安達としまむら を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
安達としまむらの日々は、ゆったりと進んでいく。
釣り堀で宇宙服の未来人と出会ったり、授業に出るようになったり。
少しの変化はあるけども、基本のったりのったりと。
でもそのスロウペースが、思わず軋むときもあるのだ。
片恋をしているのならば、特に。
そんな感じのあだしまアニメ、まったりと第二話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
イベントを追いかけているとあんま変化はないのだが、モノローグの中ではすんごい爆弾が連続で落とされていて、しかし表面上はトンチキを飲み込んで日常が転がっていく。
非常に独特のペースとテンポで、そこが面白い。
日常系…というには起きてることはヘンテコで、しかしそれを”普通”と飲み込んでしまう妙な奥行きがあって、安達の恋心はあっという間に危険領域まで沸騰してるのに、しまむらはそれが落着するスキを見せない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
二人の関係がどうなっていくかサッパリ読めず、しかしどうなっても面白そうではある。
掴みどころがないのに、その掴めなさが面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
かなり独自の味で、大変面白い。気に入りました!(第1話から気に入っていた)
モノローグの語り手をA/Bでスイッチすることで、二人のすれ違いと重なり合いを軋ませていく構成、なかなかにテクニカルだなぁ…。
さてお話は、釣り堀での邂逅から始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
謎の未来人を押し付けられたしまむらは、深いんだかテキトーなんだかサッパリわからない対話を続けながら、釣り糸を垂らす。
伸るか反るか、伝わるか伝わらないか。そんなことは、やってみないと分からない
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銀河の哲人が垂れる訓示には、たしかに一面の真実がある。特に、人間関係の不可思議に思い悩む高校生には。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
他人の心はわからない。画面を満たす過剰なモノローグは、目の前の相手にすら聞こえていない。
人と人との繋がりというのはそういうもので、確固たる答えがあるわけじゃない。
その曖昧さに息苦しさを感じつつ、表面上は上手く泳いでいるのがしまむらで、水から逃げて楽に息ができる相手とだけ話すのが安達かもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
比較的オープンな社会生活を送るしまむらは、安達に向かって釣り糸を垂らす。釣れるかどうか、餌が気に入るかどうかは、やってみるまで判らない。
そういうまったりした話なのかなー、と勝手に推察してたら、来たぜ特大の爆弾が…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
いやね、地球のJAPANじゃそういうの、あんまり”普通”ではないんですよ…。
イヤ、最近の女子高生では当たり前なのかも知れない…何も分からない…。
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イヤやっぱり安達の距離感おかしいよ! それを当たり前に乗りこなし、悪魔の反転すら許してるしまむらもおかしいよ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
『人間関係に正解なんてねぇし、コンセンサスが取れてるなら何でも正解なんだよ!』と、頭の中でもう一人の俺が言う。難しい…人間関係難しい。
お膝に乗っけて匂いをかぐ。そこまでOKしあう間合い感覚が、二人の間で共有されているのはよく判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
共有できる相手だからこそお互いに特別で、しかし共有しきれていないからこそ、色々思い悩みつつ、のったりのったり友情船は進んでいくのかも知れない。
普通じゃなくても、二人ならOK。
そういう狭い所にハマり込みそうになると、しまむらがふいっと竿を上げて、安達を日常に引っ張り上げたりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
体育館の水域を抜けて、教室という水槽に身を置く。ご褒美はドーナツと、二人だけの楽しい時間。
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そういう不良の構成物語を押し付けるには、安達の視線は熱すぎるし、しまむらは普通の授業に価値置いてないし、二人の歩みはギクシャクしすぎる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
安達の過剰な意識が、しまむらにサッパリ届いてない…わけでもないけど、受け流しつつ受け止めてる感じなのが、ズレたまま繋がる感覚を加速させる。
内面のモノローグは一人称であるが、映像は三人称で客観的に状況を切り取る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
安達のあからさまに発熱した視線は、山王戦の赤木バリに対しまむら意識過剰である。
『ふつーの友達』の埒を超えた熱量に、気づいてないのか気づかないふりなのか。しまむら、底が読めん子だ…。
Bパートで安達が内面を語りだすより早く、彼女の視線は唇の引力に引き寄せられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
友情と愛情と発情が混沌と入り交じる、壁際のスウィート・タイム。
俺、安達が結構性欲爆裂人間なの好きだな…”生きてる”って感じがする。
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友情の釣り糸に引っかかるどころか、釣り人ごとガブガブ丸呑みしちゃいそうな安達の勢い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
体は視線を追い抜いて、思わずその手を取る。ふつーふつー、友達ならふつー!
そういう免罪符貼って欲望を満たす小ずるさ、俺は好きよ。
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そんな二人の距離感が、縮まったと思ったらやってきました外来種! 恋の種火を飲み込むブラックバスが、宇宙服着て間に挟まるッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
このお話し、”特別なあなた”との狭い関係に話がINNしそうになるたび、強烈にブレーキ踏まれるのが面白い。
風通しの良い健全性を狙ってる…とも、また違う印象。
同性ゆえのタブー意識を外側から引っ張って壁にする感じでもないし、”正しく”なければならないという外圧も感じない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
でも、しまむらの気まぐれな欲求とか、謎の宇宙人の乱入とか、安達の踏ん切りのつかなさとか、色んなものが二人の関係が変化する決定機を邪魔…しつつ、熱量はアガっていく。
この奇妙な質感が、話数転がるとどうなっていくのか。なかなか楽しみである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
とりあえず百合の間に挟まるちびっこ未来人は、面白い触媒になってくれそうだ。
仕草がいちいち可愛いのが、なんかムカつくな…。
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しまむらは膝曲げてちびっ子と視線合わせるし、ドーナツも分けてあげる。そういう丁寧な社会性が備わっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
安達はしまむらと純粋に二人きりでいられないなら、スルッと身を躱して逃げてしまう。
そんな二人はそれでも友達で、またあの緑色の水槽で二人きり、出会い直しもする。
そんなしまむらの友達釣りは、まだまだ続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
そうすることで、人嫌いの安達に当たり前の社会性を差し出す自分でいることで、しまむらは何を求めているのだろうか?
