イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

年末! マリ見て一気読み 2

つうわけで祐美二年生突入編、「チェリーブロッサム」から「真夏の一ページ」までの互換を読み終わりました。間に母の居間掃除を手伝ったり。さて、祐美が二年生になったのか、それとも「銀杏の中の桜」というスターティングポイントに戻ったからなのか、ヘヴィな話が増えていきます。祐巳は悩み、泣き、人と交わり、傷ついていく。そうして、いろんなものを手に入れて立ち直る。
あからさまに嘘で出来たりリアンという楽園に、あえてとても人間的な葛藤を入れるのは、緒雪先生がやっぱりこの作品を少女小説として位置づけているからなんだと思います。このあたりから、各人のキャラクターに深みが増してきます。各々が各々のものの考え方と認識を持ち、それに応じて各々の問題や楽しみを見つけていく。そうした「生きた少女たち」を、コバルト文庫の最大の読者である「生きた文庫たち」に届ける。それが、リリアンという人造庭園で会えて、人間と人間の問題を扱い始めた理由なのではないでしょうか。
ノリドリコンビの一年組や、真美などの新キャラクターもとても魅力的。この時期にピックされて登場するキャラクターは、まぁマリみてに出てくるキャラクターで嫌いなキャラクターはいないわけですけども、とてもいい。ここら辺もやっぱり、各々の価値観と認識の違い、というポイントでしょうか。特に乃梨子は、リリアンという楽園の常識の外側からやってきた部外者であり、だからこそ物語において特異な地位を占める、素敵な存在だと思うわけです。