イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

絶対可憐チルドレン 11

椎名高志小学館。最近妙に面白いサンデーの中でもぶっちぎりの80年代臭さを誇るエスパー漫画の十一巻目。捲土重来をかけ、読み切りから連載まで一年かかったせいもあってか、無事十巻の大台を越えたのでとても嬉しい。椎名先生は漫画巧いので、もりもりと評価されてほしい。面白い品このマンガ。
んで今回は、長めのエピソードを日本収録。最初のエピはまぁまんま「アルジャーノンに花束を」なんですが、宮本の今いる状況と巧く重ね合わせて、単純にシチュパクって来ただけで終わらせないいいお話でした。賢木先生との馴れ初めなんかも描写され、全体的に漫画職人の巧さが耀きまくる良エピソードだと思います。いやね、花束系の話に僕は非常に弱いの。KANONもまこぴーだけ六回ぐらいやった。
んで次回に続いてる後半エピは、一転してぜっちるらしいダークネスなお話。遂に「エスパーを使うノーマルの集団」が敵として出てきました。80’sエスパーSFの正しい継承者たるぜっちるには絶対なきゃいけない悪役ですよ。グッドナイス。ぜっちるが新伝奇ではなくエスパーSFなのは、チルドレンの能力が一般に認知されていることなんですが、同時にマンオーバーマンでもある。そこのハザマを書くためにも、これは重要。
それいう視点で見ると、台詞一個一個、コマ一つ一つに「重要なエピだから気合入れる」という気概が見て取れ、非常に面白いです。緊迫感の維持と弛緩の巧さは流石の漫画力。メインエピソードでこういう風にどきどきとげらげら出来るのは、このマンガ読んでてよかったな、と思う瞬間であります。でもネーミングはあまりにも009だと思うんだ。
ともあれ職人的漫画力と、キャラの彫りの巧さが際立つ感でした。おもしろいのう。