そっちの釣り針には、まだ餌が見えない。
相手を釣る話に見えて、自分で自分を釣り上げるまでの物語なのかもしれないなぁ…。
一方釣られる魚は、溢れかえる青春のリビドーに翻弄されていた!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
『いや…億パー”そういうの”だろ安達さんよぉ…』とみんながツッコんだだろう、クッソ面倒くさいKISSの条件。
お前は一体どうしたいんだ、安達!
安達本人が、一番わからない!!
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そんな感じの恋の迷い路を、Bパートはのったりのたりと歩いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
Aパートでモノローグされた、友情レイヤーの世界の難しさ≒しまむらが問題視する部分を、安達が発情にのぼせてぜーんぜん見てない所が、身勝手で良かった。
人間、そんなもんだよな!
釣り糸垂れるべき社会の水面が、ある程度見えているしまむらに対し、安達はとにかくしまむらしか見てねぇ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
チャイナなバイト姿を見られたり、膝を折って視線を合わせて貰ったり。
でもそれは、安達相手だけの特別な対応…ってわけでもない。
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『誰にでも優しいしまむらが、特別に思って欲しい安達とすれ違う』っていう、分かりやすい形でもまたないんだよな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
しまむらの外面の良さはかなり作ったもんで、同時に家族と仲良しな環境の賜物でもあって。ドーナツ妹ちゃんに買ってくの優しいよね。
…安達の家庭環境、どんなもんなんだろうな。
未解決の厄介さがドシドシ積み上がる中、広がりかけた世界はまた安達を悩ませ、モノローグを画面が裏切る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
オメー『友達増えるの、全然OK』みてぇなこと口では言ってて、あからさまに飯食うスピード止まってんじゃねぇか!
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過剰なモノローグで率直に内面を語っているようで、表面に出てくる独白と、それを生み出す心理がズレているという、かなり難しい構成である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
それくらい人間は”自分”を釣り上げていないし、迸る思いという肴は自分の手を逃げていく…という話なのだろうか。”意識の流れ”みてーなラノベだな…。
独白で物語が構成されていくのに、安達もしまむらも結構信頼できない語り部であるってのは、この話の特徴だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
ふたりとも自分のことも相手のことも世界のこともサッパリ判っていなくて、それが思春期ってもんで、というか人間ってもんで。
だから見る足場は、見る側が自分で定めていく形になる。
ある種不自然とも言える、しかし物語受容の正道を押さえたこの語り口が、1クールの深夜アニメという形態とジャンルと噛み合った時、何が生まれるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
作品と同時に視聴体験全体を、客観視しつつ解体していくような感想になりそうで、おののきつつも面白い。
相当変な作品だなコレ…好きだな。
というわけで、暴走を始めた安達フィッシュは甘えん坊、しまむらの自室に上がり込み膝の間にINN! 靴は整えれるのに自分の性欲は野放しだぁ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
二人を水槽の魚として現状読み解いてるので、金魚鉢のフェティシズムは介錯一致で嬉しい。
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もうこの辺りになってくると、二人の間で共有されてる”普通”がどんなもんなのか、サッパリ混乱の極みであるけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
学校という”普通”の器からはみ出し、体育館の中二階で脆い結界張ってる子たちには、二人だけで通じ合う”普通”を手びねりするのが良いのかも知れない。
まぁ安達は自分の中の常識を、加速する恋情とそれに突き動かされる身体が引き離す状況に大混乱だけどさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
言ってることと、やってることが違う。
しまむらが社会と自分の関係に対して抱えてるネジレが、安達の場合は心理と行動の間に生まれてるのよね。
変な所似てるなぁ…だからツルンでるのか。
というわけで、親友の股の間で温まった恋心は爆裂寸前まで加速し、炸裂することなくなんだばしゃぁぁぁ! である。ヘタレッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
しかしその踏み込めなさが、なかなかに愛おしい。
奇妙に捻れたしまむらとの”普通”が、安達は大事なんだな…。
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キスすれば、告白すれば確実に変わってしまうだろう、不思議な友情。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
そこから離れた場所に想いがあるのに、妥協点であるはずの日常にもまた、愛着がある。
自分が知らない自分に変わっていくのも怖いし、そもそも自分がよくわからない。
安達桜、正しく思春期ど真ん中である。
『なんだばしゃぁぁぁ!』な安達の思いが、一体どう転がっていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
しまむらが身を置く広い世間と、どう触れ合いどう変わっていくのか(あるいは変わらないのか)
まだまだ、先は全然読めない。
つーか想定していたより、相当カオスで難しいお話だ。おもしれえなぁ…。
恋がどう成就するかとか、青春がどう試されるかとか、そういう目立つ起伏以上に、複雑で正体不明な世界と自分の中に、ドボンと潜る作風な気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
それぞれの息苦しさと、魂が呼吸する瞬間の喜び。
そういうモノにシンクロしながら見てくのが、良いのか悪いのか。まだ読み切れない。
しかしそれが面白い。ヘンテコな作品だ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月16日
ちびっこ未来人も可愛いジョーカーとして、二人の距離感をかき回してくれそうだし。
さて次回以降どうなるか、穏やかに見えて波乱万丈の人生喜劇は続く。楽しみだ。
期待通り濃厚に女と女なんだが、想定以上にヘンテコで思春期なの、嬉しい不意打ちだな…。