中村光、講談社。モーニングで出張連載を読んで脳髄が飛ぶほど面白かったのと、回りの評判が非常に良いので買ってみた。仏陀(本人)とイエス(本人)が東京都立川でルームシェアして、微妙にオシャレを目指した日常を送る、という漫画。イエスはブログもMixiもやってるし、仏陀は手塚教徒だったりする所帯感がたまりません。あと妙にフェミニン、つうかゲイっぽいところが好き。
んじゃあ罰当たりなことだけが面白い漫画なのか、というとそういうわけではなく。巧く日常を観察してあるあるネタを回収しつつ、そこに聖☆人二人が押し込まれる違和感と楽しさを、すごく巧く振り回しています。世界の構築、空気の作り方がとにかく上手く、漫画巧いなぁ、って感じ。なにより、仏陀とイエスの逸話ネタが小刻みに差し込まれて、立川の六畳アパートというアパートとの温度差が面白くてしょうがない。イカす。
まぁ微妙に難しいネタなんですが、硬すぎて面白くないわけでも、柔らかすぎて腹が立つわけでもなく、きっちりリスペクトを持って聖☆人二人を上手くギャグの領域に落としこんでいる。その上で、上手さだけではなくセンスの良さがビンビンに感じられる、非常にバランスがいい漫画。多分だけど評判になるような気がする。うむうむ。次も楽しみ。
