スター☆トゥインクルプリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
美星中の太陽に迫る、偽物の黒い星。
策士テンジョウがそろりと、その笑顔に忍び寄る。
欺瞞の仮面など捨てろ。お前の胸から湧き上がる、黒い真実を叩きつけろ!
その叫びは、一体どこからやってきたのか。
太陽はなぜ、笑顔を信じるのか。
そんな感じの、えれテン創世記(ジェネシス)第一章なスタプリである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
そろそろ終盤戦が見えてきて、凄い勢いでノットレイダーが”人間”になってきてるスタプリ。
敵幹部でも比較的目立たない方だったテンジョウさんも、えれなをマッチアップ相手に、ゴリゴリと過去と感情を掘り下げられていく。
前回アイワーンの過去を描写する形で、瞳を隠し均質化されたノットレイダーが、それぞれの顔、それぞれの悲しみを背負った一個の人間であることが強調されていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
今回のテンジョウ先生襲来も、そんな鏡合わせの一貫と言える。スタプリ最終盤は、歪んでしまったもう一人の自分との対峙に回すか…。
さて、そんなテンジョウ先生の鑑となるえれな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
ここまでプリキュアチームの”姉”として”母”として、非常に瑕疵のない立ち回りを続けてきた。
朗らかな人格、持ち前の明るさ。色々デコボコした人格のひかララ、”家”の檻が重たいまどかに比べると、どっしり安定感のある…逆に言えば起伏の少ない立ち位置
えれなというカウンターウェイトが乗っかっていることで、サマーン星由来の成熟と未成熟のアンバランスを暴れさせるララとか、独自の知性を社会と青春に衝突させるひかるとかが、存分に思春期出来たというのは、間違いない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
ここでえれなまで揺れたら、チームに安定感が欠けてしまうわけで。
しかしそういう仕事を果たすために、えれなは自分の悩みや傷に存分に浸る、年相応の”子供”として十分に振る舞えていない感覚が、僕の中にはあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
人格者、年長者としての責務を立派に、自然に果たすえれなに頼もしさと敬意を覚えつつ、太陽も己の陰りを語って良いのでは、と想ってはいた。
そんな、充足の中の物足りなさを、テンジョウさんと向き合うことで今回のエピソード、しっかり埋めてくれた感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
第11話でカッパードさんがひかるに対して果たした、陰りを押し付けることで自分の中の光を際だたせる仕事を、この終盤でやってくれた、というか。
テンジョウさんは身体的にも雰囲気的にも、大人で余裕で策士である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
えれなは彼女が化けた教師に、真っ直ぐな憧れの表情を見せる。”妹”であるひかる達と向き合ったときは、なかなか見せれない顔だ。
そんな幼い光が、テンジョウさんの闇を際だたせ、苛立たせる。
カッパードさんとひかる、アイワーンとユニを見ても判るように、ノットレイダーはプリキュアの影である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
運命のボタンがかけちがって、なにか大事なものを失ってしまった元・正義。
自分が失ってしまったものだからこそ、苛立ち、否定し、心を惹きつけられる様子は、これまでの幹部描写でも濃かった
テンジョウさんにとってそれは”笑顔”のようで、記憶の中の短髪の彼女は、非常にシリアスな表情で欺瞞の影絵芝居を見下している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
具体的に何があったかは(まだ)解らないが、それがコミュニケーションを阻害する嘘でしかないと思い詰める”なにか”が、彼女を変えた。
カッパードさんがひかるの不屈と希望を、アイワーンがユニとの思い出に強く執着するのは、それが失われているからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
あまりにも大きく、喪失した後の虚無がポッカリと胸に穴をあけるほど、強く突き刺さったもの。それが”悪”を駆動させ、戻れない道に踏み込ませていく。
テンジョウさんは多分、笑顔が真実のコミュニケーション・メディアであってほしかったのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
しかし、(彼女の)現実においてそうはならなかった。だから、希望が失われた虚無を打算で埋めた。
所詮他人はコマ。心からの笑顔など、何の力もありはしない。
そう自分に言い聞かせることで、崩壊してしまった世界観をなんとか再構築させる。反転した信念を支えに、世界を否定していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
ノットレイダーはそんなふうに、かつての自分に”NOT”と言い続けている気がする。その視線が向かうのは、現実の光をけして諦めない戦士、プリキュアである。
テンジョウさんはえれなの笑顔に、人と人が分かり会える可能性への信頼に強く惹きつけられ、えれな自身がそれを否定するように仕向ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
傷つきおとなになってしまった自分と同じように、笑顔は欺瞞のツールでしかないのだと、それが世界唯一の真実なのだと証明したい。そういう欲望が、彼女を焼く。
しかしえれなは、孤独や疎外といった感情を既に乗り越えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
それは太陽たる彼女の周辺に確かにあって、しかし家族との触れ合い、己への内省によって、もう一つの側面へと目が向けられているものなのだ。
影は、たしかにある。私も、その只中にいた。
それでも、笑顔はみんなを繋げる。
えれなの周囲を取り巻く感覚は、ひどくありふれていてつまらない。宇宙規模の大破壊やら、故郷の消失なんていうドラマチックな悲劇とは程遠い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
でもその小ささが、彼女の人間味、当たり前の苦しさを乗り越えて”太陽”で居続けようと、己の在り方を決めた強さを支えるような気がする。
”英語スピーチ”という、言語メディアを通じ人と繋がる手段が今回のテーマなのも、上手くえれなとテンジョウさんを繋げていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
