イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

鋼の錬金術師 21

荒川弘スクウェアエニックスゼロ年代の少年漫画、スタンダードの二十一巻目。どうやら最終章開幕らしく、ロクデナシタカ派国家でクーデターの気配です。じわじわと地固めの描写を続けたおかげで、ここの緊張加減が絶妙であり。成功か失敗か、どうにも読めない綱渡りが続いております。どーなんだろうね。
この漫画がスタンダードとして、唯一の椅子を踏み倒した理由は「バトルをしない」ことにあると思うわけですが。正確に言えば、バトル「だけしか」しない漫画とは一線を画している、というか。色んなピンチが訪れるのですが、それは目の前の敵がつえーんですけど、ということだけではなく。倫理的なものであったり、技術的なものであったり、社会的なものであったり。障害の積み上げ方がバラエティ豊富で、かつ説得力豊かだということですね。
んじゃあバトルバトルの部分はどうか、といわれるとコレが面白い。相変わらず絵が巧い。ついに前線にたったプライドはつえーんですけど、って感じだし、その上で主人公サイドの封じ手描写も冴えている。絡め手も王道も、両方威力がある漫画だね、といまさら思い知りながら、最後の最後のツメを楽しんでおります。うむ。