鬼滅の刃を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
命よりも大事なものを足蹴にされた時、人は鬼に変わる。炭治郎は知らず響凱の尊厳を救い、伊之助の暴虐に激怒する。
”弱味噌”となじられる男こそが、本当の強さを知っていた。貫いた。
知ってたさ、そこに鬼がいるのは。
それでも、お前を信じたかった。
というわけで鼓屋敷の冒険終わり! 伊之助の株大暴落取引停止!! なお話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
いやー…『伊之助くん今後大丈夫なの?』と心配になってしまう、クリティカルなところ踏み抜きまくり大暴走だけども、大丈夫なんだろうか?
善逸の株価爆上げを見るに、まぁ大丈夫だろう(自己完結)
お話は響凱戦に決着を付けるところから開始。主人公・炭治郎の特質がよく出たバトルになったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
響凱は原稿を踏みにじられ、鼓を馬鹿にされることで鬼に堕ちた。その過去を、当然炭治郎は知らない。知らないが、鬼の尊厳を踏まない。
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鬼にも何か事情があろう。人を殺した罪は許せないが、鬼の中に未だ眠っている人間を踏みつけにして、いい理由はない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
そんな風に丁寧に敵を見据えることで、炭治郎は傷ついた身体の使い方を掴む。別に結果が欲しくて原稿を避けたわけではないが、それは善果をもたらす。
炭治郎は響凱に名を尋ねる。鬼もまた答えを返してしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
名前もなく、事情も知らず、とにかく猪突猛進殺し合い。
伊之助が後に善逸(の背後にいる禰豆子、その背後にいる炭治郎)に押し付ける無理解の暴走から、炭治郎は丁寧に距離をとっている。敵も味方も、よく顔を見ている。
殺す相手の目を見てしまうこと。戦う理由、堕ちる前の人間性を知ってしまうことは、戦士としては弱さなのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
しかし人としては強さで、靭やかな優しさと器量があってこそ、炭治郎はこの物語の主役たり得ている。殺す相手をただの鬼のままにはしないし、自分も鬼滅の機械にはならない。
ヒューマニティを巡る戦いの物語、とまとめてしまうと、あんまりにまとめ過ぎな感じもするが。まぁそういうところが焦点なのだなと、再確認できる闘いであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
人は鬼の名を呼びながら殺し、鬼は戦士の顔を見ながら死ぬ。
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そこにどんな意味があるのか、まだ確固たる形にはならないが、少なくとも仲間を足蹴に殺し合いを煽ることは、せずにすむ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
己の技(それは鼓の芸だったはずなのに、世界を捻じ曲げ切り伏せる武器に変わってしまった)を認めてくれた炭治郎に、響凱は涙を取り戻す。それが慰みか救いかは、難しい判断だ
作画ミスなのか演出なのか判別しきれないけども、本来指の先端で打つ鼓を、手のひらで打ってたのはちと面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
かつて人間であった時、思いを込めて修練した技術も、鬼になれば乱れていく。人を惑わし、殺す業前を正面から突破されて、響凱に巣食った鬼も消えていく。
炭治郎が元々人間であり、もう人間には戻れない響凱の名を呼び、目を見、技(戦士たちが唯一共有できるコミュニケーションメディア)を称えることで、彼は人だった最後の名残りを取り戻す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
そして死ぬ。鬼に許された救いは、死んで止まることだけである。後戻りはとうにできないのだ。
それでも炭治郎は死にゆくものに合掌し、その哀れさに情を残す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
武器を握ってなお人であり続けるのは難しいことだが、炭治郎(と彼を主役とする物語)はそれを続ける。
その優しさは、善逸を主役に別の形で演じられる。なるほどなー…これやられると、キャラも作品ももう嫌いにはなれねぇわな…。
善逸は意識を手放し別の存在になれば、凄く強い。雷光の居合で鬼の首を飛ばす、スーパーヒーローに変身できる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
しかし今回、善逸は弱味噌なヘボ人間のまま、負けない戦いに挑む。それは禰豆子を殺させない闘いであり、伊之助に殺させない闘いでもある。
自分の特別な聴覚が聞き取ったもの、自分だけの感覚を信じ切る闘い、とも言えるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
顔面ボッコに腫らして妹を守る善逸の危機を、炭治郎は”鼻”で感じる。少年たちの特別なセンスは、お互いの真心を感じ取り、決定的な瞬間を逃さないのだ。
善逸の”耳”が、炭治郎が長男顔の奥に隠す哀しさと優しさを聞き取り、無言の信頼を生み出していた流れはとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
異常なパワーを鬼殺しに使うだけでなく、非常に普遍的で力強い決断への導きにするのは、伝奇バトルとして正着であったと思う。力だけで正しく生きれるほど、人は賢くないのだ。
信じたい音を聞いてしまう、お人好しで馬鹿な自分。それを曲げたくないからこそ、善逸は箱の中の宝物を守り、炭治郎の願いを守った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
伊之助は刀を抜かない善逸を、弱味噌となじる。しかし刀を抜く強さしか知らない伊之助こそ、実は”弱い”のでは?