えれなは異質な自分と他人を見据えた上で、母のように父のように、異質なまま繋がれると信じている。違うことは、喜びに通じるのだと学んでいる。
それはテンジョウさんが信じたくて信じきれなかった、信じていたからこそ否定したい、現実の一つの形だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
テンジョウさんを取り巻く世界は暗い。暗くなるだけの理由が多分あるのだろうし、暗くあり続けるように、テンジョウさん自身が振る舞っているのもあろう。
それもまた、現実の一つの形だ。
大人で成熟しているように見えるえれなだって、そんな世界の暗さに傷つき、思い悩んだことがあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
美星中の太陽は生まれた時から輝くから、太陽たり得ているのではない。世界の薄暗い場所を、小さな少女の視線でしっかり見据えて、それでも輝くものを信じるから、笑顔で居続けるから。
天宮えれなは笑顔のサンフラワーなのだ。デカい…人間がデカいッ!! そらー、まどか先輩も一生『えれな…素敵です!』しか言わんわ。あの月は太陽が好きすぎ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
さておき、えれなは自分の中の薄暗い体験を踏まえ、それを乗り越えた経験を言葉にすることで、より説得力のあるスピーチを完成させる。
世界はキレイなものだけじゃない。薄暗い感情だって、そこにはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
そんな現実の陰りをえれなに思い出させ、『でも、だからこそ』と未来への希望を鮮明にさせたのは、テンジョウさんの誘惑であった。
望まず、教師として決定的な示唆を与えてしまう辺り”鏡”だなぁ、と思う。
闇に沈んだ、自分の世界観を壊さないために。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
多分かつての自分に似てる、えれなの笑顔を消すために。
テンジョウさんはえれなに強く惹かれ、自分と同じ諦めに飲み込まれるよう促す。多分、寂しいのだろう。
その働きかけは、陰りを乗り越えて輝きを選んだえれなの、一歩ずつの成熟を鮮明にした。
やっぱ無条件に輝く無敵のヒーローより、当たり前の傷を飲み込んで希望に目を向ける人のほうが、親近感が湧く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
失敗や迷いを知っているからこそ、現在進行系で悩む”妹”たちにも、より温かい対応ができる。
そこら辺の裏打ちが、テンジョウさんを相手取ることでなされた感じがする。
えれなは自分を裏切り、嘘をついたテンジョウの一撃を、真正面から受け止める。感謝すら言葉にする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
あなたにとっては嘘でも、私にとっては見落としていた影に目を向ける、大事な光だった。
自分を害そうとした悪意に対し、このリアクション。やはり天宮えれな…背中のデカいプリキュア…。
ある意味、コケティッシュで醒めたテンジョウさんより、えれなのほうが”大人”とすら言えるかも知れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
影を見据えてなお、光を信じようとする。嘘を知ってなお、笑顔で居続けようとする。
それは何も知らないまま、お人好しでいるのとは違う。選択の重さが、確かにそこにはある。
えれなは自分に執着するテンジョウさんの仮面、その下にある寂しさをじっと見据えていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
ここを機転に、グッとその心に踏み込む道が、スタプリ最終盤引かれていくか。いやはや、非常に楽しみである。
この導火線を活用すると、えれなもテンジョウさんも見事に語りきれる。そういう予感はあるんだよな
違うからこそ、断絶の向こう側を想像する。イマジネーションを、コミュニケーション・メディアとして活用する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
これはスタプリ全体を貫く、大きなメッセージでありテーマだと思う。
テンジョウさんは、えれなとは違う。人生経験の量も、受けた傷の深さも、生まれた場所も姿形も、何もかも。
でもそれが、全てを拒絶し否定する材料にはならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
沢山のものが違うからこそ、どこかに繋がり会える接点…ユニとアイワーンなら悪への接続であり、失われたものへの郷愁であったわけだが…を見つけ、それを手がかりに繋がっていけるという、希望と歩み寄り。
それを掴み取るべく、それぞれ形の違う、形にならないトゥインクルイマジネーションを探しているのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
ユニのイマジネーションが、アイワーンへの”許し”であったように。
憧れと憐れみを込めて、じっとテンジョウさんの焦燥を見据えていたえれなの思いは、”敵”に向かっていくのか。
今後の爆裂に期待が高まる、終盤戦の出会いエピソードであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
ぶっちゃけこのタイミングで敵幹部とコンタクトするのは、異例も異例な構成…なんだけども、全くもって遅くはない。
むしろ待ってたのさ…こういう爆弾をな。つーかテンジョウさんの感情がデカいんだが!!
テンジョウさん、コマちゃんコマちゃん言いつつ部下を道具扱いしてる感じ少ないし、根源的には情動の人なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
そういう自分を押し殺して”悪”をやってるからこそ、かつての自分に似てる小娘が、笑顔笑顔でキラキラするのは許せねぇ。私と同じ色に染まれ…人生を諦めろッ!!
この巨大感情爆弾が、どんな焼け野原を、そこに咲く一輪の花を生み出すか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
非常に楽しみであるが、来週はララの宇宙人バレつー大ネタである。
次回予告ラストカットの爆裂エモ力だけで、全国三千万人のひかララクラスタが”死”を予感しただろう。映画版でもう、俺達の情動はズタズタなのにな…。
敵性宇宙人の発見と摘発は、冬貴オヤジの職責でもあるので、まどかサイドにもデカい話になりそう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日
第35話で『ララにとっての学園生活』を描けていたことが、絶対効いてくるんだろうなぁ…終盤の有機的な構成ヤバいなスタプリ…。
情動死確定エピに向け、心臓を鍛えて来週を待ちます。マジ楽しみ。