イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ハチミツとクローバー 9

羽海野チカ集英社。つうわけで大体一年ぐらい? ぶりのハチクロ。さってだらだら楽しむかと思ったらスゴいことになってたので、バレトーク。
終わるなぁ。終わっちゃうなぁ。この展開は終わる。というかまぁ、こう終わるしかない話ではある。
とっとと片がついた間山を置いてけぼりにして、はぐは大事故、森田は復讐完遂&兄貴失踪、竹本くんは沼、山田さんは……野宮さんがいるからなんとかなるか。結局はぐで形成されてた気持ちいい空気が、はぐがぶっ壊れることで一気に壊れた、っていう話、なのかなぁ。森田さんもDP低いし。竹本くんもどーなることやら。
気持ち言い嘘を打ち壊して、障害の残るほどの大怪我っていう一番生々しい(たぶん死んでしまうよりまったく以って)事象をラストに持ってきたあたり、羽海野先生の本気が見えます。ずっと心地よく嘘の世界を作っていたポエムが、ことここに至っては思い切り刺さる。
というかまぁ、ずっと生臭かったんだが、それを消して余りある気持ちのよさってのがずっとこの作品にはあって。一つには、はぐは小さいので、少女マンガなのにセックスのことを絡められない、っつう巧いつくりが遠因なのかなぁ、とか終わりの始まりが始まったこのタイミングで思ったりもした。ずっとだらだらとひっぱて来た森田のキャラクターも、はぐのイノセントも、竹本くんの青春も、はぐの破壊と再構築というこの状況でまるきり裏返った。
でもたぶん、見返してみれば。ハチクロはずっとそういう話で、それでもなお、心地よい場所であったこと、ということが羽海野先生の凄まじいところなんだろうな、と何度も思う。それが終わるためには、今まで積み上げてきたやわらかいものを全部剥ぎ取って、地金を全部むき出しにして終わらせるしかないのかなと。そこに真っ向勝負で向かい合うのは、すごいなと。そう思うわけです。
修ちゃんが妙に落ち着いているな、と思いましたが、リカさんのリハビリテーションも同じかそれ以上のレベルだったわけで、修ちゃんはある意味経験者なのか。そこらへんまで含めて伏線だとしたら、それはスゴい。伏線でないとしても、現在の状況ではぐをホルドできるのは修ちゃんなわけで、その状況に持ってこれたキャラ操作能力はやっぱりスゴい。
どうなるのか、どうするのか。いろいろ気になりますが、ここまで来たら黙って押し流されようかな、と思います。終わりを巧く迎えることさえ出来たら、このお話はたぶん、とても凄いお話になる。漫画が巧く終わるのは、とても難しいと思うから。後一巻か、二巻。今は待つ、楽しみに。