『その痛みを力に変えて、立てよポピパ!』って感じである。バンドリギレンも思わず演説である。
んで次週、”RAIOT”である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
ポピパではなくRASの曲をサブタイに持ってくるということは、今回あくまでサブカメラで捉えていた”学校の外”にも、ちゃんと切り込んでいくということだ。
ポピパだけが世界の中心ではない。その冷たさが、彼女たちの青春に真実を宿す。
ならばRAS回は寄り道ではなく、絶対必要な王道ともなろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
自分とRASがどんな関係なのか。
何を求め、何を与えるべきなのか。おたえがちゃんと考え、メンバーの至誠に報いることはおたえ自身にも絶対いいことだろうしね…イヤでもつれーわ…無敵の花園たえが少女のように泣いているのはつれーわ…。
まぁ”楽しいだけじゃない 試されるだろう”って別コンテンツの先輩も言ってたし、ポピパの青春はここから…ここからにござる…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
今回ロックが見せたプロ適性が、RASとどういう爆裂を起こすかマージ気になってんだよな。お前のロックは、あのハードコアなバンドでこそ花開くぞ…。
星高くとも波多し、人が人である以上生まれる軋轢と誤解が少女に降り注ぐ、楽しい文化祭でした。ポピパのどん底と文化祭有頂天、上下を同時に描くことで世界の広さを見せるエピソードでもあったなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月28日
2ndマジおもしれぇぜ…来週も楽しみ!