イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

マリア様がみてる 大きな扉、小さな鍵

今野緒雪集英社。は、つうわけでマリ見て。フライングでゲットなので
このタイミングで一巻はさむのは想定済みでしたが。今回は動いたなぁ。後書きでもかかれてますが、裕美視点の話が一つもない、という実験的な造り。とはいうものの、祥子の卒業の後も続けるならば裕美を主役にするわけにもいかず、ここで布石を打っておくのはいい手だな、と感心しました。
そこらへんの巧さはさておき、今回は乃梨子瞳子ですよ。僕は瞳子がとても好きなので、「ハートの鍵穴」で今まで貯めに貯めた瞳子の心貯金が大散財。へんな言い方ですが気持ちよかった。いや状況的には瞳子心の大ピンチであり瞳子が好きなものとしては非情にキリキリするわけですが、宙ぶらりんな状況に片が付いたのと、乃梨子の拾い方がとにかく良かった。
瞳子がツンツンしてる理由とか、それでぶっ崩れた松平家とか、そこらへんはマリみてにあるまじきヘヴィさだったわけですが、逆にその重さが良かったなぁ、と。マリみては嘘ばかり付いている話で、その嘘が気持ちいい話なんですが、瞳子はほんと20巻近く「イヤな子」のスタンスにいたわけで、そこをひっくり返すにはこの重さが必要だなぁ、と。んでもって、嘘のつき方の巧さは今まで出証明済みなわけで、この重さも乃梨子と裕美がスパーン、と跳ね返してくれるだろう、つう信頼が置けるわけです。
ここら辺の重さと嘘のバランスは、やっぱ30巻続けてきて、しかも丁寧にやってきた部分の強さだなぁ、とつくづく思います。まー個人的には、どんどん追い詰められて追い詰めていく瞳子が崖から落ちる寸前で手を伸ばした紀子のかっこよさがグッと来ましたね。乃梨子はとても好きです。志摩子さんとイチャイチャキャッキャうふふあははしているのもまた良し。白は安泰だな。
ともあれ、瞳子一人称で心の裏っ側まで暴露されました。スケジュール的にも年末でいけるでしょう。「チェリーブロッサム」で登場してから延々引っ張ってきた瞳子の「イヤな子」の部分を、どっかーんとひっくり返す緒雪マジックを安心して待てる、そんなターニングポイントの最新刊でしたとさ。しかし瞳子はマブい。やっぱり好きだ。