イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

シグルイ 11

山口貴由&南条範夫、秋田書店。紅い核実験場の看板、11枚目。伊良子VS藤木戦が、見事な伊良子大勝利に終わった後のお話。藤木としては激しく腹を切りたいが、上意を持ち出されては武士はどうにもならぬ、という展開。使者を白装束で迎えるシーンに、とっとと腹を切りたい藤木の熱が見えました。死ねればまだ楽、というのはまこと残酷で、若先生楽しんで描いてるなぁ、と思った。
今回最大の受難は孕石家で。親父さんはなんも悪くないのに切腹、雪ちゃんは解釈させられた上に、上意で死ねない藤木に逆撃されて死。どうにもならない。不条理こそが残酷というのであれば、まこと孕石は残酷の犠牲であります。雪ちゃん、最初変な孕ませエピソードといっしょに出てきた時はただのチャラ男だったのに、こんなに死んで淋しい存在になるとは思ってませんでした。最後まで「つか」とか「やっぱ半端ねぇ」とか、ステキな言葉使いだった。
んで。藤木と雪ちゃんに挟み込む形で、「がま剣法」開始。このマンガにキジルシしかいないのはいつものことですが、千加さまのエキセントリックぶりはまた今までとは別の方向で。馬を担いだり、人の皮を素手で剥ぐのが"乙女の恥じらい"で通るあたり、この漫画はゴッツイね。親父殿も負けず劣らずキだし。いいこといった直後に兜を全力投球するのは台無しもいいところだけど、屈木に同情はできません。人外の気持ち悪さがあるからね、屈木には。
狂気じみた武士世界に生きるのであれば、みな気が違っているのもいたし方なしか。そういうところは、最初からずっと曲がってませんね、ほんと。エピソード的にはそろそろ終わりそうですが、月岡先生が出てるので不殺剣はやるのかなぁ。がま剣法ぐらいサックリまとめてくれると、色々ありがたい。