PBeM「unscripted」に関する小話も四回目。今回はWistera6ファイナルマッチと、全体の話を。
第九試合 新堂鮎香 VS 五十崎嵐
ミニマム級トップツーの再戦。3ラウンドまでもつれて鮎香が激戦を制しました。
この試合は本来参加していなかった五十崎を、田中君に頼んで引っ張り出してきた試合です。田中くんは、劇破の方でもスペシャルマッチにキャラクターを出してもらっており、今回(ていうかいつも)足を向けて眠れません。ありがたいことです。
まぁラスト、結構動きのある3ラウンドマッチということで、結構な分量を書きました。Wisteria6全体に言えることですが、「どう勝つか」よりも「同負けるか」のフォローアップに心を砕いた試合でして。五十崎は非常に「強い」(スペックも気持ちも立ち位置も)キャラなので、負かせ方が結構難しかった部分があります。そこらへんを田中君とホットラインを繋ぎ、それなりに打ち合わせて今回の描写となりました。
鮎香は五十崎に負けて、才覚を天才肌から努力家に変えています。まぁミニマム級なのに体力・生命力ともに13だからどうしてもオーバーワークが欲しかった、ということもありますが。負けて才覚特徴を取り替えるのは、unscriptedにおいて結構おいしい動きだと思っています。その直接の原因になった五十崎との試合なので、「センスでヨユーでした」という流れもよりも「磐石にハメました」という流れにしたい、というPLコバヤシの思惑もあり、ああいう勝ち方に。ここでも第四試合同様、「迷ったら才覚」の法則が出てます。
鮎香のセコンドに付いた芳希は田中君のキャラ、五十崎のセコンドに付いた果実はコバヤシのキャラと、実は互いの陣営に互いのキャラが入っている状態。お互い手持ちが多いどうしなので、こういうことも起きます。日枝はこの試合で出た二人が超新星(デビュー一年以内でトップグループ入り)なので、元気のいいジムだな、と思います。動かしていても陽性で動かしやすい。対する修拳は、メンバー通しのつながりがちょっと弱いのと、それが今回露呈したので、次回以降そこを強化していく動きが出来ればいいな、と思っています。
んで次以降ですが。五十崎は自分で「スタイルチェンジします」と言っているので、そのように動くといいと思います。さっきも言いましたが、せっかく才覚があるゲームなので、機を見てそれを入れ替えていくのは、とてもおいしい動きです。キャラクターを固定させるのも非常に重要ですが、イベントに反応して変化してくのもまた重要ではないでしょうか。そういう意味で今後の五十崎には要注目です。鮎香は強敵を下し、ミニマム級に実質敵無しのところまで来ました。まぁまやとのタイトルマッチですね。
Wisiteria6まとめ
はじめて藤の記述を担当したわけですが。やっぱり、メンタルな部分の記述のほうが、共有性は高いな、と思いました。なんだかんだで、「とにかく入りのタイミングを見て、自分からは絶対に無理攻めしない。相手がじれたらカウンター入れて足止め」とかテクニカルな記述よりも「気持ちで勝った」のほうが知識が無くても受け入れるわけです。気持ちは基本的にどんな人も持っているわけで。
でunscriptedはスポーツを題材にとっているので、気持ちだけで勝たれても困る。「気合で立ってますよ!」は便利な言葉ですが、少なくとも絶対の真実ではないわけです。というわけで、今回は「メンタルがテクニックを裏打ちする」ということを重点的に書きました。まぁコバヤシがMMAのテクニックに疎い、ということもあるわけですが。劇破よりもそういう参加者比率がより高いので、unscriptedの理念と読者の理解をすり合わせるつもりで、今回の記述になったわけです。
すり合わせ、という意味では勝ち負けのすり合わせもそうです。unscriptedはスポーツが題材なので、勝ったやつは偉いです。それは大前提。だけど、勝った人もPLなら負けた人もPL、どっかでしわ寄せは発生します。勝った人は勝っただけで偉い以上、演出の基本軸を大きく乱さない範囲で、負け方のフォローアップをたくさん巻きました。いや、やっぱ負けるとツラいしね。容赦なくへし折るのもありっちゃありなんですが、ここら辺はコバヤシの好みです。
まぁいろんな意味で劇破とは違う大会で、色々面白かったです。今回はあくまで舞台裏なので、タイトルマッチはなし。各キャラクターの立場をはっきりさせたり、今まで隠していた部分を浮き彫りにさせたりと、「繋ぎ」を意識して書きました。サラブレの次のWistera07でこの「繋ぎ」が生きるといいな、と思っています。
というわけでWistera小話はこんな感じで。勝ち負け、周りの動きなど皆で相談して、より面白く出来ればいいな、と思っています。次は劇破が始まってからまた書きますよ。