荒川弘、スクウェアエニックス。漫画人荒川センセーの骨太少年漫画、１７巻目。ココまでトップを走り続けて面白さも漫画力も、丁寧さも誠実さも衰えてないってつくづく凄いね、と改めて思ったりもしました。バトルマンガ気味なのに戦力のインフレはないし、説教も演説もなし。徹底的に漫画であり圧倒的に漫画。グッド。
さておきストーリーのほうは北方戦線二巻目。今回もアームストロング姉が女傑ぶりを思う存分振り回し、ほぼ主役と言っていい活躍でした。ロイとはまた違った軍人気質で、徹底したリアリズムとパワーポリティクス、そして汚れず落ちずくじけない気高さを持っております。荒川先生の漫画全般に言えますが、群像劇でキャラ被りなしーのキャラバリ立ちーのはゴッド領域だと思います。
中央のロクデモナーイ軍人一矢報いたと思ったらなんともならなかったり、相も変わらずままならない世界観であります。今回は山谷で言えば谷のところでありまして、キンブリーが牙を見せたり、スカー一行が地道に情報を集めたり、最後のヒキがすんごいことになっていたり、盛り上げるための助走ですら面白いのはやっぱりいい。今後の展開とか収束とか色々気になる、やっぱり面白い漫画ですね。
