佐々木少年、メディアワークス。久しぶりな佐々木月姫七巻目。約二年ぶりだと思ったら、二巻連続発行らしい。それに向けて、アルクウェイドをヒロインとして祭り上げようキャンペーンが開催。いや、今までポキータさんがヒロインだったわけではないですが、別ルートの話もキッチリ丁寧にやる、という漫画としての出来のよさが裏目に出て、エピソードとしては量が足らなかった。方向性はアルク一本だったけど。
そのしわ寄せというかなんと言うか、アルクの設定周りと併せてネームが多い多い。原作やってる気分になるくらい、文字で埋め尽くされる画面。今までの情感みっしり濃い展開は、設定語りをバッサリ切ったおかげだったのかなぁ、などと思ってしまった。この過剰な設定量が原作の魅力の一部であるのも事実なので、切り捨てるのも難しいだろうし。
しかしまぁ、シエルのナイストス連発と、アルクのヒロイン力の高さでそこらへんは何とか。特に、話しを進め設定を掘り下げアルクをヒロインスタンスに押し込むため、シエルが被った泥の量に涙が出る。秋葉の拾い方といい、シエルのアシスト力の高さは異常。全てを背負って脇役街道に走ったシエルの犠牲で、ヒロイン確定、お話の終わり方も目処が付いた。ここで一ヵ月後に続刊というのは、非常にグッド。
