イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

絶対可憐チルドレン 12

椎名高志小学館。打ち切り懸念も何のその、遂にアニメ化古くっさいエスパー漫画の十二巻目。いやー、正直これをアニメ化せざるを得ないサンデーの追い詰められ方に色々とヤバい気配を感じ取っちゃいます。いや好きなんだけどね。どう考えても、リビングホースのアイを引っこ抜く21世紀アニメ業界に、向いてる漫画だとは思えないのね。
まぁそこら辺も突っついてみるつもりなのか、「エスパーを利用するノーマルの犯罪集団」である"黒い亡霊"との対決が、二本入って今回のメインであります。悪の組織に臆面もなく、ブラックファントムって名前をつけちゃうあたりわりかし好きよ。てこ入れの方向性として正しいかどうかはわからんけど。まぁこのマンガはエスパー漫画だからいいと思っているので、バトると漫画の背骨がベッキリ行くと思うのですが。
今回の合体攻撃で洗脳解除、も簡単にパターン化、というか水戸黄門の印籠化しそうであり。しかしながら、同様にバトるルートになりかけた九巻ラストからの展開へし折り加減を見るに、わりかし何とかなりそうでもあり。そこらへんの、ボクが読みたいものと編集が書かせたいもの(と僕が思っているもの)の土俵際のせめぎあいが、漫画の上部レイヤーで楽しくなって来てます。アニメ化でさらに加速の予感。
さておき、単純にバトらせるには色々生臭い漫画で。BABELは内務所属の機関で構成員は全員(半?)軍属、今回判明したように、この世界の軍事担当は防衛庁ではなく国防庁。敵ポジションの組織も「エスパー解放戦線」に「エスパー排斥組織」に「エスパー利用組織」とメンドいことに。いい塩梅にコメディやってますが、ちらりちらりと生な地金が見えるところが、エスパー漫画好きとしてはたまらんわけです。
まー「少年」サンデーである以上わかりやすくプレスするのも大切だと思いますが、個人的にはコメディーの狭間に差別と人死がかする現在の攻勢は非常に好みなワケで。そこらへんのバランスを崩さず、個人と戦うのではなく、社会や通念と戦うSFとして展開してほしいモンです。そういう方向であれば"黒い亡霊"もゴリゴリ掘っていってほしい。いい塩梅に黒い組織だからね。
ともあれ、今回は全体的にエスパーモノっぽいダークネス加減で大変宜しい。相変わらず皆本はチルドレンとキャッキャしてたしね。うむうむ。全然関係ないんだが、こっちの自衛隊(国防軍?)にはF22制式なのかぁ。色々国際情勢とか、年表とかも食い違ってんだろうなぁ。太平洋戦争も、エスパーの存在で結末パラレルっぽいし。そこらへんの話がもうちょっと見たい。