Aパートの炭治郎の鬼殺しを見ていると、そうも思う。
炭治郎マジギレ導火線に火が入るシーンは、ちと持ち過ぎな印象も受けたけども。しかしまぁキレるよ。足蹴にしちゃいけないものを踏みつけられると、炭治郎はキレる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
弱者最後の砦として、体を張って守り抜く。かつて家族が果たした、人間の証明。
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それを善逸は成し遂げたし、伊之助は踏みつけてしまっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
ぶっちゃけこっから浮上できるか怪しい、好感度ド底辺っぷりだけども、獣人・伊之助に人の道を教えていくのが、少年剣士もう一つの任務になっていく…のかなぁ?
まぁその前に兄貴怒りの鉄拳だな。殴っていいぞ、炭治郎。
炭治郎の中にも許せない一線はあって、烈火に燃える怒りがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
その時響凱のように刃で切り伏せてしまうか、拳に哀しみを乗せて命は取らないか。
堕ちるか堕ちないか、危うい線の上に炭治郎だっているのだ。特権的な聖人ではない。許せぬものに正しく怒り、見つめるべきを見つめる。その難しさ。
来週拳がどう突き刺さるかは、響凱に見せた優しさとはまた違う、主役の資質を見せてくれそうである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
そして善逸くん…キミは立派に主役の器であった…ごめん疑って…。
『知ってたよ!』はほんとヤベーな。キャラの全部が乗っかったセリフと決断だよなぁ…強い!
どヘタレで女好きで弱味噌なんだけども、本当に大事な最後の一線を聞き取り、信じて体を張れるってボッコにされつつ証明したの、ほんとに良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
この証明を鬼ではなく人間にさせるところが、凄くこのお話っぽいな、と思う。人は簡単に、鬼になってしまうのだ。
しかし同時に、鬼ならざる人は人と交わることで、やり直すことができる。正しさに帰還して、強く優しく生きることが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
刃の鋭さが、正しさの証明ではない。
己の命をどう使い、何を見据えるか。知恵を導く感覚を重視しているからこそ、少年たちは超人的な嗅覚・聴覚を備えているのかな?
そして伊之助には智慧がない。己の中の獣ばかり見て、仏に目を向けない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
仏教的な意味で畜生であるが、猪の毛皮を剥けば、人の顔もまたあろう。それを炭治郎怒りの鉄拳、引っ張り出せるか。
来週も主人公の資質が見れそうで、非常に楽しみです。禰豆子が見たい!(発作)
あ、連絡ネコチャンの仕草が完璧に”猫”で、良いところに作画力使ってんな、と思いました。猫の歩き方って、体重の入り方、抜き方が独特よね。だから足音がしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
動物描写がいいアニメはいいアニメだ。今後もどんどん動物さん出して欲しい。
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