イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

青い花 公式読本

志村貴子と藤が谷女学院新聞部、太田出版。漫画とアニメのガイドブック、というか「読本」というカテゴライズがしっくり来る本。とにかく、内側に織り込んだ情報量のトータルが尋常ではない。ページ数自体はそこまで多いわけではないが、三段組四段組を駆使してねじ込まれた文字良と、内容の濃さが尋常ではない。アニメーションスタッフへのインタビューが特に分厚く、OP担当の幾原さんのインタビューまで乗っていたのには思わず唸った。
そこでピックするスタッフとして、幾原邦彦を選ぶことからもわかるように、とにかく「解っている」つくりである。この読本全体に溢れている「青い花」という作品への理解は、つまりは執筆スタッフの作品への愛の裏打ちである。こういうガイドブックには定番であるコンテンツ(舞台探訪や大辞典など)も一切抜いたつくりにはなっていないし、独自色が強い学院案内にいたっては驚異的な作りこみを感じる。
青い花のアニメも先日最終回を迎えたが、非常によかった。原作をアニメに落とし込む作業の中でどうしても変化してしまう部分(とくにこの漫画は、アニメにするのが難しい部類だろう)を、巧く調理して映像に仕上げた。それはひとえに、スタッフのモティベーションの高さ、作品への愛が可能にしたものだと思う。そういう類の、品質に直結する気持ちというモノが、この本には山盛り詰まっているように思えた。