イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

GUNSLINGER GIRL 10

相田裕メディアワークス。「小さな女子が鉄砲を撃つ漫画」の先駆者で、後追いとは結構違う場所に行きそうな漫画の十巻目。今回は一巻丸々トリエラの話。コレでトリエラとヒルシャーのお話は、一応ケリがついたという感じ。まぁ、もう死ぬしかないという形でのケリではあるのですが。そもそもにおいてかわいい女の子が殺したり死んだりというお話であり、ペトラが出て来る五巻からそれを隠すつもりもなくなったこの漫画では、そういう形のケリしかないのかな、と思いました。
十代の女の子を人殺しマシーンに改造して使い潰す、という漫画的ろくでもなさに、おそらくは一番最初に手を付けたこの漫画は自覚的でして。延々葬式の準備をしているような薄暗い雰囲気のまま、ここ五巻ぐらいは続いてきました。途中でピノキオをぶっ殺したり、アンジェが死んだりしながら、淡々と死ぬための準備が続いています。今回はトリエラが持っていた物語の要素が全部使い果たされて、結局公社に残る以上、この子も死ぬんだなぁと奥歯をかんだりしました。
この間に収められている最後の二話、「ヴェンデッタ」は一応主役っぽいジョゼとジャンの話であり、彼らの物語要素がおそらくは終わる話だと思います。となると彼らが預かっている子供も、彼らの物語が終わるといっしょに終わるのかと思うのも当然であります。十巻に渡って敵役を務めてきた五共和国派もそろそろ終わる、と明言されている以上、この話自体が長い生前葬の季節を終えて、あるべき終わり方を迎えるのかもしれないと感じます。この漫画が最初から終わっている話であることは、僕はずっと気にしていたことであり。次の巻を寂しく待ちたいと思います。