吉田正紀、小学館。異能力者必殺仕事人漫画、無事に五巻目。いい塩梅にエピソードをこなしているんですが、なにぶん地味なせいか本紙のほうが地べたスレスレの平行線。そこらへん一体どうなるのよという部分も気になりますが、今回収録されているのはそこらへんのつめ足を感じさせない、紙幅を広々と使った余裕のあるエピソードです。
とりあえず、「鑑に写った悪い自分」ネタをやりつつパワーアップ。といっても、新しい技が使えるようになったのではなく、単純に新しい服を手に入れただけ。地味だ。あとがきで、作者本人が言っておりますがね。でもそこがいいのよ。あと、ユウ君のヒートブレイドとニナミちゃんの太もものスリットがとっても素敵よ。ニナミちゃんムチムチね。ステキね。
あとはユウ君が自分のオリジンを語ったり、ニナミちゃんが自分エピを貰ったり。焦ることなく、キャラを増やすことも能力インフレに陥ることもなく、仕事人モノに必要な苦味たっぷりに漫画しております。……そこらへんがよくねぇのかなぁ、若い子のウケとしては……。いや、自分はずっぱり楽しんでいるんですけどね。こういう考えに至ると、ああ年食ったのかね、などと思ったりもします。
さておき、ようやくネームドの常連が新登場して次回に続く、というヒキ。姫はどう考えても咎人会深入りフラグなのですが、そこを掘り下げるまで連載が持つかなぁ……。事故らないように丁寧にエピソードを作っている、漫画力のある漫画なわけですが。言い換えれば瞬間最高速はそこまででない漫画なのかな、と。僕は出オチ漫画より、腰が据わっているマンガのほうが好きなので、このマンガがとても好きなのですが、ね。うむむ。
