イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

よつばと! 7

あずまきよひこメディアワークス。微妙にピンキッシュな方面にアピールする月刊青年誌の中で、図抜けた一般性を有するあずまきよひこの第二の代表作、七巻目。電撃レーベルで小学生の子供に世ませれる、わかる漫画ってこれぐらいじゃねぇのかなぁ。「子供だましで子供は騙せない」という言葉を使った僕の友人がいましたが、この漫画はまさにそういう漫画で。
とにかくよつばという子供と彼女を取り巻く優しい世界が一日一日、丁寧に時を刻む様子を切り取った漫画でして。今回は牧場に行こう! というお話をメインに、ふうかのお友達しまうーさんが登場したり、よつばがお使いをしたりしました。しまうーさんはいかにもふうかと波長が合いそうだなぁという変な女の子で、とても好みのタイプです。
思えばあさぎにとら、えなにみうらと一番上と一番下は合い方がいたわけで、真ん中の相方登場は遅いといわれれば遅いですよね。でも、丁寧に話しを組んでくれたせいか、別に不満もなくただただこの世界にまた暖かいひとが増えたなぁ、とただにんまりとしました。さらっと流してしまう気持ちのよさですが、絵の巧さ、話の造りなど圧倒的な漫画力があるからこそのこの引っかかりのなさだと思いますよ。自然是難儀。
んで。メインエピの牧場話は間にちまちま話しを挟みつつ(僕はこの形式がとても好きで、「エピソード」のように連続していない日常を表現する上でとてもいい方法だと思っています)あずま先生の動物描くの大好き力が遺憾なく発揮され、非常にグッドナイスなお話に仕上がっております。ヤンダ再登場ですが、ヤンダは他の全登場人物と違い「よつばと同視点で接する」人なのであり、一見ガキっぽい言動もまたそういう理由だと気付いてからはむしろあずまきよひこの巧さに唸る要因になっております。
空気の気持ちよさ、人物描写の巧さ、気持ちのいい笑いのとりかた。相も変わらず、という言葉は流石に七巻続く漫画で、しかも別に大きなお話のスジがあるわけではないこのマンガには当然出てきますが、それだけではすまない巧さ(を感じさせない巧さも含めて)を維持し続けているつうのは、なかなかできるものではないと思うわけですよ。いや面白い。