主題歌「Calling You」がとても有名な映画。この世の果てと見まごうばかりに寂れたネヴァダのガススタンド兼モーテル兼喫茶店「バグダッド・カフェ」を舞台にした映画。この「世界が終わっちゃってる感」の出し方が良い。鉄砲をバンガン撃つわけでも世界の中心で愛を叫ぶでもなくだっらだらだらだっらだら「終わった世界で終わった日常」が描かれるので、絵の作り方が非常に重要になるのだがその点はほぼ満点。なんつうか計算された薄汚さがむしろノスタルジーと叙情性をかき立てている。
だらだらだと時が流れながらしかし、「バグダッドカフェ」の面々と異邦人ジャスミンはじっくり地道に打ち解けあい新しい世界を構築していく。そのだらだら感と、じりじりと尻を焼く気持ちの良いこだわりがいい感じ。映像とBGMが織り成す映画空間にいるだけで気持ち良い、というか逆に底が気持ちよくないとだるくて見ていられない映画。僕は凄く楽しかったです。ダルくて。好きなんすよ。ダルいの。
