イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

スプライトシュピーゲル 2

冲方丁富士見ファンタジア文庫。ウブチンのシュピーゲルプロジェクト、蟲娘チームのほうの第二巻。二巻になってキッチリプロジェクトっぽい流れになっており、犬娘チームのほうでやった話しの裏側でもあり表側でもあるようなリンク具合であります。結構大きく広げたシュピーゲルプロジェクトという風呂敷ですが、現状ではたたみかたナイスな感じです。
基本群像劇なので、ライトが当たるキャラクターが毎回違うわけですが。2では犬チームは黒、蟲チームは青が物語経験値を稼ぎました。「昨今の腑抜けたらラノベの奥歯を全部抜く」という意欲のもと、露悪力全開でやってた1にくらべて物語とプロジェクト自体を廻すことに注力できる感じになってきました。
プロジェクトとしてのリンクは、確かに今までの小説になかなかないドライブ感でとても面白い。それもこれも、ラノベでやるにはちょっと分厚いネタキャラお話後世の小説二つを、キッチリ同期させるウブチンの筆力のおかげかなぁ、と思います。同時に噛みにくいだろうなぁ、とも思うわけですけども。まぁ僕はそういうところがすきなのです。小説はやはり、文字の塊としての歯ごたえと背骨でまず評価されるベキなんじゃないかな、とかね。
まぁオイレンとのリンクもキッチリ同期しており、小説としてもようよう出来た作品でした。満足満足。