イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

デジタル音楽の行方

デヴィット・クセック&ガード・レオンハルト翔泳社。音楽のデジタル化による現状の音楽業界の変化について述べた本。さてはて、まぁタイトルどおりの本である。この記述を読めるということはつまり、ネットに繋いでいるということであり、ということは音楽をパソコンで聴いたり、iPodなりなんなりのMP3プレーヤーで聞いていたりするかもしれない。
その通り。音楽はデジタル化されている。データ化された音楽はP2Pでやり取りされ、やれ著作権がどうしただのややこしい問題を引き起こしている。この本はそういう、僕たちにとって身近な問題から出発する本だ。少し身ぶりが派手すぎて、声が大きすぎて、カルフォルニアの匂いがきつすぎるけど、確かにメジャーレーベルが黙占していた時代の音楽はデジタル=モバイル音楽の出現で崩壊する、というこの本の主張は、そこまで間違っていないと思う。
あらゆるデータはデジタル化される。文字データはディスプレイの問題でまだまだ持ち運びが厳しいけど、音楽/音声データのデジタル=モバイル化、そして脱市場化は避けられない流れだし、現実の問題だ。技術は現実を変えるし、現実が変われば経済体の構造も変わるだろう。今ある形にしがみ付くよりも、新しい形の流れに乗るべきだし、そこには利点がある。こう主張するこの本は、確かにそれなりの説得力を持っている。良著。