イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ブギーポップ・クエスチョン 沈黙ピラミッド

上遠野浩平電撃文庫。何年ブリでしょうか、ラノベの金字塔にしてまだ終わってねーわよ小説、ブギポの最新刊でございます。えー、今回も終わりの気配は一切見えませんのであしからず。なんというかま、別に世界観の謎が丁寧に明かされるとか、そういう親切なシリーズでもなく、長々とした作者の繰言に共感できるか、初代に脳髄をえぐられた人が追いついているシリーズなのでしょう。僕は両方です。
んで。ストーリーとしては「パンドラ」っぽい青春群像でござんして。久々のブギポでしたが、どこまでも行くところなくぐるぐる回るジュブナイル力は健在。上遠野先生の得意というかこれしか書かないというか、ともかくそんな感じのどうにもつかみどころのない何か言っている様で言っていないサムシングが丁寧にかかれてます。
逆に言えばそれしかないんですけどね。なんつーかなぁ、ああまた上遠野だあね、と安心してその文体の巧さと独特のテンポに感心すると同時に、まぁた上遠野だなぁ、とどことはなしに嘆息してしまう感じかなぁ。終わらん話に延々つきあっていると、色んな物が零れ落ちて磨耗するなぁと痛感します。それでも好きなんだけどね。
あと、水無星とブギーポップを相変わらずワッショイしすぎだし、竹田君より凪ちゃんより、安定してスプーキーがレギュラーだったりとか。このシリーズに付き合ってる人にはおなじみな部分も変わらずです。しかしながら小説はやっぱり巧く、こう、どーにもならん部分に詩情を込めて書かせると当代一なのは否めません。うむむ。
まー良くも悪くもいつものブギポ、いつもの上遠野です。少なくともメビウスの悲劇二の舞、とはなりませんでしたよ、と。