イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

あまんちゅ! 1

天野こずえマッグガーデン。天野先生のダイビング漫画に見せかけた日常漫画の中に強烈に百合集が漂う漫画。だって、ダイビング一話でしかやってないもん。とは言うものの、ダイビングは作品全体を貫くモチーフとして機能しており、現実の熱海ではありえない清潔感を持ったネオ熱海の魅力といっしょに、この漫画の牽引力になっていると思います。海潜るのは一回きりなんだけど、見てると潜りたくなるあたり漫画力高い。
実は天野先生の漫画をちゃんと読むのはこれが初めてなのですが、とにかく絵が巧いね。腰から尻からのラインに拘りすぎな人物作画もキュンキュン来ますが、とにかく背景。この漫画はちょっとツンツンした転校生双葉ちゃんと、ネオ熱海の野生児光ちゃんのダブル主人公なのですが。ネオ熱海の風景たちは、第三の主人公と言っていいぐらい漫画の中で主張していて、いわゆる「背景」とはまた別のパワーを持っております。確固たる世界観をガンプッシュしてくる素材というか、とにかくマンガとして飲み込む時の質感がゴリィっとして硬い。歯ごたえがある。
人物のほうは、丁寧な高校生ガールミーツガールであり。野生児光ちゃんの天然間合い詰め能力がとにかく高くて、いつ双葉ちゃんと接触事故を起こすか楽しみでしょうがありません。まぁごくごく清潔な高校生ライフ漫画なので、別に恋とかそういう方向性にはならないはずなのですが。それにしたってキュンキュン来る絵を作りすぎで、思わず「アブねーな」と何度も呟きながら読みました。非常に好みです。別に人が死んだり世界が滅びるわけではないですが、風景の中に刻まれたなにげない事件を、女子高生二人がハイクオリティに楽しんでいくという、僕の好みに直撃な漫画でありました。